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言響インストラクター×薬の引き算をする薬剤師のブログ

言響インストラクターとしてプレゼンのことや、薬の引き算をする薬剤師として健康のことなど。役に立つ情報発信をしていこうと思います。



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今回は前回触れた、適応障害の詳しいお話

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適応障害・うつ病の「きっかけ」

今回は前回のストレスに続いて、適応障害やうつ病に関するお話です。

少し前回のおさらいになりますが、ストレスがかかり続けると、様々な症状となって体に現れますが、当然ながら気分にも悪い影響が出てきます。

気分が落ち込む、楽しくない、というようなもので、誰しもが感じることです。

人の普通の反応の一つで、正式には「抑うつ気分」と言い、病的なものではありません。

抑うつ気分からすぐ元に戻ることもあり、また逆にすぐに抑うつ気分になることもあります。

しかし、抑うつ気分が一段強い状態になると「うつ状態」と言います。

うつ状態がさらに重症化したものが、適応障害やうつ病という、一つの病となって、現れます。

 

うつ状態とは

抑うつ気分が重く、長引くとうつ状態になります。

うつ状態とは、単純に気分が優れないとか嫌な気持ちになっている、落ち込むという事に加えて、"普段だったら楽しくなることを楽しめない"とか"色々なことに興味が全くわかない"、というような状態です。

具体的な症状では、不眠、食欲不振ももちろんあります。

このうつ状態は、一つ前の抑うつ気分よりも重い症状ですが、正式な病ではありません。

これがさらに重度になったのが、適応障害やうつ病という病です。

 

適応障害とうつ病の違い

今回取り上げる、適応障害とうつ病ついてですが、うつ病は前述のうつ状態が、起きている間中常に、そして2週間以上続いていることで診断される病です。

ただし、単にうつ病ということではなく、同じような症状でも全く違う病気があり、治し方やお薬が変わってくることがあります。

前回触れた双極性障害や、新型うつ病と言ったものがありますが、その中でも代表的なのが、今回の本題となる「適応障害」です。

適応障害はうつ状態のくくりの中の一つで、割合で言うと、実は適応障害の方がうつ病よりも多いとされています。

この両者は症状の出方やうつ状態のなり方で分けられます。

まず、うつ病の場合はストレスを受け続けてうつ状態になり、それが一日中常に、2週間以上続いている状態ですが、そのストレスの原因を取り除いてもすぐに治らない、と言う特徴があります。

つまり、治るまでに時間が必要、という事です。

そしてもう一つが、前回お話したように、抗うつ薬というお薬がよく効くのも特徴です。

 

適応障害はストレスを受けてから発症するまでが早い

一方の適応障害は、うつ病とは逆に、ストレスを受けてから発症するまでが早い病で、同時にストレスが無くなると回復するのも早く、原因がとてもはっきりした分かりやすいものになっています。

さらに言うと、うつ状態でも、趣味を楽しむことが出来るのも適応障害の特徴です。

うつ状態であっても、趣味や自分の好きなことをやっている時は普段通りに楽しめて、ストレスのかかる時だけ重いうつ状態になるという症状です。

そして、うつ病とは違い、適応障害は抗うつ薬が効きづらいのも特徴の一つですが、早いうちに適切に治療をしていけば、問題なく治って行きます。

 

適応障害の治療

適応障害の治療はまず第一に、うつ病なのか適応障害なのかを判別することが大切です。

そのためにも、心当たりがあれば出来るだけ早めに専門医に診てもらう事が必要です。

それを踏まえて、適応障害の治し方ですが、まず大きいのが「ストレスの原因を取り除く」事です。

前述したように、ストレスの原因が取り除かれると回復が早まる病ですので、出来れば、今あるストレスそのものへ対処することがベストです。

とは言え、それがそう簡単に出来れば苦労しないと思います。

例えば人間関係のストレスが、家族、親戚類の問題であったりすると、変えるのはなかなか難しいはずです。

そうしたとき、次いで行うのが「適応能力を高めていく」治療です。

人の性格や考え方が様々あるように、ストレスの受け方、受け止め方にも様々あり、物事への受け止め方にも様々なパターンがあります。

それを少し違う角度から見て、受け止められるようにするという治療です。

聞いたことがある方もいるかもしれませんが、「認知行動療法」と言う治療もこれになります。

単に何度かお医者さんと話して「では、こうしましょう」ということではなく、時間をかけて、新しいストレスの受け方を身につけて、慣れていくという治療です。

そこで発症する具体的な症状、不眠や食欲不振と言ったものへは、それぞれの症状に対するお薬を使って対処していきます.

