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今回はアンサングシンデレラ主演の石原さとみさんが結婚を発表したことにも関連して、薬剤師の少し深いお話
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薬剤師の「専門性」?
つい先日、アンサングシンデレラが最終回を迎え、また主演の石原さとみさんが結婚を発表しました。
今回はこれに絡んで、薬剤師についてでも特に深く、普段ではなかなか知り得ないことをいくつかご紹介したいと思います。
今回は特に「専門性」という部分を中心に掘り下げていきます。
お医者さんの「専門」
まず、お医者さんと言えば、誰もがご存知のように、内科、耳鼻科、皮膚科、外科など、様々な「専門」があり、それぞれで開業されていたり、総合病院では科が分けられていて、お医者さんもそれぞれ存在しています。
一方の薬剤師は、このように専門できちんと区切られていることはありません。
言い換えれば、薬剤師の資格があれば、どの科の、どんなお薬でも扱うことができるのです。
さらにもっと言えば、その数々の専門のお医者さんが処方する、あらゆる領域の薬を等しく知っていて、正しく扱えるかというと、これは正直に言って難しいです。
例えば副作用が出やすく扱うのが難しいお薬、個人差が広い薬で患者さんそれぞれに用量を決めるのが難しい薬も存在します。
そう言った薬を、普段から扱いなれている薬剤師と、なれていない薬剤師、というのがどうしても存在します。
そこで、ドラマのアンサングシンデレラでも出てきたのが「専門薬剤師」という制度です。
「専門薬剤師」に「認定」される
薬剤師は国家資格で、公的な制度としては一つしかありませんが、「専門薬剤師」という制度で49の認定制度があります。
とても多く感じられますが、ほぼ同じ領域を扱う団体がいくつかあり、重なっている部分が結構あります。
どういうことかというと、ドラマのアンサングシンデレラで出てきた、「がん薬物療法認定薬剤師」というものがあります。
これは文字通り、がんのお薬を扱っていることを認定するもので、これを制定している団体は「日本病院薬剤師会」というところが出しています。
しかし、日本医療薬学会というところでは「がん専門薬剤師」を、日本臨床腫瘍薬学会というところでは「外来がん認定薬剤師」と、がんのお薬の認定だけでも3種類があります。
これは一例で、言ってしまえば乱立している、という部分も少なからず言えると思います。
多いのは「研修認定薬剤師」
そして、薬剤師であれば大抵、何かしらの認定があることが多いです。
そもそも認定を受けるのは、49もの認定資格があるように、様々な方法があります。
例えばこれまで実際に扱ってきた患者さんやお薬のレポートを提出して、実績として認められて認定される、という事もあります。
種類として一番多いと思われるのが、研修認定薬剤師というもので、実際に自分も持っている資格です。
これは何か特別な領域に特化していることを認定するものではなく、1単位1.5時間ほどを、1年で10単位分の時間、研修を受けるという内容で、簡単に言えば薬剤師になってからも、日々新しいお薬や病のことについて勉強していることを示す資格となります。
これと併せて、他にも資格を持っている方ももちろん存在します。
例えばプライマリ・ケア認定薬剤師というのがあり、詳しく説明するのが難しいですが、簡単に言うと生まれてから亡くなるまで、赤ちゃんからお年寄りまでの間のあらゆる相談を受けられる、総合的な力のある薬剤師というのを認めるものです。
これはプライマリ・ケア連合学会というところが出していて、研修認定薬剤師のように更新していく資格です。
また、健康という面でとても大切な、禁煙のお薬、指導に強いことを認定する、禁煙指導士というのも存在します。
専門知識を「活かせる場」で使う
上記で挙げた、プライマリケア認定薬剤師、禁煙指導士は、実は自分が以前持っていた資格で、現在は持っていません。
更新をしなかったということで、その理由としては更新にかかる費用や、研修のための講習、勉強の時間がとれないなどいくつかありますが、はっきり言うと、自分の現在の立ち位置、業務の方針として、活かすことが出来なかった資格、といえます。
