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未来志向で子育て~幸せな教育移住の旅

妻の「家族で一緒に夕食が食べたい!」夫の「一斉授業じゃないところで教育を!」から始まった私たち夫婦の教育移住計画。行く先は一体どこに!?→2016年2月、群馬県に移住。7年過ごし2023年、カナダへ移住。猫が2匹増えて大移動。

先日、次男が通うカナダの小学校で運動会(Sports Day)がありました。


去年同様、朝から張り切って…という感じでもなく、子どもたちはリラックスした雰囲気の中で、いくつかのゲームをチームで協力しながら過ごしていました。

 

日本の運動会を知っている私にとっては、最初こそ「えっ、これで終わり?」と肩透かしをくらったような気分になりましたが、よく見ると、そこにはこの国ならではの“価値観”がしっかりと根付いていました。

 

順位はつかず、誰かが勝った負けたで落ち込むこともなく、ただ身体を動かし、仲間と楽しむ。

先生たちも厳しく指導するのではなく、にこやかに誘導。次男の担任の先生は、マグカップに入れたコーヒーを片手に、子どもたちを温かく見守っている姿が印象的でした。

 

見学に来ていた保護者はほんの数人。

でも、子どもたちはその中で自分らしく動き、目一杯楽しんでいるようでした。

 

一方で、夫が勤務する補習授業校では、来月に予定されている運動会に向けて今まさに準備の真っ最中。4月から会議を重ね、保護者のボランティアを募り、子どもたちは休み時間まで使って練習。前日はリハーサルがあり、当日は夫も朝6時に出勤予定です。

 

思い返せば、私自身がかつて支援員として関わっていた日本の公立中学校でも、吹奏楽部や応援団の練習は毎日続き、炎天下の中で子どもも先生も汗だくに。当日は保護者も朝早くからレジャーシートを抱えて場所取りに奔走していました。

あの熱気、全力の一体感。日本の運動会には、あの独特の“本気”が確かにあります。

 

そして、今日のカナダの運動会が終わったのは午後1時半のはずなのに、次男が帰宅したのは4時半すぎ。

「何してたの?」と聞いたら、なんとその後、公園でクラスメートたちとレモネードを1杯1ドルで販売していたとのこと。

どうやら、隣接する公園にいた人たち(おそらくほぼ全員が学校関係者)に声をかけまわって、堂々の80ドルを売り上げたらしく、「すごいでしょ?」と誇らしげ。

運動会の午後に、そんな“起業ごっこ”のような時間が始まるなんて、思ってもみませんでした。

 

日本とカナダ、それぞれの「運動会」の熱量は全然ちがうけれど、そこに優劣はありません。ただ、育まれる力の“ベクトル”が違うのだと思います。

 

みんなでひとつの目標に向かって努力する力。
自分の興味をベースに、自由に動く力。
 

どちらも、大切な力ですよね。

個人的には、中学校時代はなかなかしんどかったので、1日わいわい楽しんで、レモネードを売れるその自由さは少し羨ましくもありますが😄(そして、きっと夫も、コーヒーを飲みながら子どもたちの運動会を一緒に応援できるカナダの教育現場もまた少し羨ましいのかな、と勝手に憶測しています)

またまた恐ろしく間が空いてしまいました。

 

習慣化しないとダメですね💦💦

 

カナダの学校は年度末。

 

Grade6の次男はもう今週からは学校も夏休みムードで、

 

「さあ、ここからは、

❤️お楽しみ会

🏃‍♀️スポーツデー

⛰️近くの山へのピクニック

🍕ピザランチ(転校しちゃうクラスメートのお家からのみんなへのプレゼントよ!)とイベントが盛りだくさんです!明日はフランス語の授業でピザ作りをするので具材を持ってきてね!家に生地を伸ばすローラーがある人はそれも持ってきてね!」

というメールが担任の先生から届きました。

 

フランス語の授業でピザのつながりがよくわかりませんが、多分「ハム」とか「チーズ」とかの単語をフランス語で言いながらみんなでピザを作るのだろうな。。と想像しています。(ちなみに、フランス語でもPizzaはPizzaだそう笑)

 

Grade9が終わる長男は、Student Recognition & Awards(今年頑張った生徒を表彰する年度末のイベントみたいなもの)に呼ばれたものの、「賞状は後でピックアップするから行かなくていいや、時間もったいな」とスルーし、学校現場で働く夫はやや拍子抜け。

カナダの「一応やるけど参加するしないは自由です。参加しない人は後で取りに来てねー」的なノリにも慣れてきました。

(ちなみに、表彰されるのは成績優秀者だけでなく、ボランティアを頑張った生徒も表彰されます。これもカナダならでは!)

