なんだかんだと気が付いたら社会人になって、仕事が当たり前になっている。
昔はあんなに働くことが嫌だったのに。
先日は鹿児島で同じ世代のたくさんの薬剤師にあった。
不満も満足も意欲も堕落も、いろいろな感情が渦巻いている。
自分たちの置かれている現状はどうなのだろうか。
アベノミクスと言われなんだか景気が上向きみたいに聞こえるけど、実際不景気はまだまだ続いている。
仕事は選ばなければなんとか職につくことが出来る。
そんなこともあるけど、結局長続きがしない。
就活とは不思議なもので、大事なターニングポイントであり、一種の戦いである。
その一つで人生が方向性が決まると言っても過言ではない。
そういった概念が薬剤師という職にはあるのだろうか。
資格をもっているということは素晴らしいことである。
しかしその資格に溺れてしまえばそれまでである。
先日、とある薬科大の理事長にお会いをしてきた。
色々と貴重なお話を聞かせて頂いたが、一番面白かった話を紹介する。
「医薬分業を完全分業にして、医師とドクターの立ち位置を一緒にするっと話す薬剤師がいるが、その考えそのものが薬剤師のエゴと過信だということに気がつかなくてはいけない」
なかなか、ぶっとばした発言だと思う。詳しく聞いてみると。。。
「ドクターと薬剤師の違いは色々あるが、大きく違うのは労働基準法で守られているか、守られていないかがある。」
「いまの薬剤師は定時は当たり前、夜間配達している所もあるが、多くはそうではない。月の残業時間ももちろん決められている。」
「しかしドクターの場合は一日8時間労働という定めを敷くことができない。なぜなら、そんな事をしてしまえば大きなオペが出来なくなってしまうからである。10時間のオペなんて日本全国ざらにある。しかし、ドクターがそれを放棄してしまえば全ての医療が終わってしまう」
また、こうも言っていた。
「薬剤師は国家試験を通り、勤務し始めた時からプロである。」
「しかしドクターは整形外科であれば、指の処置を一人で出来るようになるまで2年、腕となると5年、足の置換となると10年、背骨となると15年、全身全部カバーをするのには20年掛かる。日々修業と勉強を繰り返す20年たって初めて先生となる。」
この理事長は医師資格と薬剤師資格を持ち合わせ、両の気持ちがわかるという。
だからこそ納得してしまう。
今考える「薬剤師先生論」を少し見直してみてもいいのでは。
別に批判をしたいわけではない。
ただ、このぬるさの原因はどこにあるかは既に気がついているのではないだろうか。
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