乱立しているようで、意味がないのもあるように見られますが、実はそうでもないのが、認定薬剤師の特徴です。
例えば分かりやすいのが、公認スポーツファーマシストというものがあり、これはドーピングにまつわる薬剤師を認定する資格で、扱いが難しい医療用のものだけではなく、市販されるあらゆるお薬、サプリメントに対して高い知識があることを示す資格です。
選手が服用するものに、ドーピングとみなされる禁止薬物が含まれているかどうかを判断する、非常に重要な薬剤師となります。
これはわかりやすい例ですが、このように資格があることも、そしてどのように役立つのかも、なかなか知られていないのが一つの問題だと思います。
言響インストラクター×薬の引き算をする薬剤師
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引用元:石原さとみ結婚記念!薬剤師にも専門があるの?#452
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今回は、秋でも注意したい花粉症についてのお話
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花粉症の患者さんが増加
今回は花粉症についてのお話です。
夏、秋と言えば、花粉症とは縁遠い季節に思われがちですが、実は秋でも花粉症は起こり得ます。そして実際、自分の身の回りでも花粉症の症状で来られる方が増えて来ています。
花粉症については、voicyでも何度か詳しく取り上げていますが、今回は今時期の原因不明の目のかゆみという症状も取り上げながら、触れていきたいと思います。
花粉症の原因
まず、これまでも何度かご紹介している、花粉症のメカニズムですが、簡単に言うとアレルギー反応の一つ、となります。
元々、花粉は人にとっては無害なもので、実際に花粉が体内に入っても問題無い体質の方も存在します。しかし、体質によっては、花粉を細菌やウイルスと同じような扱いをしてしまい、激しく抵抗して体外に出そうとします。
これが花粉症です。
このアレルギー反応を起こす種類の花粉を持ち、全国的に広範囲に広がって植えられているのが、スギ、ヒノキと言った植物です。
花粉症は春ごろに特にニュースになりやすく、患者さんも増加しますが、それはスギやヒノキが春ごろに花粉を飛ばすためです。
これを言い換えれば、夏から秋にかけて花粉を飛ばすタイプの植物で、アレルギー反応が起きてしまう植物もある、ということになります。
具体的にはブタクサ、ヨモギ、アサ、カナムグラ、などが挙げられます。これらは8月の終わりごろから10月の半ばごろにかけて花粉が飛ぶため、これらによる花粉症はまさに今時期がピークと言えるほどです。
ちなみにイネ科の植物もゴールデンウイークごろから6月にかけて一度花粉が飛び、その後秋口の今時期に再度花粉が飛ぶという特徴があります。
風邪・covid-19との見分け方
風邪や新しいウイルスとなるcovid-19と、花粉症との見分け方が難しいケースもあると思いますが、これらとの見分け方は、まずcovid-19は鼻の症状はほぼ出ません。
ですので、鼻がかゆい、鼻水が出るという場合は、covid-19についてはひとまず安心して良いかと思います。
一方の風邪は、鼻風邪というのも有名なように、少し難しいですが、熱があるかどうかが一つの目安となります。
喉、咳の症状よりも鼻の症状の方が重い場合や、目のかゆみの症状があれば、花粉症の可能性が高いです。
そして、以前も少しご紹介した、室内の環境で分かるケースもあります。
アレルギー反応ですので、部屋の中に入ったら、特定の空間にいたら症状が治まる場合は、風邪ではなく花粉症の可能性が高いです。
春の花粉症と治し方の違い
秋の花粉症の治療、予防ですが、どちらも同じ仕組みで起きていることですので、方法は同じです。
アレルギーのお薬を使っての治療で、例えば鼻詰まりがひどい場合にはステロイドの点鼻薬を使う事もあります。
また、以前の花粉症の回でも触れていますが、予防のために、花粉が飛ぶピークの2週間ぐらい前から飲んでおくのが非常におすすめです。
アレルギーは火事のようなもので、症状が大きくなる前に早めに対処しておくことで、症状が大幅に軽くなりますので、是非覚えておいていただければと思います。
市販薬で大丈夫?