しかし、それでは根本的な治療にならないため、それらのお薬で症状を抑えつつ、少しずつ認知行動療法を行い、適応能力を高めていきます。

これが適応障害の治療になります。

重ねてになりますが、もし心当たりがあれば早めに専門のお医者さんに診てもらうのがおすすめですので、出来るだけ早いうちから対処していきましょう。

 



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引用元:適応障害って何?うつ病とは違うの?#457


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今回は何気なく言われる「ストレス」の詳しいお話

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「ストレス」と「季節性うつ」

今回は、最近あまり触れていなかった、精神的な、こころに関するお話です。

秋口は特に、季節性うつという気分の落ち込みが激しくなる時期なので、是非対策していければと思います。

 

ストレスの語源

まず、voicyでも何度も登場していて、また日常生活でも頻繁に使われる「ストレス」という言葉ですが、これは正しくは物理学で使われている言葉です。

「ストレスがかかった」というのは、外側から圧力をかけたことで、物に歪みができた状態のことを指します。

このことから、人の心や体にかかる負担、刺激のことを、ストレスという風に呼びます。

そして、ストレスがかかったことで起こる反応を、ストレス反応、と言います。

ストレスがかかることで、イライラするとか、気分が落ち込むとか、胃腸の調子が悪くなる、甘いものが食べたくなる、ニコチンやアルコールの量が増えると言ったことが起こると、ストレス反応が起きている、と言えます。

いわゆる心の不調で、俗に言う「うつ」のように見えますが、うつとは原因が異なると言う特徴があります。

 

うつとストレスの違い

一方のうつは、ストレスを原因とした病の一つ、となります。

密接に関連している両者で、しばしば混同されやすいですが、同じものではありません。

うつの症状は一日中、何も気力が湧かずに時間が経過するとか、何をしても気分が変わらず何とも思わない、と言うような、気分的な、心の面での症状が多いです。

そしてもう一つ、うつは病の一つなため、薬での治療が可能で、よく効く薬もあると言う特徴があります。

ただ、うつと似たような病はいくつもあり、一概に薬を飲んだら治る、というわけではないという点もあります。

例えば適応障害や、双極性障害など、うつに似ていてもうつとは全く違う病もあり、特に適応障害はうつと非常に似た症状ですが薬が効きにくい病です。

うつと似た症状で、その原因もストレスによるものが多いですが、それぞれの病でお薬と治療法が変わってくるのです。

つまり、お医者さんに正しく診断されなければ意味がないどころか、症状が悪化する可能性もあります。

なので専門のお医者さんに充分に診てもらって、しっかりと治して行く必要があります。

今挙げた適応障害と双極性障害は難しくややこしいお話ですので、次回詳しく掘り下げていきたいと思います。

 

ストレスを解消するということ

本題のストレスに戻しますが、ありとあらゆるところで「ストレスが原因なのでストレス解消を」と何度も目にすると思います。

ストレス解消の方法は本当に人それぞれで、性格や趣味が千差万別あるように、ストレスが取り除かれて行くのも人それぞれいくつもの方法があります。

運動をする、カラオケで大声で歌う、アロマやお香を焚いて家でゆっくりする、ご飯をたくさん食べる、などなど挙げればキリがないほどあります。

個人的に、ストレス解消ということについてお伝えしたいのが、「何をやるかではなく、たくさんの方法を持っておく」ということです。

これがストレス解消の一つのコツ、ポイントだと思います。

よく、ストレス解消と言えば、新しく趣味を始めるとか、何かとお金がかかるというイメージがあると思います。

それは確かに一理ありますが、お金がかからないものでも、いくつかストレス解消の方法を持っておくことで、イライラしたときに気軽に気分転換できるようになるのです。

例えば、安価なお店で思い切り外食するのがストレス解消だとした場合、今年の数か月前にはcovid-19によって全国的にほぼ封鎖状態になり、行けるお店がほぼゼロに近いぐらいになったと思います。

