土曜の夜、バイトおわってみんなでカラオケいって、夜中にかえってきて。朝メシとも昼メシともつかないメシをくって
ドンへはいないよーだ
食器をあらいながら、昼寝したら買い物でもいくかな、なんてかんがえていたら
『ヒョクチェ、ちょっといい?』
お茶いれるから
あ…うん。母さんにうながされてまた椅子にすわる
呼びとめるくらいなんだからなんかあるんだろう。ドンへとのことをきかれたら…と、内心ヒヤヒヤしていた
しばらくだまってお茶をのんでいたけど
『あなたとドンへがうまれたとき、難産だったって話しはしってるわよね?』
あ…うん。中学んときだ。反抗期にはいりかけててくだらないことで母さんにはむかった俺に、父さんがそのことは咎めずに、俺たちがうまれたときのことを話してくれた
『実はね…あなたたちの前にも妊娠していたことがあるの』
え…
性別もわからないくらいの時期に、だめになってしまったんだけど…
だからあなたたちがおなかにいることがわかったときは、本当にうれしかった…それも双子だって…前の子がかえってきてくれたんだ。そうおもったの
でもおなかの中でドンへの育ちがよくなくてね…お医者さんに、ある程度の選択は覚悟しておくように言われたの
選択って…
いざと言うときは、発育のよくない方をあきらめなければならないこともあるってこと…
そんな…
でもね…お父さんとその話しをしてるときにおなかを蹴られたの。ぼこって。ぽこん、なんてかわいいもんじゃないのよ。それまでもあなたは元気だったからよく蹴られてたんだけどね。一瞬息が止まるかとおもったくらい。あなたが反対してるんだとおもった。この子が守ってくれる。だから大丈夫。絶対ふたりとも産もう。そのとき決めたの
あなたはよくおなかの中で、ドンへを守るように腕の中に入れていてね。だから最後まで性別がわからなくて…それによく手をにぎりあってるとも言われたわ。看護師さんたちに、王子様とお姫様なんて呼ばれてたのよ。こんなに仲がいいんだから、この子たちは離しちゃだめなんだ、私もがんばろうって思えた…
《(12)につづく》
※えー、自分、妊娠も出産も経験がないので…だいぶ憶測でかいてます(⌒-⌒; )
※本日のラインナップ