ジョンウン先輩に憧れて。ギターを弾くよーになって。バンドもやってみたかったけど。ヒョクを誘ったら


《俺は踊ってるほーがいー》


俺も踊るのはすきだけど...ヒョクはほんとにうまいんだ


エレキギターは小遣いとかを貯めて買った。先輩が持ってるよーな、かっこいーのじゃないけど。フォークギターは親戚のヒョンからもらった。サンバースト仕上げになってるのが気に入ってる。先輩のバンドのうたとか。カバーしたうたとか。ネットで楽譜さがして。覚えて



ヒョクも先輩たちのバンドはすきだけど。俺が先輩の真似をするのは、よく思わないみたいで


《似合わねーこと、やるこたねーんだよ》


先輩が、腕にタトゥーシールを貼ってるのを見て。俺もやってみたくて。自分ではうまく貼れなかったから。貼ってくれって頼んだら


《お前にはお前らしさがあるんだからさ》


なんでもかんでも同じにするのは、どーかと思うよ。ちがう人間なんだから。確かに...先輩とおなじ図柄のシールは。俺だと落書きにしか見えなくて...腕の太さのせーかな...



家でギターをかき鳴らすわけにもいかないから。たまにギターを持って漢江に行く。ひとが少ないとこを選んで。最近よく弾くのは、こないだ先輩がゲリラライブでうたっていた、日本のバンドの別のうた。スローテンポだから弾きかたりにはちょうどいぃ


きょーは風がすずしくて。声はそんなに張れないけど。いー気分で。うたっていたら


『なぁ』


良い声してるな。え...俺のこと?振りむくと。そこにいたのは...


『え...うそ...』


ギターを担いだジョンウン先輩だった




《つづく》




※本日のラインナップ