カナダの高校に通う長男が今年参加したクラブ活動の一つが、「Ultimate(アルティメットという、フリスビーをゴールまでパスして繋ぐスポーツで、こちらではかなりメジャーです)」というスポーツでした。(イメージ図↓息子がこんなふうに飛べるわけではありません笑)
週に数回、放課後に集まって練習し、時々ある地区大会の日には学校を終日欠席して試合に参加します。
日本だと「学校を休んで部活の試合に行く」と言ったらちょっとびっくりしてしまいますが、こちらではごく自然なこと。
最初、「金曜は試合だから、朝早く隣町の高校まで送って。帰りは自分で電車かバスで帰ってくるね」と言われて、え、学校は?と仰天してしまいました。
カナダでは、クラブ活動はシーズン制。日本のように、ずっと一つの部活に専念するということはありません。
息子の高校では3ヶ月ごとにバスケットボール、ラグビーといった競技に移行し、特に人気のある種目だと「入会テスト」もあるようです。
スポーツの種類が変わっても、共通しているのは「チームスポーツ」という点。仲間と力を合わせる経験を通して、多くのことを学べるという価値観が、カナダの教育の根底にあるのだと感じます。
「学校は勉強をするところ」——これは日本でもカナダでも同じ。
でも、「勉強だけをするところ」ではない、というのがカナダの学校のスタンスのようです。
ちなみに長男は、高校の卓球とテニス同好会にも参加していました。これらは週に1~2回の練習と、時々他校との練習試合があります。面白かったのは、卓球のチームメンバーは長男含めみんなアジア系(中でも特に中国系多数)の子たち、テニスの方は長男以外がドイツ人の生徒たちだったこと。
これもカナダという国のダイバーシティ(多様性)のあり方を象徴するような光景だな、と思いました。
「多様性」というと、すべての人が一緒に同じように暮らしているイメージを抱きがちですが、カナダの実際は少し違います。
似たバックグラウンドを持つ人たちが自然に集まり、それぞれの文化圏や価値観を保ちながら暮らす。
そうした小さな「グループ単位」のようなコミュニティがいくつも存在していて、でもところどころにオーバーラップする場所があって、そこで文化がぶつかったり、混ざり合ったりする——そんなイメージが、今の私の中の「カナダらしさ」かもしれません。
学校という枠組みの中で、勉強だけでなく、スポーツや人間関係、文化の違いも含めて「学び」がある。
日本での教育現場を経験し、またそれと全く違ったカナダの学校生活を経験できることそれ自体に、教育移住の意味があるなと感じています。