また、日常のストレスを溜めに溜めて、海外旅行で一気に解放すると言うのも一つの手ですが、それも今年に限って言えば、covid-19でほぼ丸1年は出来ない状況にあります。

なので、一つに絞るのではなく、簡単なものでも良いので、いくつかストレス解消のための行動を作ると、万が一その方法が出来なくなったとしても、別の事でストレス解消ができ、良い気分転換ができます。

 

ストレス解消の行動を「意図的に」行う

そこでもう一つポイントなのが、そう言ったストレス解消法を、「意図的に」行うようにしてください。

これは非常に重要なことで、例えばゲームが好きで、趣味で遊んでいるとした場合、家に帰って時間がある時にたまに遊ぶとします。

この時、「今自分はストレスを解消している」と思ってやらなければ、ストレスは残ったままなのです。

必ず意図的に、ストレス解消のためにやる、と決めて、やるようにしてください。

 

生活環境を変える

個人的に、お金がかからず、またとても手軽にできるストレス解消法の例を挙げると、模様替えとか断捨離、片付けのような、自分の生活環境を変えるというのが挙げられます。

これは、家具を動かすとかではなく、少し窓を開けてみるだけでもおすすめです。

外で出来ることでは、通勤通学の時の通り道を変える、帰宅の時の帰り道を変えるとか、支障にならない程度に少し寄り道するのも非常に良いストレス解消になります。

 

その他のストレス解消法

また、少し手間がかかりますが、犬や猫など動物と遊ぶとか、信頼できる人に愚痴として聞いてもらうというのも、もちろん有効です。

逆にさらに手軽なものでは、自分が触り心地が良いと思うものを触る、というのも実はストレス解消になります。

さらに言えば、あえて自分から勉強してみる、というような、自分が苦手なことにチャレンジしてみるのも、一つの手です。

いずれにしても、一番重要なのは、意識して、「今ストレスを解消している」と思う事です。

無意識で何となくやるだけでは、特に楽しくもなく、ただ疲れるだけですので、必ず自分から意識して「ストレスを解消する」と思って、実行するようにしてください。



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引用元:ストレスって何?うつとは何が違うの?#456


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今回は本格的に寒くなってくる秋にこそ知っておきたい、体調管理のお話

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夏から秋の変わり目に一番気を付けたい「寒暖差」

これから本格的に寒くなってきますが、暑いところから寒くなってくるときの「寒暖差」が非常に危険です。

今回は今の時期こそ気を付けたい、寒暖差や気圧変化についてを中心とした、体調管理についてお話していきます。

 

朝、晩と日中との気温差がとても大きい

夏から秋になったところで強く注意したいのが、朝晩と日中との気温差です。

ここが、冬から秋、春から夏など、他の季節の変わり目よりもとても大きいと言うのが最大の特徴です。

これに加えて台風や秋雨前線と言った気圧変化が大きいのが重なって、様々な体調不良を起こしやすい環境になります。

さらに、低気圧は空気中の酸素濃度も普段よりは少し下がるため、それも要素の一つです。

これらで自律神経に影響が出たり、体温が下がることで、あらゆる種類の体調不良を引き起こします。

 

日照時間が減る季節でもある

気温、気圧以外では、夏を過ぎると日没が早まるというのも大きな要因になります。

日が短くなって太陽の光を浴びる時間が全体的に短くなることで、気分が落ち込むなど精神的な面にも悪い影響が出て、例えば季節性のうつ状態になる方も少なくありません。

夏は夏バテ、熱中症など気を付けることがたくさんありますが、秋にもしっかりと注意して、対策していくのがおすすめです。

 

