元ベーシストのマッチャンです!
今日は、オーティス・レディングの遺作となった
「ドック・オブ・ベイ」
の悲しい悲しい物語について語らせてほしい。
“ドーント・ブィーンブィーン
ドーント・ブィーンブィーン”
何とも哀愁のあるベースのフレーズから入る。
元キーはGメジャー。
ベースの4弦4フレットの低音から始まるのが特徴のこの曲。
かつてカリフォルニアは、ゴールドラッシュで賑わっていた。
アメリカンドリームを求め多くの移民がここにやって来た。
1960年代、アメリカはヴェトナム戦争や公民権運動で混沌とした時代が続き、
そこにはもうアメリカンドリームなど存在しなかったんだ。
しかし、ゴールドラッシュのイメージが根強く、
多くの若者がアメリカンドリームを求め、カリフォルニアを目指した。
現実はそんなに甘くない。
現実を目の当たりに打ち砕かれた若者の
魂をオーティスはこの「ドック・オブ・ベイ」で物悲しく
表現したんだな。
オーティスは、
「俺の初めてのミリオンセラーになるぜ」と豪語したが、
レコーディング、3日後の
1967年12月10日に飛行機事故で他界した。
翌年、1968年3月16日に週間ランキング第1位を
獲得したが、彼自身、この事実を知らない。
「ドック・オブ・ベイ」-------------------
朝日を浴びて座っている。
たぶん夜まで座っているだろう。
港に船が入り、また港を出ていく。
それを見ながら。
港のドックに座って潮の満ち引きを
見ながら暇をつぶす。
俺は、ジョージアの家を離れ
サンフランシスコ湾に向かった。
あそこに居ても、何も良い事がないからね。
だからこうやって、
港のドックに座って潮の満ち引きを
見ながら暇をつぶす。
何も変わらない。全て同じままだ。
10人が「こうやれ」と言ったが、
俺にはできやしない。
だから俺は同じままだろう。
ここに座って休息するよ。
この孤独感は生涯付きまとうんだろう。
俺は、単にこのドックを住処にするために
2000マイル歩き回った。
だからこうやって、
港のドックに座って潮の満ち引き
を見ながら暇をつぶす。
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