そして、その時に使うお薬ですが、市販薬で充分対処できます。
なぜかというと、実は現在のアレルギーのお薬は、医療用で使っているものとほとんど同じものが市販されているのです。
例えばvoicyでも何度か出ているアレジオン、アレグラ、クラリチンと言ったお薬は、医療現場でも頻繁に使われるお薬で、成分と含有量も全く同じものが市販されています。
ステロイドが使われている点鼻薬は、市販薬と医療用で少し種類が違いますが、市販のも存在します。
例えば、ナザールアルファARはステロイドが入った点鼻薬で、これを予防的に使うのも効果的です。
そして、花粉症のお薬と言えば眠気の副作用ですが、前述の例で言うとアレグラとクラリチンは特に眠気の作用が改善されているので、もし気になる方はこれらを試してみてください。
もし、毎年花粉症で悩んでいて、市販薬が効かないというぐらいの方であれば、遠慮せずに早めに病院に行って相談してみてください。
covid-19対策でとても重要な「換気」で、花粉が入ってしまう
最後に、現在covid-19の感染対策で、何度もお伝えしているのが「換気」という事です。
花粉は空気清浄機を使って取り除くことが出来、家の中に入る前に上着を脱いで家の中に花粉を入れないようにするなどの対策が出来ますが、covid-19対策のために、窓を開けて換気をすることで、花粉が外から入ってきてしまう、という問題に直面する方もいると思います。
完全に相反することで、非常に難しい問題ですが、これは自分が長時間過ごす部屋であれば、必要最小限の換気をするのがベストと思います。
例えば毎日8時間や9時間過ごす寝室は、花粉もcovid-19も両方注意する必要がある場所ですので、花粉が入らないように、最低限、短時間でも良いので換気をするのが安全です。
その他の対策
その他の対策ですが、こちらは以前も触れましたが花粉が目に入らないようにメガネをかけるとか、今はほとんどの方が使っているマスクも、花粉対策に効果的です。
また、それほど症状がひどくないという場合は、お薬ではなくサプリメントもあり、例えば甜茶(てんちゃ)の飴やサプリメントを、今からこまめに使ってみると、症状が落ち着くことがあります。
最近では青みかんがアレルギー用のサプリメントとして売っていることもありますが、どちらもサプリメントですので、お薬ほど効果が強いわけではないので注意してください。
言響インストラクター×薬の引き算をする薬剤師
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引用元:この時期の目の痒みは花粉症かも?#451
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今回は9月下旬現在の、covid-19のお薬についてのお話
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アビガンがcovid-19に「適用範囲拡大」
今回は少し進展があった、covid-19へのお薬として有力視されている、アビガンのお話です。
アビガンが来月に、インフルエンザの治療だけではなくcovid-19への治療にも使えるように、申請がされます。
このことを適用範囲拡大、と言いますが、覚えている方もいるかもしれませんが、実は以前アビガンについてはcovid-19への効果があまり確認できなかった、という事が分かっています。
今回はこのことについて、詳しく掘り下げていきます。
アビガンにまつわる実験
適用範囲拡大のニュースを見たとき、自分も気になってもう一度詳しく文献を調べてみました。
まず、国内で研究を行っていた、藤田医科大学というところの実験では、89人の人を対象に、初日からアビガンを投与した人と、初日からではなく6日目から投与した人とを分けて実験をしていました。
この時、投与しない人、との比較はしていませんでした。
この結果、ウイルスを減らす効果が高い可能性はあるものの、確実に効果がある、と言えるほどの結果は出ませんでした。
これによって、アビガンは効果が無い、という結論がつきましたが、ここから先をもっと詳しく調べてみると「有意差」という、アビガンには確実に効果があると言えるまでの差、範囲を超えられる可能性がある、という風に締められていたのです。
これをもとにというわけではないですが、アビガンを生産している富士フィルムが、アビガンの第三層の試験を行い、さらに多くの人を対象に実験をしました。
こちらでは投与した人と投与していない人に分けて実験を行い、その結果、投与した人ではcovid-19のウイルスが平均で、11.9日で確認されなくなり、PCR検査で陰性となりました。
一方の投与していない人では、14.7日でウイルスがなくなりました。
第三層試験によって、3日間ほど、早くウイルスが無くなることが分かったことで、一定の効果が確認できた薬として、承認申請が行われたのです。
9月9日に出た治療のガイドラインで、お薬の向き・不向きが発表
以前、もしかしたら少し触れたかもしれませんが、9月9日に日本救急医学会、日本集中治療医学会というところがcovid-19のガイドラインを出しました。
この中で、今まで何となくで使い分けられていた「軽症」「中等症・重症」の指針が定められました。
まず軽症者は、酸素吸入を必要しない人のこと、としました。人工呼吸器はもちろん、酸素マスク等も含めて不要なケースで、例えば咳が出ていたり、息苦しさがあったとしても、病院で酸素吸入が必要でないのであれば、一律で軽症者となります。
