[詩]湖の囁きと白い帽子失われた夏の記憶 あの夏に憧れて | 天界ブログ

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玉響の神秘に浸りながら

数日前、うろ覚えのあの歌を書き連ねた

 

 

 

湖の入り江に立つと波がささやくように告げる

 

もう少女の君はここにはいない

 

風が舞い、白い帽子は水に吸い込まれ

 

濡れた服を絞る手の温もりを思い出す

 

 

 

 

やさしい夏の記憶は時を超えて私を包み込む

 

逢いたいのは、あなたよりも、そばかすを気にしていたあの日の私

 

少年は鳥になる夢を捨て大人の皮をまとい私は水鏡に映る自分を探す

 

水面に映る影は、幻のように揺らぎながら、真実の私を隠している

 

 

 


 

誰にでも、一度だけ訪れる夏がある

 

それは恋と気づかないまま、過ぎ去る儚い瞬間

 

その一瞬に隠された感情の奔流は心の奥底に沈み込み

 

永遠に続く迷宮の中で響き続ける

 

 


 

湖の底に沈む白い帽子は無言の証人として失われた時間を語り続ける

 

波は絶えずささやき風は過去を運んできた

 

私はその中で思い倦ねる











夏のおもいでを秘めて歌う

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