自律神経の乱れを抑えること

一番対策になるのはやはり、自律神経が乱れないようにすることです。

voicyでも度々お話していますが、421回では特に詳しく掘り下げているので、是非併せて聞いてみてください。

まず大切なのは「生活リズムを整える」ということです。

以前の回にも少し重なりますが、1日を大きく4つに分けてみてください。

おそらく多かれ少なかれ、食事の時間、仕事や勉強などの活動をする時間、趣味などストレス解消をする休息の時間、睡眠の時間に分けられると思います。

このそれぞれの時間を、出来る限り、毎日同じ時間にするようにしてください。

仕事や学校にいる時間は、基本的に毎日のことですのでリズムがつきやすいと思いますが、食事や睡眠も、出来るだけ同じ時間に取ることがおすすめです。

そしてもし、運動量が少ない場合は、10分程度、リズムを整えるための日課的に、時間を取るととても良い影響が出ます。

もちろん、仕事柄、生活環境的に難しい場合もあると思いますが、その場合でも出来るだけ、ストレスにならない程度に、毎日同じようなリズムになるように合わせるのがおすすめです。

 

体を暖める・冷やさない

夏場にも通ずることですが、体温を高めて、冷やさないようにするのも、自律神経には良いことです。

体温を上げると免疫力が高まると言われることがありますが、実はそれは根拠のないことで、確かなのは自律神経が整うという効果です。

鍋物、スープ類や温かいうどん、そば、ラーメンと言った麺物はもちろん効果的です。

併せて、体を冷やさないようにするのも大切です。

特に日中は朝晩にはない強い日差しが差すことも多々あり、汗をかいて体が必要以上に冷えることもありますので、薄着にならずにこまめに脱ぎ着しやすい服があると便利です。

そして、これは夏にも言えますが、シャワーではなくきちんと湯船に浸かって、体を暖めることも、自律神経を整えるのに効果的です。

 

サプリメントで栄養補給

出来れば、毎日の生活リズムを整えて、規則正しい生活をするのが最善ですが、どうしても難しい場合は、サプリメントで補助する手もあります。

まず、疲れや疲労を感じる時に便利なのは、ビタミンB群になります。

ビタミンB群は、体が活動するのに必要なエネルギーを作る働きがあります。単純に疲れがたまりづらくなるので、だるさが強く感じる方には合うと思います。

もし、疲労とだるさに加えて、手足の冷えも強い方は、人参養栄湯(にんじんようえいとう)という漢方があります。

これは朝鮮人参のような漢方の人参で出来た漢方薬で、滋養強壮に良い漢方薬で、冷えと疲労に絶大な効果があります。

次いで、秋冬の低気圧でめまいや頭痛が起きる方は、以前も触れた五苓散(ごれいさん)という漢方、テイラックというお薬がおすすめです。

そして、気分が優れない、眠れないなど精神的なストレス、不調がある場合は加味帰脾湯(かみきひとう)という漢方が効果があります。

最後に、これらのサプリメント、漢方は、以前もお伝えしたようにだいたい2週間ほど飲んでみて、それで良くなってきたらそのまま飲み続けるようにしてください。

もし全く変わらないようであれば一回やめて別の物を試すか、もし症状が強い場合は遠慮せずにお医者さんに診てもらって、相談してみてください。



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引用元:寒暖差・気圧変動による秋の体調不良に注意#455


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今回は、covid-19に関係なくやってくる、インフルエンザのお話

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covid-19とインフルエンザ

今年初頭から、世界中で大変な問題となったcovid-19ですが、これと関係なく、インフルエンザウイルスは存在しています。

そして、今年も当然ながら、その季節がやってきます。

自分の近所の病院さんでは、例年全く電話がつながらなくなるほど、予防接種の予約が殺到して、今年も同じようにものすごく忙しくなっているようです。

今回はこの、今年のインフルエンザについて触れていきたいと思います。

 

covid-19とインフルエンザの流行が「重なる」可能性

おそらくこれから一番話題になって、医療現場も戦々恐々としていると思われるのが、covid-19とインフルエンザが同時に感染拡大することです。

このことは、今の段階では、どの医療関係者も分からない、と言えます。

そもそもcovid-19は今年初めて流行したもので、冬場にどうなるか確かなことはわかりません。

そしてインフルエンザは、様々な要素が絡み合って流行するウイルスですので、流行るのかどうかも分かりません。

ですので、両方とも大きく流行る可能性も、両方ともそれほど流行らない可能性も、どちらも存在します。

 