対して、中等症・重症の方は、酸素吸入が必要な方、となります。
この定義で当てはめて、アビガンは軽症者には「弱く」推奨されています。
アビガンは副作用の種類が多いお薬ですが、副作用の危険よりもウイルスを減らす効果の方がわずかに上回る、高く得られるだろうとのことで、弱い推奨、ということになっています。
一方の中等症・重症の場合は、現在は「推奨を提示しない」とされています。なぜかというと、副作用と効果のバランスが現在でも判断できないためです。
今後、アビガンによって中等症・重症の方が早く治るとか、死亡率が減る、と言った研究結果が出れば変わる可能性があります。
そしてもう一つのお薬として出ていた、レムデシビルですが、これはアビガンの逆で、軽症の場合に対しては「推奨を提示しない」となり、中等症・重症の場合では「弱い推奨」がされています。
レムデシビルはすでに、臨床研究で重症患者の死亡率を減らしたことが認められていますが、軽症の場合で早く治るかはまだ確認されていません。
また、レムデシビルも当然副作用の問題があり、値段が高いという問題もあるため、そもそも軽症の方に投与するのか、という事も考慮する点となっています。
ちなみに、アメリカのトランプ大統領が言ったヒドロキシクロロキンですが、これも日本の先ほどのガイドラインの中で触れられていますが、これはいずれの場合でも投与しないようにとなっています。
炎症に効くステロイドは?
肺炎の症状が主なので、これまでも何度か触れていますがステロイドが効果的です。
これはガイドラインでも記載されていますが、中等症・重症の場合は投与することを強く推奨していますが、一方の軽症者には投与しないことを推奨しています。
どういうことかというと、ステロイドは以前もお話しましたが炎症を強く抑えられるかわりに、免疫力が下がる効果があります。
炎症が抑えられたとしても、結果的に、治るまで時間がかかり、治療が長引く恐れがあるのです。
ですが、ステロイドのこの効果を利用して、以前のcovid-19の回でも触れた、サイトカインストームを抑えることが出来ます。
サイトカインストームとは、体の免疫力が暴走してしまって、体内で様々な悪影響を及ぼすという症状ですが、ステロイドによって免疫力が下がることで、これを大きく抑えられます。
この働きで重症患者の死亡率が目に見えて減っているほど、優れた効果となっており、中等症・重症の方には投与することを強く推奨しています。
このことを踏まえると、日本では軽症の患者さんにはアビガン、中等症・重症の方にはステロイド、レムデシビル、という風になっていく可能性が高い、と言えます。
言響インストラクター×薬の引き算をする薬剤師
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引用元:covid-19薬の現状は?アビガン効果ありで安心?#450・・・
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今回は現在放送中の薬剤師ドラマのお話
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現役薬剤師から見た「アンサングシンデレラ」
現在フジテレビ系列で放送されている「アンサングシンデレラ」というドラマがあります。
今年初めのクールに放送される予定だったドラマで、covid-19の影響で放送が少し延期され、現在放送されています。
医療ドラマと言えば古くはナースのお仕事や医龍、チームバチスタ、最近ではドクターXがとても人気だったと思います。
また少し前にはコウノドリという、産婦人科、助産師さんが活躍するドラマもありました。
ただ、薬剤師が出てくるドラマ、薬剤師が主役となる作品はありませんでした。
今回はこのアンサングシンデレラについて、自分も2年間ほど病院薬剤師として働いていたため、実際どれぐらいリアルなのかを少しお話したいと思います。
目次
薬剤師が作中に出てこなかった理由
まず一番初めに言いたいのが、最初にも少し触れましたが、医療ドラマはたくさんありますが、そのいずれにも、薬剤師という存在が出てこなかった、という事があります。
これは以前から度々触れていますが、「薬剤師は薬を出すのが仕事」という思い込みで、それ以外に出来る仕事がほとんど知られていない、と思われます。
そこにスポットを当てたのが、アンサングシンデレラという作品です。
薬剤師は目立たないところでたくさん関わっていて、例えば何度か登場してきている疑義照会も、病院でももちろん行います。
お医者さんに直接聞くことも当然ありますが、ドラマ内では休憩中のお医者さんがいる食堂まで行って聞きに行ったシーンがありますが、場合によってはそうなることもあります。
そしてそのシーンの時、お医者さんから少し邪険に扱われて、若干対立するような感じのやり取りがありましたが、あのようなやり取りは多かれ少なかれ、薬剤師は経験しているはずです。
特に、二昔前ぐらいの時代では、言ってしまえば普通のやり取り、と言えるぐらいです。
近年重視されている「チーム医療」という意識があり、現在はこれを医学部でしっかりと習っている人が実際にお医者さんとなっているので、そこまで横柄に、邪険にされることは無いと思います。
ただ、この疑義照会はやはり、お医者さんにとっては非常に面倒なことであることは確かです。
作中のあのシーンは正しい?
