『数字』
苦手な方も多いのではないでしょうか。
世の中には目に測れないものが多くあります。
これを「定性的」ということがあります。
「感情」や「努力」などがこれに分類されます。
逆に数字として置き換えることが出来るものを「定量的」といいます。
数字にはプロセスがあり、そのプロセスを誤らなければその数字は絶対的な値を意味します。
「財務諸表」「テストの点数」「ゲームのスコア」などがこれに当てはまります。
この「定性」と「定量」の持つ意味をよくよく理解しなくては、決断に大きな影響を与えることがあるので、気をつけなくてはいけません。
私個人としては、「CS」や「ES」という評価指標はあまり好きではありません。
もちろん、やることと把握すること自体には価値があると思いますが、把握の仕方を間違ってしまうと大きなミスリードになりかねないことがあります。
「定性」を求めるのか、「定量」を求めるのかで大きく話が変わってきます。
本題に入るのですが、
いまなにかと話題となっている薬局に関する問題。
時を同じくして内閣府による「医薬分業」をテーマとした公開ディスカッションが行われます。
いうまでもなく
「医薬分業は本当に意味があるのか」
ということが論題です。
各代表の資料は既に公表されていますのでお時間のある方は是非ご覧くださいませ。
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/meeting/2013/discussion/150312/gidai2/agenda.html
この論議は「医薬分業」がなぜ行われたのかというところから話を始めなくてはいけません。
概ね「薬のダブルチェック」「医師の負担軽減」「医療費の抑制」などが挙げられるかと思います。
前者の2つにおいては、院外処方という概念から考えると特に問題ないかと思います。
問題は後者に集まるのでないでしょうか。
ここが大きなターニングポイントであると考えます。
今回の議論は前者「薬剤師の働き」ではなく「医療費の抑制」の問題が議論であるということです。
薬の専門家として活躍する薬剤師の働きは国家資格であるように多くの方が認める所です。
しかしながら議論を「薬剤師」と履き違えてしまうと、「院内」であろうが「院外」であろうが薬剤師は薬剤師です。
院外処方をやめて院内に切り替えれば、いま薬局薬剤師がやっている業務を病院薬剤師が行うだけです。
もちろんそうなれば点数もつくことになると思います。
ここってすごく大きなポイントだと思っています。
いまのこういうときだからこそ取り組まなくてはいけないのが
「薬局薬剤師のあり方」
なのではないでしょうか。
病院で出来ることを、薬局でやっても意味がありません。
「保険薬局の薬剤師だからこそできる」ということをどれだけ出していけるかなのではないでしょうか。
今回の議論において、薬局側のメッセージを感じることが出来ないと思っています。
この場で「薬剤師」の業務について話をしても意味と思っています。
公開ディスカッションに参加する方の資料に一通り目を通すと、この回の意図を垣間見ることが出来ると思います。
日本薬剤師会側の資料として、疑義照会に関する数字が出されています。
しかしこれに関しては、「薬局がかかわること」ではなく「薬剤師がかかわること」なのではないでしょうか。
またいつもかんじることですが、57,000軒までに膨らんだ保険薬局ですが、重要な論議に使われる資料のπは500程度でいいのでしょうか。
数字というのは見る人が見れば1から多くの事がわかります。
逆にプロセスを知らなければ、口撃の対象になるもろ刃の剣です。
医薬分業に関する議論において、分業当初からの失敗、ミスリードなどがあり現状としては批判はにとって有利と言えます。
国としてもその点は十分に理解しているのだと思います。
そもそもを言えば、株式会社、薬価差益などを認めていたのは国です。
分業によるメリットは「薬剤師がかかわること」によるものではなく、「薬局がかかわること」です。
必要なのは、「薬剤師業務」という定性的なものではなく、数字なのではないでしょうか。
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