ウイルスは冬場に活発になる

まず両方流行る可能性の方については、インフルエンザが冬から春にかけて流行するのは非常に有名だと思いますが、そもそもウイルスは冬場の方が活動的になる存在です。

単純に、冬場は湿度が低く、乾燥しているため、ウイルスが非常に動きやすく、ヒトに感染しやすい環境になります。

covid-19もコロナウイルスというウイルスの一つで、ノロウイルスも冬の食中毒としてとても厄介な存在になっています。

そして実際、現在のヨーロッパでは再びcovid-19の感染が広がっているという状況もあります。

 

南半球でインフルエンザが流行っていない

一方反対に、今年どちらも流行らない可能性もあります。

まず、インフルエンザが流行する仕組みとして、以前も取り上げましたが、およそ半年前ほどに冬場を迎える南半球で、ウイルスが活発になっている時に人の出入りがあるため、北半球に持ち込まれます。

そして北半球で流行して、落ち着く頃に再度南半球が冬場を迎え、同じように流行します。

毎年多かれ少なかれ、このサイクルでインフルエンザが流行しています。

これを考えると、今年人の出入りが大幅に制限され、人の出入りがほぼ無かったため、インフルエンザの出入りも必然的に激減したのです。

そしてその上で、あらゆる場所で感染症対策がされ、共用部分のアルコール消毒から日常生活で行う手洗いまで、世界中に浸透していってさらに徹底されている、という事を考えると、例年よりはインフルエンザの流行は大幅に少ないと予想されています。

さらに、厚労省が発表した現在の日本のインフルエンザの状況ですが、例年は少なくても200件ほどで、早めに流行を迎えた去年は4700件もありましたが、今年は現在で7件の報告にとどまっているという事実もあります。

これはもちろん、流行が後ろ倒しになる可能性も当然ありますので、現時点では何とも言えないという事です。

 

インフルエンザのワクチンを打つ?

そして、本題となる「インフルエンザワクチン」ですが、以前取り上げたように、A型のインフルエンザでは7割ほど、B型では5割ほど、感染を防ぐ効果があり、万一かかったとしても重症化を強力に防げるとても良い予防策です。

ですので、流行するか分からない現在でも、どちらかと言えば打つ方が安全、と思います。

これも何度か重ねてになりますが、高齢者の方や、高齢者の方と接する機会の多い方、周囲に感染リスクの高い方がいる場合は、打つことを強くお勧めします。

 

例年以上のワクチン数を用意

また、今年はcovid-19で医療資源がひっ迫している状態なため、重症者、発熱者を減らすためにも、政府は例年以上の数のインフルエンザワクチンを用意しています。

例年は数にして、1000万人から1500万人程ですが、今年はおよそ6300万人分ほどのワクチンが用意されています。

万が一発熱してしまうと、目の前にいる患者さんがcovid-19なのか、インフルエンザなのか分からず、医療現場がさらに厳しい環境になります。

一応、インフルエンザとcovid-19の両方が検査できるキットもありますが、実際問題として発熱の患者さんが来院したときに、すぐに見分けがつくことはありません。

そのため、ワクチンを例年よりも多くの人に打ってもらって、症状が出る方を減らすことで、医療資源を守り、負担も減らせられるという事です。

 

ワクチンを打つタイミング

最後に、毎年悩ましいことで、意外にシビアなのがワクチンを打つ「時期」です。

こちらも度々voicyで取り上げていますが、インフルエンザワクチンは体内に打ってからおよそ2週間から3週間ほどで抗体ができ、その後5か月ほど、有効期間が存在します。

つまり今予防接種を打つと、単純計算で4月ごろにワクチンの効果が切れる、ということになります。

4月と言うと、毎年ピークは過ぎているころですが、4月でも寒さが厳しいところはあり、そういう時に感染することは充分あります。

だからと言って逆に、遅く打ってしまうと、12月や1月の寒さが厳しいころにワクチンの効果が得られない可能性もあります。

さらに言うと、例年以上の数が確保されてるとはいえ、ワクチンには限りがあり、医療機関ごとに振り分けてる部分もあるので、早めに予約しないと近所の病院さんで数が無くなるという事も少なからず起き得ます。