疑義照会の話だとまだまだ長くなるので次に行きますが、この作品では病院内でお薬を扱う、病院薬剤師と言うタイプで、自分で薬局を持って管理するタイプとは性質が異なります。
そして、作中で患者さんの治療計画で、どういう薬を使うかと言ったことを書いて、直接患者さんに見せる、というシーンがあります。
これは、患者さんに対して治療計画そのものを薬剤師が直接見せることはありませんが、お医者さんと二人で打ち合わせることは、充分あり得ます。
お医者さんから来た処方内容をもとに、話し合いをして提案をしたり、逆にお医者さんの方、薬の設計を依頼されることはあります。
ただし、この時に一晩、DI室(病院内にある医薬品情報室)にこもって様々資料を調べて作る、ということはほぼありません。
現在では文献を調べるのと同時に、ネットでからも調べたり、もし必要であれば製薬会社さんにも問い合わせるので、一人でずっとDI室で探すことは今はほぼありません。
最後にもう一つ、ドラマならではと思われがちなのが、瀬野さんという存在です。
救急専門の薬剤師という設定のキャラクターですが、これもすべての病院ではありませんが、実在します。
病院薬剤師が患者さんと関わりすぎ?
このドラマで、石原さとみさんが演じる主人公の葵さんですが、「薬剤師の仕事を逸脱してるぐらい患者さんと関わってる」という事を、おそらくドラマを見ている方のほとんどが思っていると思います。
確かに、過剰な演出でしかありえない、大げさなところもありますが、実は病院の薬剤師であっても、患者さんと多くかかわります。
例えば、入院されている患者さんのベッドの横まで行って、お薬の事を説明するというシーンがありますが、これは1988年から正式に、薬剤師の仕事の一つとして組み入れられていることです。
ドラマならではの演出でやっているというわけではありません。
また、病院薬剤師が別の病院、クリニックやドラッグストアに文句を言いに行くようなシーンがありましたが、これは電話でですが、実際に話して情報共有することはあります。
患者さんの家にまで行くの?
さらに、作中では患者さんの家にまで行って、薬の状況を見に行くシーンがありますが、これは病院薬剤師ではなく、薬局薬剤師であれば、たまにあり得ることです。
ドラマのようなことがきっかけではありませんが、きちんと薬を飲めているのか、管理できてるのか心配になった時、患者さんにきちんと了解を取って、家に上がり、お薬の状況を詳しく聞くことがあります。
もし飲めていなかったら、事情をきちんと聞いてお薬を変えて飲めるようにするとか、万が一認知症の患者さんだったりなど、他の事情があればケアマネジャーさんやご家族さんに連絡することもあります。
薬の「味」で違いが判る?
