ヒョクチェ side
キム部長に食事に誘われたことを、ドンへに話した。え...一瞬、目を丸くしたけど
《おもしろい部長さんなんだね》
ヒョクチェがいいなら、僕はいいよ。そうか...形のいい頭を、ぐりぐりとなでる。まぁ、本気かどうかもわかんねぇし...
《ヒョクチェ。まだ仕事?》
安定の残業中に。ジョンスヒョンから、カトクがきた
《悪いけど。ちょっと事務所、寄ってくれる?》
何だろう...キリのいいところで片づけて。事務所のドアをノックすると
『いらっしゃいませ!』
ど、ど、ど、ドンへ...?ご機嫌で迎えてくれたのは、ドンへで
『ヒョクチェ。忙しいのに悪かったね』
ドンへくん。お茶いれてくれる?はーぃ。ほらほら、座って。状況を飲み込めずに。呆然としていると
『ドンへくんにね。俺の仕事、手伝ってもらおうと思って』
はぁ!?もちろん。ヒョクチェがやってたようなことじゃなくて。書類作成とか整理とか。留守番とか。毎日じゃなくてもいいし
『それって...』
ウォーターサーバーからお湯を注いでいる、ドンへの様子を伺う。聞こえないように
『ドンへが、頼んだんですか?』
くく。違うよ。バイトしてるって、聞いたから。それならここで、働いてくれないかって。提案したんだ。そう...ですか...でも...気を遣って...くれたんだろうな...
『ドンへくんは快諾してくれたけど。一応、パートナーにも承諾もらっとかないとって、思ってね』
はい。お待たせしました。ドンへが。トレーに紙コップを三つ乗せて。ん...さんきゅ
『ドンへ』
ん?がんばれよ。うん!
『よろしくお願いします』
こちらこそ。今ね。シウォンが、チキン買ってくるから。食べてって。はぃ。ドンへくん。あっち片づけてくれる?はーぃ。ジョンスヒョンに言われて。散らばっていた書類を、手際よくまとめていく
ヒョンのとこで。また世話になるなんて、考えもしなかった。でも。これはこれで、よかったのかな...ふたりの笑顔を見ながら。そう思った
《つづく》
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