岡山県和気郡和気町の和気神社にお参りしてきた。
車で連れて行って戴いたが、寒い季節だったので
人影もなく、ひとりで訪れたらきっと心細い場所
だっただろうと思う。
近くに藤公園があり、春には賑って渋滞するそうだが
ちょうど最も閑散期の平日に行ったので
景色も余計に寒々しく思えた。
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朝倉文夫氏の彫刻だった。
谷中の朝倉文夫彫塑館には何度か行った事がある。
私にとっては朝倉氏の長女や次女である
朝倉 摂氏
や 朝倉 響子氏
の方が馴染深いが、御自宅であった朝倉文夫彫塑館は
落ち着いた良い佇まいで好きな空間のひとつだ。
そんな訳でここに朝倉文夫氏の彫刻があったのも
何か親しみを感じたが、
何故ここに?・・・と言う程 立派な彫刻だった。
高さ4.63mのブロンズ像は神社の前に置かれる
像としては破格で異彩を放っている。
朝倉文夫氏の作品と聞き、猶更そう思うが、
仮に作家名がわからなくても、それなりにしっかりと
彫塑を勉強された方の作品だと一目見てわかる。
題字の「和気清麻呂像」と言うのを
内閣総理大臣 中曽根康弘が書してブロンズのプレートが
付属しているのも、何かいわくありげだと思ったら・・・
元は紀元2,600年奉祝展覧会に出品され橿原神宮に献納され、
大和国史館で一般展示され、戦後は
奈良県立橿原考古学研究所付属博物館に所蔵されていたのを、
清麻呂公生誕1,250年を記念する年の昭和59年に
奈良県と朝倉氏御遺族が、清麻呂公の故郷である和気町に
寄贈された経緯があるそうです。
偉人の銅像。と言う以上に、流石「東洋のロダン」と
言われた朝倉文夫氏の作品 格調の高さが圧倒的で
この後の神社内の 狛猪 や 対になった
和気清麻呂と和気広虫の石像を観るとげんなりしてしまう。
(前回のブログで載せた広虫の像です。)
しかし、和気神社は狛猪が特徴だ。
一応写真は載せておこう・・・。
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前回のブログの中で書いた宇佐八幡宮神託事件で
「道鏡派に追われながら
宇佐八幡へ参詣する清麻呂公を、三百頭の猪が守護した。」
という、伝承から清麻呂公の神社では
狛犬でなく狛いのしし なのだそうである。
和気神社の御祭神は主神に鐸石別命、
配神は弟彦王、和気清麻呂命、和気広虫姫命。
佐波良命(さわらのみこと、清麻呂の高祖父)、
伎波豆命(きはずのみこと、清麻呂の曾祖父)、
宿奈命(すくなのみこと、清麻呂の祖父)、
乎麻呂命(おまろのみこと、清麻呂の父)が合祀されている。
相殿に応神天皇が祀られている。
旧社格は県社。
今回は朝倉文夫パワーに度肝を抜かれて
神社ルポが疎かになったが、
次回は、清麻呂の姉である広虫について、
もう少し書いてみたいと思います。