最後に、一番あり得なさそうな、過剰すぎる演出のようなシーンが、子供用の粉薬を、目隠しをして、味で違いを判断したという部分です。
メイアクトと言う薬と、クラリスという子供用の薬とを味で見分けて、成功したというシーンですが、このお薬に関しては、おそらく薬剤師であれば全員分かります。
この二つは味も匂いも全く違う、特徴的なお薬で、実際に飲まずとも鼻を近づけただけで、おそらくわかると思います。
このシーンは原作の漫画でも同様のがありますが、その時はメイアクトではなくバナンというお薬と、クラリスというお薬とで見分けるシーンがあり、それだと少し難易度が高くなります。
そして、自分もそうですが、薬剤師はお薬の味を見ることは実際にあります。
特に小児用の、お子さんへ使うお薬は、患者さんに実際に飲む感じを伝える必要があるので、小児用のお薬を取り扱う薬剤師であれば、やっている方もいると思います。
また、大人用であっても、OD錠という口の中で溶ける錠剤のお薬があり、これは製薬会社さんごとに味が大きく違い、特にジェネリック医薬品であれば各社様々な違い、差をつけて発売するので、味にもたくさんの種類があります。
自分の場合は一応、薬局として購入して、取り扱う場合には一通り確認しますが、正直言って覚えられる数ではありません。
ただ、非常にマニアックな、味を確かめるのが好きなような薬剤師であれば、細かく確認して覚えている方もいるかもしれませんが、ドラマのように目隠しして当てるのはおそらく不可能だと思います。
ただし、これに似たシーンで、患者さんのお母さんに対して、患者さんとなる子供さんに使うお薬を味見させるシーンがありましたが、これは現在では行わないと思います。
作中でも少量であれば問題ないということで味見をさせますが、確かにしっかりと認可を受けているお薬ですので、何らかの健康被害が出ることはおそらくありませんが、万が一、何らかのアレルギー反応が出る可能性は、否定できないのです。
そしてそうしたことは実際、つい最近にあって業界でニュースとなりました。
薬学部の実習生の方に、研修の一つとしてドラマのように子供用の薬の味見をしました。
するとその方がアレルギーを起こしてしまい、問題となりました。
薬の説明をしっかりとできるように備える
薬剤師が味見をするのはあくまでも仕事の一環として、新しい薬を扱うために、説明できるようにという意味であり、また万が一何かあった場合でもある程度は自力で対処ができるため、行うことです。
なので、一般の方で、単に味が知りたいからと言って味見をするのはあまりおすすめしません。
他には、例えば新しい吸入のお薬が出たときにはその使い方をしっかりと知っておいて、きちんと説明できるようにするために、自分で使う事もあります。
注意点や使い方のコツを説明できるよう、事前に使ってみるのです。
このように、お薬に関するありとあらゆることを、薬剤師は行います。
ドラマは少し過剰な演出の部分もありますが、興味があれば是非、見てみてください。
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引用元:薬剤師初のドラマ!アンサングシンデレラはリアルなの?#449・・・
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今回は頂いたコメントを一挙にまとめて返信して、いくつかの市販のお薬にまつわるお話
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市販薬にまつわる3つのコメントが
偶然にも、いくつかのコメント、薬に関する相談がまとめて寄せられたので、今回は総まとめで、一挙に解決していきたいと思います。
内容は睡眠の改善に効く眠剤について、気圧の変化による体調不良について、最後が整腸剤について、総まとめでご紹介していきます。
質問1「睡眠薬」「眠剤」について
まず最初に、在宅ワークでパソコン作業する時間が増えて、睡眠の質が以前から悪くなってしまい、市販のドリエルというお薬はどうなのか、というコメントをいただきました。
ドリエルは市販の睡眠導入剤として非常に有名で、テレビCMも頻繁にやっていたお薬ですが、これは少し古いタイプのアレルギーのお薬が元となっています。
花粉症のお薬を使うと眠くなる、としばしば言われると思いますが、それを利用して深い睡眠に入るという仕組みです。
ドリエルに使われているアレルギーの薬は、非常に強い眠気が来ることで有名でしたが、それを応用して、ドリエルが誕生しました。
コメントの後半に、入院時に医療用の睡眠薬を使ったといただきましたが、それとは全く違う仕組みで、成分も違うので、その点は安心して大丈夫です。
ちなみに、薬を飲み続けると肝臓に負担がかかる、というようなことを言われますが、それはこの睡眠薬やアレルギーのお薬に限ったことではありません。
ドリエル以外の市販の睡眠薬では、レスティ錠とウットというものがあります。
レスティ錠は9種類の生薬が入っていて、不安やイライラを抑え、気分を落ち着かせることで、眠るというものです。
