引き続きイギリスの医療について書いてみたいと思います。
タイトルの通り今回は「医療」をテーマに主に制度についてまとめてみたいと思います。
日本の医療については言うまでもないと思いますがしいて言うならば
「フリーアクセス」
というキーワードをあげます。
さて、イギリスの制度についてですが、前回の記事でもあげた様に「NHS(ナショナルヘルスケアサービス)」という制度が敷かれています。
「ゆりかごから墓場まで」
という言葉を聞いたことがあると思いますが、これはNHSの基本的な概念となる言葉です。
第一次世界大戦終了後の医療改革として掲げられたスローガン「ゆりかごから墓場まで」。
言葉の通り生まれるから死ぬまでの一生をイギリス政府は国の誇る医療のシステムとして構築してきました。
その名前が「NHS」です。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20151205/14/lliibbeelloo/0b/43/j/t02200104_0327015413503084300.jpg?caw=800)
このシステムはイギリス人の誇りとも言われています。
具体的にどういうシステムなのかというと、イギリス在住者は国籍に問わずこのNHSに加入する事により、医療を無償で受けることが出来ます。
無償と言っても一部の例外や指定された病院、クリニックが対象となります。
イギリスでは医療の最初のアクセスポイントとして「GP」と呼ばれる家庭医にいくことが定められています。
GP(General Practitioner)
GPは地域住民のかかりつけ医としての機能を持ち、ゲートキーパー役を担います。
診療科目は当然ながら「総合診療」となります。
病やケガになった時には、このGPにまずは行きその後必要に応じて専門医や病院にいく。
そんなシステムになっています。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20151205/14/lliibbeelloo/0d/33/j/t02200165_0800060013503096918.jpg?caw=800)
GPはNHSに許可された一般開業医が行っており、診療所によって勤めている医師の数は変わります。
今回現地でお話を聞くことが出来た「佐々江龍一郎」(※)先生のクリニックでは登録されている医師の数は3名で訳4,000人強の患者登録があるということです。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20151205/14/lliibbeelloo/31/6c/j/t02200165_0800060013503105515.jpg?caw=800)
イギリスには日本における診療報酬と言う概念はなく、医師の給与は登録されている患者の数によって決まります。
俗に言う「人頭払い」というシステムになります。
1日に何人の患者を診たという日本の様な形ではなく、1日何人診療しても給料は変わらないっという感じです。
GPでは専門的な機材は特においてなく診療に最低限必要なベーシックなものしかないとのことで、必要な健診等は紹介状を書き専門クリニックや病院送るシステムになります。
専門的処置や手術、入院等が必要な患者に対してはGPは紹介状を書くだけではなく紹介先の医師とコンタクトを取りあいながら患者のレコードを確認していきます。
必要な処置や入院が終わった患者は、再度自宅に戻り医療提供者はGPが引き継ぐ形となります。
先述の通りGPには多くの患者が登録されているため診療は基本的には予約制となっています。
このためGPによっては「予約がとりずらい」などの弊害はあるということです。
日本の医療をどのクリニック・病院にも行ってもいいという「フリーアクセス」というならば、イギリスの医療制度はGPが中心となった「ゲートキーパ」制度と言えます。
日本でも近年では「総合診療医」という言葉が出てきており「ホームドクター」「家庭医」という言葉が使われてきていますが、イギリスの制度化にあるGPのそれとはアクセスの面から異なります。
イギリスでは制度化の下に「家庭医」という仕組みが作られています。
現在、報酬改定を控えた中医協ではしきりに「かかりつけ薬剤師」という言葉を聞きます。これは医師会が「医師は患者に対してかかりつけ、薬局はそうではない」というとある委員の発言からですが、果たして日本の意志はかかりつけということが出来るのでしょうか。
日本の医師は各自が専門分野を持ち、その分野で開業しているいわば「専門クリニック」、患者は疾病ごとにクリニックが変わり、当然ながら担当する医師も変わります。
イギリスを訪問し、GPという制度を知るとこの「かかりつけ」という言葉の持つ本当の意味を知る気がします。
あえて言うならば「薬局に対してかかりつけを問うならば、医師もどうようにかかりつけではない」のではないでしょうか。
一つ今回の視察研修の結果として、報酬制度や医療制度の異なりなど関係なく「かかりつけ」っという言葉の意味をもう一度考えるということを提言したいと思います。
※佐々江 龍一郎 先生
英国総合診療医 (ノッティンガム大学 医学部 卒業)
日本の医師免許も取得
Aguantamos, que siempre hay esperanzas, y leventámonos.
(希望は常にある、乗り越え、立ちあがろう!)
「こまがたこうだいのぜんこく薬局放浪記」はじめました!vol.9
ロンドン~ロンドン~楽しいロンドン編
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20141117/17/lliibbeelloo/aa/71/j/t02200311_0800113113132108130.jpg?caw=800)
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