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皮革用塗料の専門家Lizedのりうです
(趣味は料理と早起き

*ある日のらーめん
今日は”加水分解”について書いていきます
話が締まるまで…毎日公開していく4日目となります
3日目で締めたつもりだったので番外編としました
経年劣化を遅らせる、バランス崩壊をなるべく防ぐには…
「陽の当たらない風通しの良い場所」で保管する
→革にとって負荷が少なく長持ちするだろう場所
あとは適度に使用して必要に応じてお手入れをする
そんな曖昧な指針しかないのが革の宿命
Lizedに届く質問や問い合わせの大半は事前の話ではない
大半ではなく極めて100%に近く事後の話である
問い合わせ「●●の財布の表面が加水分解を起こしているのですが直し方を教えてください」
りう「自分で考えて自己責任でお願いします」
即答型のTHEテンプレで回答しています
バックの裏地や財布の札入れや小銭部分のバッキバキの酷い状態
耐用年数というよりバランス崩壊
湿気を逃がしてあげれば長持ちしたけど、なってしまったら張り替えるか諦めるしかない
「エナメルがベタつく。直したい。」
それって、買った店舗や製品メーカーに問い合わせするのが先ではないか??
なんでも聞いてねってスタンスだけど、ちょっと違くないか?って強烈な違和感がある
が!番外編というコトでもう少し深く書いてみようと思います
スニーカーの靴底がバッキバキで無残にボロボロ
そんなのが分かりやすい加水分解
PUやPVC素材には耐用年数があり、自動車と家具の一部には厳しい基準があります
10年耐久を謳う、とんでもない高耐久仕様もあるそうですね
小物や靴は一般的に5年耐久ほどらしいです
じゃあ、天然皮革には??
自動車と家具、そして運動靴や有名ブランドでは当たり前のように
メーカー毎に用途によって耐久性を明確な条件を定められています
エナメル仕上げ以外に加水分解のスペックはほとんどありません
ほとんどとしたのは革の耐久性は屈曲と摩耗が主であって、加水分解=耐用年数を求められることはない
もしもスペックNGとなったら、要所要所で高耐久のウレタン樹脂をふんだんに配合して塗装回数を増やします
そうするとたいていOKとなります
「加水分解なのだけどぉぉぉ」という問い合わせ
まず大事なコトは加水分解ではない可能性もある
そして天然皮革ではない可能性すらある
革製品でそんな酷い状態ですかね??
ここで真打ちの登場ですね、もちろんエナメルさんですね
本当に加水分解なら、すでに塗装膜が逝ってる状態
それを塗装して直すという発想は、耐用年数を超えたアパートの最上階にタワーマンションを増築するような…ですので崩壊待ったなしとなります
「どうにか治まれば良いのです(その場限りでも)」
そんな売り切れば良い精神で革製品の評判を下げるような自分本位の行動に加担したくない
だから即答型のTHEテンプレで回答しています
それでも無理難題とわかってチャレンジするなら読み進めてくださいね
加水分解は一定の塗装膜を形成していないと分かりにくい症状です
加水分解ではなく可塑剤の移行なら、ウレタントップやCABラッカートップで抑えられる可能性があります
加水分解であっても初期段階なら、その変化という劣化を遅くできるかもしれません
リムーバー処理をして、ウレタントップやCABラッカートップをスプレーしてみて、数日放置してみて、問題が無ければ、直っているかもしれません
エナメル以外の仕上げの場合は加水分解ではなく可塑剤の移行なのかもしれない
「はい、これは加水分解ですね」って簡単に判断できるほど強烈な状態のモノは、塗装で直す選択肢ではなく張替えするか又は諦めるのが正解じゃないかなぁ
これまで書き殴ってきて、腐敗の原理に似ている気がする
直せるものではない、ごまかしたってボロは出る
時間を戻す以外に直せないってのが結論ですね
銀面の塗装膜をリムーバーCで全剥がしの再塗装は現実的ではない。。
でもコバが割れている又は部分的に剥がれている
こういう場合は全ての塗装膜を剥がして、再現すればOK
銀面よりはコバの方が全剥がし再塗装は現実的
原因が加水分解とか関係なくて、全部剥がして再塗装しないと間違いなく崩壊しますね
「いやぁ、なるべく手間は掛けたくない」
自分のモノを直すならそれでも良いけど、問い合わせしてくる方々は違うでしょ??
リペアするというのは、元々の塗装よりも同等以上の塗料や工程ではないと無理です
車の鈑金でエアゾールで簡易塗装しても仕上がりはそれなりですよね?
鈑金屋さんは車メーカー或いは塗料メーカーの開示情報を元に配合と工程を組み合わせていますよね?
「マジックで塗るように簡単に染められるとなお良い」
ここまで来るとマジックどうぞしか言えません(⊙ꇴ⊙)
そんな簡単に革を染められるなら、皮革専門工場のタンナーが採用してますよ
リペア業者によっては、あるブランドの●●というシリーズはこれで直せるなどなど
オリジナルの配合工程を確立しています
やっぱり理屈より実地の世界ですね
取引先のリペア業者「これどう思う??」
…どう思うって、鞄の半分だけ直したんでしょ(見た目がマステで右と左が異なる
取引先のリペア業者「3年ぐらい前に直して、割れないしベタベタしないからいけるかなぁ」
りう「おう、それいけるんじゃないの。理屈より実地でしょ~」
他にもこれだけ試して経変劣化の確認待ちがあるのよってカバンやら財布を見せてくれました
もちろん配合工程も保管されていて個人レベルなら再現性できるしょうね
…あー、こういう人が残るんだなぁって。(確信
こんな腕のあるリペア業者でも
「あのブランドの▲▲は完全には直せたことないから断ってるんだよね」とか
「この財布はあと1年ぐらい経ったら合格かなぁ」とか
無理難題とわかってチャレンジして時間を掛けた答え合わせ
試行錯誤の積み重ねによって確立された技術は確かですよね
加水分解について 完
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