ウットはドラッグストアでもなかなか見かけないレアなもので、市販されてはいますが少し強い薬という特徴があります。
ウットのような昔の睡眠薬は、何回も使ってしまうと飲む量が増えて行ったり、そのお薬を飲まないと眠れない、という依存状態になる恐れが少なからずあります。
あくまでも一時的に、緊急で使うのであれば大丈夫ですが、薬剤師的にはあまりおすすめはしません。
最後に、以前何度かご紹介しましたが、グリシンというサプリメントも、睡眠に良い効果があります。
アミノ酸が主な食品添加物の一つで、睡眠の質を改善するという働きをするため、単に眠れないというよりも、寝たのに疲れが取れないとか、寝た気がしない、寝足りない感じがある時には、グリシンの方が良いこともあります。
質問2「テイラックとピルを併用しても大丈夫?」
続いての質問は、台風シーズンもあり、秋への季節の変わり目で、低気圧の影響で頭痛が増えてきた、という方からのものです。
女性の方で、テイラックという市販のお薬と、処方されているピルと併用しても大丈夫か、という内容です。
少し前に秋バテについての時でも触れたように、低気圧に絡んで頭痛やめまいと言った症状が出ることがしばしばあり、例えば喘息やリウマチの症状がある方は、その症状の引き金になることもあります。
これは「天気痛」と言い、358回で詳しくご紹介しておりますので、是非併せて参考にしてみてください。
このことの原因はいくつか諸説あり、はっきりしたことは分かっていませんが、今回のテイラックに関連する説は一応は存在します。
まず気圧が低くなると、文字通り、圧が低くなる状態ですので、頭の血管が通常時よりも広がりやすくなります。血管が広がるということは、その周辺の神経を圧迫することになり、普段は感じないような痛みとなって出る、という事です。
そしてもう一つ、体内に気圧の変化を感じ取る器官があります。耳の中にある内耳という部分で、体質的に内耳が非常に敏感で、わずかな気圧の変化でも、内耳に流れるリンパ液の揺れを過敏に受け取ってしまい、同じように頭痛など様々な症状となって現れます。
目からの情報では揺れていないのに、リンパ液が動くことで揺れているという情報が入ってしまい、脳が混乱を起こし、それが大きなストレスとなって自律神経に影響が出て、酔ってしまう、というのもよくあります。
これらはあくまでも、天気痛の原因の一説ですが、これらの説とテイラックがどう関係するかというと、テイラックは「五苓散(ごれいさん)」という漢方が主な成分のお薬になります。
体の水分の流れを調節するというもので、それによって脳の血圧や、内耳のリンパ液を調節して、症状を軽減する、ということをします。
ちなみに、ピルと併用しても問題ない薬、となります。
質問3「おすすめ圧倒的整腸剤は何?」
最後の質問が、ザ・ガードコーワ、ビオフェルミン、ビオスリーの3つが薬局にあり、そこの薬剤師には「ザ・ガードコーワ」をすすめられたが、その3つとの違いを説明してくれず、よくわからなかった、というものです。
そしてズバリ、おすすめ圧倒的整腸剤は?というコメントです。
市販の整腸剤は、菌の違いが大きい特徴になります。
いわゆる乳酸菌、ビフィズス菌を使用しているとか、納豆菌によって腸を整えるお薬とか酪酸菌のものもあります。
共通しているのがいずれも「善玉菌」で、今回挙げられた3つも、全て違う菌が主成分の整腸剤になります。
種類も、効果が出る場所も違い、例えば小腸で効く、大腸で効く、あるいは両方でまんべんなく効く、など様々あります。
なので、基本的には、圧倒的に差があるというのはほぼありません。
それよりも、自分の体質、症状に合うかどうかが大切で、そればかりは一度使ってみないとわからない部分でもあります。
このことを踏まえて、コメントにあった、薬剤師が「ザ・ガードコーワ」をおすすめした理由は、一つ考えられます。
ザ・ガードコーワ以外の二つ、ビオフェルミン、ビオスリーは、いわゆる普通の整腸剤で、善玉菌が入っている、というお薬になります。
ザ・ガードコーワは単に善玉菌が入っているだけではなく、生薬で胃腸を整えたり、胃腸のガスだまりを取り除く働きが出切るなど、胃腸に対していくつかの作用のあるお薬をまとめて入れています。
なので、単純に下痢に効くだけではなく、胃が痛いとか、おなかが張るという症状にも効果があるお薬になります。
これはその他の二つ、ビオフェルミンとビオスリーには無い効果です。
単に下痢の時、腸がおかしいという場合で、整腸剤を使うのであれば、ビオフェルミンやビオスリーのような整腸剤で問題ないと思います。
以上、3つのコメントをひとまとめでご紹介していきました。
これからも是非、些細なことでも構いませんので、コメントいただければと思います。
言響インストラクター×薬の引き算をする薬剤師
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引用元:何を選べば良い?市販薬や飲み合わせの質問への答え#448




