「アモツの子イザヤが幻で見たバビロンに対する宣告。・・・あなた方は泣きわめけ。エホバの日が近いからだ。」(イザヤ13:1,6)
イザヤ13章に「エホバの日」が出てきます。「エホバの日が近い」と述べられています。(イザヤ13:6)そこでは、「バビロンに対する宣告」が述べられています。(イザヤ13:1)それは、バビロンに対する「エホバの日」であり、バビロンに対して、「多くの王国」による総攻撃が行なわれました。(イザヤ13:4)今日、私たちは過去に起きた「エホバの日」から、どんな教訓を引き出せるでしょうか。
昔古代バビロンは二重構造の城壁で囲まれていたので、難攻不落のように見えました。そして、バビロンは、その当時の全地の諸国民を攻撃し、倒壊させました。また、エホバの崇拝を代表していたユダとエルサレムを倒壊させました。それゆえに、エホバはバビロンに対して「復しゅう」することを意図されました。(エレミヤ51:7,8)そのために、エホバはバビロンと戦う軍勢を集められました。その軍勢は、エホバの用いられる「糾弾の武器」となりました。(イザヤ13:5)
バビロンと戦う軍勢はメディアとペルシャです。エホバはバビロンに対して、「メディア人を奮い起こさせる。」と述べられていました。(エレミヤ51:11。イザヤ13:17,19)また、エホバはバビロンを倒すために、ペルシャ人の「キュロス」を用いることを予告されました。エホバはキュロスの前に、「諸国の民を従え」、「王たちの腰の帯を解く」ことを予告されました。(イザヤ45:1)確かに、古代バビロンは、西暦前539年にペルシャ人のキュロスの率いる軍隊の前に倒れました。
古代バビロンが倒れることは、人々の予想を裏切るものでしたが、それはエホバのご意志であったため、成し遂げられました。バビロンの周りは、二重構造の城壁で守られており、その周りにまんまんと流れるユーフラテス川が侵入者の行く手を阻んでいました。キュロスは、バビロンを防御するものとなっていたユーフラテス川の水を他の場所に流し、水位を低下させました。(イザヤ44:27。エレミヤ51:38)そしてキュロスの軍勢は、堀を歩いて渡ってバビロンに侵入しました。油断していたバビロンは預言されていた通り、戦うことはありませんでした。(エレミヤ51:30)
このバビロンに対するペルシャとメディアの攻撃は、末の日における緋色の野獣による大いなるバビロンに対する攻撃を予示していました。(イザヤ13:4,5)啓示の書には、エホバが大いなるバビロンを倒すために、「ご自分の考えを遂行する」ことを「彼ら(緋色の野獣と十本の角、すなわち諸政府)の心の中に入れる」と述べられています。(啓示17:16,17)大いなるバビロンに対する「エホバの日」は、地球にとってイエスの予告された未曾有の大患難となります。(マタイ24:21)
聖書は大いなるバビロンが神の民に対する迫害に酔う時が来ることを示しています。(啓示17:5,6)しかし、まだ大いなるバビロンは、神の民に対する迫害を行なっていないと思われます。
そして、今日自国の市民を迫害する諸国家に対して、国際社会が経済制裁を加えたり、軍事的に攻撃を加えたりするように、国連と諸国家は、大いなるバビロンに総攻撃を加えざるを得ないと考えるようになるのでしょう。しかし、今は、緋色の野獣が大いなるバビロンを攻撃するべき時だとは言えません。なぜなら大いなるバビロンは神の民に対して国家的な迫害を加えていないからです。
バビロンの住民について、次のように述べられていました。「彼らは追われるガゼルのように,自分たちを集めてくれる者のいない羊の群れのように,各々自分の民に向かう。各々自分の地に逃げて行くのである。」(イザヤ13:14)ですから、古代バビロンの住人は、ペルシャから攻撃を受ける前に自国から逃がれようとしたのでしょう。大いなるバビロンの住人も、その国家は移民によって成り立っていますから、その総攻撃の際に自国に戻ろうとするのは、考えられることです。
しかし、総攻撃が始まってしまった時は遅いと言えます。その時逃げる大いなるバビロンの人々は、捕らえられ剣によって倒れる可能性が高いでしょう。(イザヤ13:15)ですから、緋色の野獣の総攻撃が行なわれる前に、「エホバの日」が到来する前に、「彼女(大いなるバビロン)から出なさい」という聖書の勧めに従った方が賢明だといえます。(啓示18:4)