子どもたちも少しずつ大きくなり、住んでいる部屋が手狭になったきた。
この頃、私たちの周りでは新築ブームでみんなが家を建て始めたところだった。私たちもいろいろな友人の家に遊びに行っていたので、広い家にあこがれを抱くように
Ⅾは『今の家じゃせまいし、今年で借金や養育費のボーナス払いも終わりそうだし』と乗り気である。わたしは、新しい家になって心が安らげるならⅮも少しは落ち着いてくれるかもしれないと淡い期待をもった。まあそんな期待を見事に裏切るのがモラハラ夫なんですがね
色々な土地や物件を探し、Ⅾでも支払いが出来る家が出来た。わたしは広いキッチンや子供たちが自分たちの部屋が出来たことにはしゃいでいたのでとてもうれしかった。
Ⅾはローンの支払いなどまた負担が増えたが、じぶんの城がうれしかったのか満足そうだった。
この家が出来たことにより、Ⅾのよく思われたい願望が次第にエスカレートしていくのである。
ある初夏のこと、『今度バーベキューをうちでするからね』と言い出した。そこまではよかった。『みんな泊るからよろしく』と相談もなしに決めてきたのだ。
ちょっとまて、こっちは子供3人と仕事で手一杯なのに、泊り客だと
『何人くらい?』と聞くと『4人くらいかな。バーベキューは8人くらい来るから』
どうやら新築祝いと称して、会社の仲間を招待したようで泊まるのも、『うちに泊まればいいじゃん』と勝手に決めたのだった。
案の定、バーベキューの準備や泊り客の準備、掃除などはすべてわたしまかせ。
Ⅾがしたのは火をつけて肉を焼くだけでずっと楽しそうに飲んでいた。
本当に外面がいい。片付けのときもいつもならしないのに『重いでしょ。俺が持つから』とみんなの前ではよき夫を見せていた。
離婚のときもこの外面とうまい口調で私が悪いと吹聴し、何人かわたしの友人も騙されたようだ。(にちにⅮがだんだんとボロを出したため、嘘だとばれたようだが(笑))