『ドンへ』


ん?のんきに振りむいた、そのうすいくちびるをとらえた。あったかくて...ちょっとかさついてて

...ん...そっとはなすと。ドンへが、きれーな二重をまんまるにしていて。あ...えっと...これは...だな...あわてて言葉をつなごーとしたとき。ドンへの手ががっと後頭部にまわった。あっとゆー間にその顔が目の前に...


『わぁ!ちょっ!ちょっと待った!ストーーーっプ!』


とっさにドンへの顔面をわしづかんでしまった。いっ!いったぃって!あ...ごめん...もう...何すんだよー


『ひどいなー。顔だけが取り柄なのに...』


両手でごしごしと顔をさする。そんなことねーだろ...あ?


『お前はさ...』


顔だけじゃねーだろ。ヒョク...一見、ちゃらいけどさ。やさしーし。ちゃんと相手の気持ちを考えるし。おっちょこちょいなところもあるけど、ちゃんと謝るし、ありがとうもいえるだろ。ヒョク...がばっと抱きしめられる。わ!わ!な、何だよ!俺、うれしー!


『友だちに...そんなこといわれたの、はじめて...』


まぁ...野郎友だちにそんなことはいわねーよな...そーだ...


『そーだよ。友だちだ』


ヒョク?友だちだよな。俺たち...何だよ


『それを確認するためにキスしたのか?』


ドンへが呆れた顔で俺を見る。あ...ごめん...つまんねーの。頭のうしろで手を組んで


『てっきりオレを選んだのかとおもったのに...』


そんな...オレのほーが楽だぞ。ん...そーかもしれないけど...まぁ、いーや。オレはずっとヒョクと友だちでいたいから。うん。それは俺もおなじ


『これからもよろしくな』


あ...うん。ドンへが手を差しだすから。いまさらだけどその手を握った



《つづく》



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