黄変 | 皮革用塗料の専門家

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今日は”黄変”について書いていきます

 

まず大事なことから【おうへん】と読みます

革の仕上げに携わるのなら、知ってて当たり前の単語

 

しかし、革の仕上げに遠い人には黄変?おうへん?となるよね

 

色にわるのが黄変

ようするに黄ばむこと

 

黄変が目立つのは、白や白が多く配合された色

逆に黒などの濃色は、黄変していても見えにくいため、問題になりにくい色

 

そしてなぜ黄変が起こるのか?

 

塗料屋の視点で言えば、まず考えるのは塗装膜が黄変するかどうか

塗装膜を形成する樹脂、あと油脂や添加剤が大きく影響します

 

無黄変対応の塗料類は総じて価格が高いです

そして革の仕上げにおいて、無黄変というスペックは白などの限られた色だけのお話

白や淡色以外は無黄変は求められることはないので、黄変している場合がありますが、気付くことはありませんよね

 

プルアップ系のオイルやワックス

グレージングやポリッシングなどの磨き系仕上げで必須のミルクカゼイン

多くの革にトップコートに採用されている硝化綿

 

これらの革らしさを付与する類は…けっこう黄変する( ー`дー´)キリッ

オイル感バッチリとか磨き系の淡色は無いでしょ(淡色=白や白が多く配合された色

基本的には淡色以外のいわゆる濃色であって、革っぽい色合いには黄変なんてスペックは気にしないのが普通

 

 

そしてタイムリーな話も飛び込んでくる

格闘家が真っ白なクロコの財布をコーティング業者に依頼したら黄ばんで戻ってきた

 

参考記事
ENCOUNT「エルメスの高級財布が“変色”」

 

なんかなぁ。。

 

革製品にコーティングするとか?!

エルメスをコーティング?クロコをコーティング?

そんなの聞いたことない!とか

 

リペアに対してのマイナスなコメントが目に付くのが残念

 

ガラスとかセラミックのコーティングは、ここ5年ほどで一気に広がった感じ

車や貴金属、そしてスマホなどで実績と認知を得てからの、革製品の1つの選択肢になっている

 

革の仕上げに携わる立場としては、これらのコーティングは皮革の量産では実績のない未知

否定はしないが肯定もしない、自己責任だねってのが本音

 

これらのコーティングは自動車やスマホの派生であって、タンナーの量産現場の実績からの延長ではない

確かにアクリルよりウレタンであって、ウレタンよりガラス・セラミックというのが基本性能である

ただね、ガラス・セラミックは、私が知る限りタンナーの量産現場の実績がない

 

今件の真っ白なクロコの財布の黄変は革を知らないと痛い目に遭うよという典型的なパターンですね

 

前半で書いたオイルやワックス、ミルクカゼイン、硝化綿とは異なる黄変の事案なんだよね

前半は量産現場のお話なのよね、ようするに顔料を含む塗装膜ね

 

格闘家の真っ白なクロコの財布は、ガラス・セラミックの塗装膜だけのお話ではない

この真っ白なクロコは顔料だけで白くしているのではなく、分かりやすく言えば脱色をして白く見せている

現物を見ていないので断言はできないけど、汚れやすいと聞くので脱色寄りであるのは間違いない

 

わかりやすく例えれば、運動靴スニーカーにみられる白とは違うでしょ

ようするに一定の吸い込みがあるのが今件の真っ白なクロコの財布

 

前提としては個人意見であって推測であるけど、経験値からの確信を含んでいる

 

顔料であって塗装膜の黄変は経年変化を伴う、ようするに紫外線なり長時間の負荷で変化する

なので、無黄変の塗料だけを配合すれば解消できるのが普通

 

しかし、この格闘家の真っ白なクロコの財布は脱色寄りで吸い込みがあると思われる

こういう状態に塗装すると、塗料の吸い込みによって、その塗料のスペック以外のブレが生じる

 

コーティングの施工して、手元に戻ってきて確認したら全体的に黄ばんでいるのは異常ね

数日のことでしょ、浜辺で日焼けしたら部分的に焼けるけどね、これは全体的に黄ばんでいる

 

白の顔料を塗り重ねたら、こんな黄変にはならなかったってこと

ガラス・セラミックが革に吸い込んで、脱色して白に見せてた状態を壊した結果が黄変

 

この事例を見て思ったのは、黄変という一言で片付けてはいけないということ

 

樹脂が黄変したのか?
革が黄変したのか?
コーティングが革に浸透して見え方が変わったのか?

 

それらが複合的であると、実績と経験値の話になる

何が起因で黄色く見えているのかで、原因も対処法も全く変わりますよね

 

この格闘家の真っ白なクロコの財布をリペアして復元するのは不可能です(断言

再塗装して真っ白にしても質感は損ない、元の状態とは異なりますね

 

残念ながら落とすとか剥がすのは不可能の領域です

脱色して白に見せられるのは、革の状態だから可能であって、革製品になれば裏地や芯材、縫目と金具とかファスナーとか、それらに悪影響のないリペアは不可能ってのが私の答え

 

個としては私が最高とするウレタンよりも、ガラス・セラミックのほうが上なのは間違いない

量産で実績と経験値が無くて採用されていないガラスとかセラミックのコーティングを神化するのはまだリスクがあるよね

 

真っ白なクロコの財布の件は、リスクを把握せずに、無知と無知と無知が重なった結果かなと思う

 

車や貴金属、そしてスマホなどで実績ということは、革の吸い込みの有無は想定していないのだろうか(推測

吸い込みがあるか?ないのか?によっての検証が抜け落ちてたのかな(推測

 

車も貴金属もスマホも吸い込みが無い状態

革も運動靴やカーシートなどのように顔料の塗装膜によって、吸い込みが無い状態もある

今回の真っ白なクロコの財布は吸い込みがある状態だったのでしょうね

 

大事なことだから、繰り返すけど…

ガラス・セラミックが革に吸い込んで、脱色して白に見せてた状態を壊した結果が黄変

というのが皮革用塗料の専門家の見解ですね

 


つづく

 

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