リョウク side



目を覚ましたら。ヒョンはもういなくて。ぬくもりさえ残っていなくて。でもヒョンの匂いがして...もーちょっと...もーちょっと...


キッチンに行ったら。キンパのことを書いたメモがなくなっていた。よかった。気づいてくれたんだ...シャワーを浴びて。朝ごはんを食べようと冷蔵庫を開けたら


『え...』


僕が昨日つくったキンパが。そのまま残されていた。あわててスマホをひらく。通知履歴にはヒョンからのメッセージ。よく寝てたから起こさなかったこと。出がけにばたばたして、キンパを持ってくるのを忘れてしまったこと


《ごめんな。リョウク》


いつからだろう。愛の言葉より。謝罪の言葉が多くなったのは...


食欲なんてわかなかったけど。ごはんは食べた。食べないと、またヒョンのベッドに逆戻りしそうだったから。それでもキンパを食べる気にはならなかった。このまま捨てちゃうのもな...


そうだ。思いついて。キンパをジップロックに入れて。バンダナで包んだ



『リョウガ!』


おはよ。おはよ、ヒョン。ドンヘヒョンはいつも朝から元気だな...


『ヒョン』


ん?これ...キンパの包みを入れた小さなバッグを差しだす。え...


『たくさん作りすぎちゃって...』


良かったらお昼に...と言いかけたところで


『まじか!ちょーうれしー!』


ちょ、ちょっとヒョン...急に飛びついてきて。み...みんな...見てるから!


『なぁ。せっかくだから、一緒に食おーぜ』


え...


『昼休み。リョウクがいつもいるとこにいくから』


約束だぞ。僕の手をとって。小指を絡めた




《つづく》




※おかしーな...へウク味が...(笑)

※きのーの最終更新です