最初に書いた、自分の近所のところでは、現在の予約で実際に打つのが12月ほどですので、12月に打ってから数週間、抗体ができるのに時間がかかり、実際に高い効果が得られるのはその後ということになります。

自分の職種、家庭環境を考慮しながらですが、出来れば早めに相談して、打っておくのが良いかと思います。



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引用元:インフルエンザワクチン、今年は打つ方がいいの?#454


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今回は先日頂いたコメントから、おなかのガス溜まりに関するお話

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おなかにガスが溜まる「ガス腹」

前回、「腸内ガスがひどくて腹痛が起きやすい」というコメントをいただきました。

おなかにガスが溜まって、張ったような感じになるとか、場合によっては痛みが出ることもある、「ガス腹」について、少し触れていきたいと思います。

 

おなかのガスは「飲み込んだ空気」

腸内にたまるガスは、実は口から飲み込んだ空気が主な原因となっています。

通常、空気は肺に取り入れて、肺から出ますが、食事や会話などで少なからず、胃腸まで空気が入って行き、それがガスとなって腸内にたまります。

そしてもう一つ、腸内にいる様々な細菌が活動するときにもガスは出て、これらを量にすると、正常な人でもおよそ200mlほどのガスが常に入っているとされています。

このガスが出ていくということは、いわゆる「おなら」のことですので、以前の310回でも触れていますのでそちらも合わせて参考にしてみてください。

そして、腸内にガスがあることは正常ですが、問題は新たに入る量と、出ていく量のバランスがとれなくなる、という事です。

例えばどんどん新しいのが生まれてしまうとか、逆に全く出て行かず古いのがどんどん溜まってしまうことがしばしば起きます。

すると、おなかが張ったような感じで気持ちが悪い、重たく感じるとか、場合によってはおなかが痛くなる、といった症状で現れてきます。

ガスがかなり溜まると背中にまで痛みが出ることもあります。

このガスの出入りのバランスが取れなくなるのは、やはり、食事が非常に大きな原因となります。

 

食事の内容・仕方に注意

以前のおならの回にも少し重なりますが、前述したように腸内のガスは口から入る空気が大きな割合を占めるため、食事の内容と仕方を気を付けることで必然的に改善していきます。

簡単に言えば「早食いせずに、ゆっくり食べるようにする」ことがまず一つですが、例えばペットボトルから直接飲み物を飲むと、空気を飲み込みやすいので、一旦コップに注いで、それから飲むようにするのも、一つの対策になります。

また飲み物では、炭酸も当然ながらガスとして溜まりやすいので、注意が必要です。

そして食事の内容、食材ですが、体質によって特定の食物繊維、乳酸菌をとるとガスを多く出してしまう、ということがあります。

なので、何を食べたときにおなかが張るか、ガス腹になって痛みが出るかを、ある程度覚えておいて、自分に合う合わないを知っておくのも一つの対策です。

 

運動ももちろん大切

そして、胃腸のトラブルでしばしば言われるのが、運動です。

ウォーキング、ジョギングといった下半身の運動をすると、胃腸に刺激が行ってガスが排出されやすくなるので、とてもおすすめです。どちらかというと、軽く走るジョギングの方が、跳ねる感じになっていい刺激になります。

また、最近では「ガス出しヨガ」という、ガスを出しやすくするための体勢、ヨガもあるので、単に走るような運動が苦手という方は、是非そちらも調べてみてください。

もし、軽めのガス腹で、出来れば解消したいという感じの方であれば、少しうつ伏せに寝てみるだけでも、胃腸に刺激になるので、ガスが出ていくことがあります。

 

市販の整腸剤も有効

最後にお薬についてですが、胃腸のトラブルとしてはとてもメジャーですので、市販の様々なお薬で充分対処できます。

少し前にvoicyで取り上げたビオフェルミンはもちろん、CMでも一時期放送されていたガスピタンという、腸内のガスのためのお薬もあります。

もし万が一、およそ2週間ほど、お薬や食生活の改善、運動などをしても変わらない場合は、消化器科のお医者さんに相談に行ってください。



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引用元:ガス爆発にご注意?馬鹿に出来ないガス腹の話#453