「売り上げの全額(or一部)を義捐金として寄付します」的なビジネスを最近よく見かけます。
これは本当に社会的に意味のあるものなのか、一消費者の立場から見て疑問に思います。
善良な事業者なのか、それとも、少しでも社会貢献をしたいという消費者の心に付け込んだ卑劣な詐欺なのか、外見では区別がつきません。
そもそも売上を全額を寄付するなら、初めから消費者が赤十字社に直接振り込んだ方が早いです。
日本赤十字社 東北関東大震災義援金を受け付けます
また、売り上げの一部が寄付される場合、「売り上げの一部」がどの位の金額になるか明示されない場合が多いです。
「売り上げの一部」の額が不明であれば、消費者としては自分の払ったお金がどの程度義捐金として役に立っているのか分かりません。
「売り上げの一部を寄付する」というのは単なる客寄せの口実にしかすぎないのかもしれません。
震災をネタして善良な人からお金を巻き上げるビジネスモデルが透けて見えます。
偽善というよりは単なる詐欺ですね。
義捐金になると考えてあるお店で商品を購入したらほとんどはお店の利益にされてしまったという状況もありえます。
また、寄付する先も問題です。
寄付する先が赤十字社ではない場合は注意が必要ですね。
寄付する先がその会社の関連企業になっているようなエセチャリティーも見受けられます。
売り上げの全額(or一部)を寄付します的ビジネスには、このような不透明さが避けられないように感じます。
チャリティ事業は必要ですが、明瞭さに欠ける手法では消費者は安心して参加できません。
私自身は士業事務所の経営者ですが、被災者への義捐金を増加させるために、一旦自社の懐にお金を入れさせる必要性を感じません。
単なる二度手間じゃないかと。
個人的には、消費者が赤十字社に寄付した金額を、自社サービスの料金から差し引けばいいだけの話ではないかと考えています。
ちなみに私の事務所では、赤十字に義捐金を振り込んだ証明書を提示して頂ければ、5万円を上限に義捐金の額を報酬から差し引く措置を採用しています。
数字の意味としては、私の事務所の売り上げの一部が義捐金として寄付されていることになります。
このような方式の方が、少しでも社会貢献をしたい一般の消費者の方にとっては明瞭で分かりやすいと考えています。