 

また、本人の希望で、来年からは、ロボティクスの競合チームがある近くの高校へ越境することにしました。

カナダには教育委員会が実施するキャリアプログラムがエリアごとにあり、その中のロボティクスのキャリアコースの会場校も、その高校。(他の高校に通いながら、毎日午後に会場校へ自分で通うことになります。これは結構大変💦)

2月に教育委員会に越境通学申請を出し、自治体のキャリアプログラムに応募し、面接して無事に合格したので、9月からは新しい高校で1日の半分はロボティクス関連の授業を受けることになります。

 

通常より1年早くそのコースに入るために必須単位の取得が必要だそうで、夏の短期集中コースみたいなものに通うことになりました。

こういうサポートがあるのもカナダの特徴かなと思います。

 

ロボティクス以外にも、キャリアプログラムは多様にあり、プログラマー、美容師、調理師など、興味がある生徒は高校生からその道に入っていくことが出来るようになっています。

 

とにかくカナダは生き方というか、選択肢が幅広で、勉強の内容も向き合い方もその子次第、という印象。

そういう教育が、カナダの「人は人、自分は自分」という社会の雰囲気作りの一端を担っているのかもしれないなと感じます。

 

向き不向きはあると感じていますが、今のところはカナダの学校を満喫しているようで良かったです。

 

(こちらはキャリアプログラムの一例です↓年に一度の説明会には保護者と参加している子どもたちがたくさん。調理師コースのブースにはたくさんのお菓子や料理が並べられ、まるで楽しいイベント会場のようでした)

カナダの教育に関しては、色々な立場の方が色々な意見をお話ししていますが、カナダの現地校の小学校2校と高校に子どもを通わせ、自分も公立カレッジに通った経験から、私個人としては、

 

上に行くも行かずも「その子次第」だと感じます。

 

頑張らなくても誰に叱られることもない代わりに、日本のように、嫌がる子どもを引っ張り上げてくれる学校側のサポートもありません。

 

逆に、頑張ろうと思ったら、どんどん上のレベルにチャレンジすることが可能です。

 

算数でもう少しチャレンジしたい、と先生に伝えたら、カナダ発祥の算数の学力テストを毎月受けられることになりました。授業中、受けたい子だけ別の教室に行って受けるそう。

(こういうことも、自分で情報を取りにいかないと入ってこないのは日本との違いかもしれません。日本では学校が一斉に情報提供をしてくれるので、基本受け身で良かったのですよね)

サイトで過去問を見ると、日本でやっていたピグマリオンの問題に似たものが出ていました。計算問題はなく、全て文章で問われる思考を育てる系の問題のようでした。

 

そして結果は校内順位だけでなく、町内、州内、全国、そしてなんと世界での順位も出ます。

 

学校の成績表はざっくりとした四段階評価で、

・大変良くできました

・できました

・もう少し頑張ろう

・頑張ろう

みたいなゆるーい感じで出るのですが、一旦その枠から出るとかなり細かく順位が出る世界があるのだなと知りました。

 

次男は校内40人中2位と言う結果が出て、算数が進んでいる日本から来た本人としては悔しかったようです。「英単語がわからないから解けなかった」を言い訳に今まではスルーしがちだった(なぜ💢)単語を復習するようになったのは良いことだと思って見ています。

こうして、結果が出て悔しい思いをしたりするのも、時には子供にとっては必要なことなのかもしれません。

 

ちなみにテストのサイトはこちら↓(日本からの受験者はいないようですが、お隣韓国ではかなりの人数が受けているようです。どうやら韓国語で受けられるようです)

 

 

14歳の長男は、数学は飛び級をし今年は10年生上級数学クラスに入っています。学校には数学クラブと言うものがあり、数学系のコンテストもたくさん開催され、どんどん上の学年にも上がっていけるカナダには、自分の力を試す場が用意されているなと感じます。


そして、頑張るエリアは勉強でなくとも、例えばボランティアやスポーツなど多様でオッケー。ボランティアの受け入れも、企業側からのリクエストが長いリストになって学校の掲示板にアップされます。

 

受験がないからだとは思いますが、その子の力の入れたい分野に力を入れることができる環境がある点は素晴らしいなと感じます。

 

一方で、頑張らないことも「その子の判断」と尊重されます。

宿題を提出しなくても、学校に出席しなくても、成績が下がって自分の進学先がなくなるだけ。集団で大麻を吸いながら下校しても、特に注意されていないようです。(実際、長男の学校の男子トイレは「電子タバコ部屋」と呼ばれているそう😭)

 

あなたがそういう人生を選ぶなら、残念だけど仕方ないね、と言う先生たちの姿勢は日本とはずいぶん違うなと感じます。

 

こちらでは、濃淡はありますが結局のところ全て自己責任だなと感じています。やる気があるならチャレンジは天井なし、逆にないならそれもまた良し。

 

その文化の違いをよく表しているなと思っているのは、人気のない湖や海などに置いてある立て看板。

 

カナダ> 泳ぐなら自己責任で (スイスイ泳いでいる。。)

 

 

日本> 泳ぐな危険!!(溺れている人の絵が怖い)

 

 

学校でも湖でも、指示をしてくれる日本(ご丁寧に電話番号も)と、自分で考えろ&あとは知らんと突き放すカナダ。

 

どっちが良いとか悪いとかではなく、この文化の違いを知っていることが視野を広げる鍵かなと思ったりします。

 

私たちは日本でぬくぬく生きてきたので(笑)、何でもかんでも自分で考えて決めろと言う文化に慣れるまでしばらくかかりましたが、だんだん人の目が気にならなくなりつつあります😄

遡ること去年の9月、グレード6になった次男は新しい学校に通い始めました。

 

前の小学校と同様、暇な時にやるからと補修校の宿題を持って学校へ行っていたのですが、9月半ばにあった担任の先生との面談で注意されてしまいました。

 

「彼は休み時間も宿題をやっていますが、これでは、本来彼が得られるたくさんの学びの機会が奪われてしまいます。アカデミックな学びだけが学びではなく、学校のすべての活動には彼が学べることがたくさんあります。学校に、補修校の宿題を持ってこさせるのはやめていただけませんか?」

 

なんと。

前の学校で推奨されたことが、新しい学校ではバッサリNG。

 

でも、私はこれを聞いてとても嬉しくなってしまいました。

 

せっかくカナダの現地校に通っているのに、授業の空き時間に漢字練習をしながら過ごすのは残念だと感じていたのです。

 

それを真っ向から注意されて、「ですよねですよね!」と全肯定で答えてしまい、先生は少し混乱されたご様子でした。

(宿題を持たせている保護者本人がそれを注意されて、反論するどころか大喜びで同意したので「いや、あんたやろ」と思われても仕方ありません😄)

 

クラス運営のやり方、先生によって本当に色々だなと痛感した出来事でした。日本の学校でもそういう部分はありますが、カナダの振れ幅の方が大きい気がしています。

 

また私のいるBC州では(他の州も同じかどうかはわかりません)、小学校の先生は基本本人の意向がなければ異動がありません。つまり、希望しない限り、先生はずっと同じ小学校で働くことが出来ます。(校長先生だけはこの限りではないようで、大体3年ほどで異動があるようです。)この辺りの仕組みも日本とは違いますね。

 

長くいる先生たちは地域コミュニティを理解し、その学校の文化を作っていき、「クラス運営のあるべき姿」なるものに対する考え方も作り上げていくんだろうな、と感じました。

 

転校の手続きはややこしかったのですが、次男は新しい学校ですぐ友だちが出来て、放課後には毎日サッカーをして帰ってきます。学校も習い事もすべて新しい環境の中で色々な葛藤もあるようですが、「カナダに来て、自分的には精神的に成長したとは感じてる。忍耐力がついた」と話しています。

 

間違いなく「子どもにぎゅうぎゅう勉強をやらせすぎなアジア人の親」というイメージからスタートした次男の学校とのお付き合いですが、今のところとても満足しています😃

 

次は、カナダでは全般的に「ゆるい」とされている教育ですが、そのイメージとは正反対の数学の学力テストの仕組みについてアップデートします!

 

小学校のオリエンテーション当日。

 

受付で子どもの名前を伝えると、「あれ?名前がないわね、おかしいな・・・誰か書き忘れちゃったのかな」とのこと。

カナダではまあありそうなことなので特に気にせず、オリエンに参加しました。

 

帰りに受付によって、明日からはどこのクラスに行ったらいいか聞いたところ、また「あれー、名前ないわねえ」と呟きながらリスト内を探してくれていたのですが、「あ、あった!!そっか新入生じゃないのね!去年の終わりにミスターXXXのクラスに転入したことになってるわ!」とのお返事。「いや、今年からの新入生なんですが」「あら、そうなの。まあいいわ、Welcome!」

 

 

転校生が学校に来なかったら連絡をしそうなものだけど・・・。

前の学校も普通に最後までお世話になり、校長先生とさよならの挨拶をしたりしたのに、本当はすでに籍がなかったのね、ということがわかりました💦

 

あれだけしつこく念押しの電話をして、教育委員会からは9月1日から転校となりますというメールも来ていて、でも新しい学校には違うタイミングで息子の名前が届き、担任の先生は変な時期に編入してくるなあと息子を待つけど来ない、謎の初日からの不登校児童。。。

でもそんなことは「カナダあるある」🇨🇦

 

最後は笑顔で「Well, never mind! Welcome!」と歓迎されて、こちらも、ま、いっか!となってしまう。

これがカナダだなあ、、、と感じた出来事でした。

 

ここで「一体どこで間違ったのでしょう」などと原因追及や犯人探しを始めても、何にも良いことには繋がらないのです。「もう解決したのに、それ意味あります?」となってしまいます。

 

こういう文化の違いを肌で感じる体験が親子共々たくさんあって、その度に「日本人の当たり前」は「世界の当たり前」と全然違うんだなと再確認します。

 

面談でのエピソードはまた次回!