映画「アラジン」を観てきたらしい娘
「よかったわ～
でも やっぱりいちばん好きなのは『シンデレラ』」
この娘は 小さい頃からプリンセスが好きだったことを思い出す
『シンデレラ』がドレスを着て美しく変身する うんぬんではなく
『シンデレラ』の何がすごいか・・・を語っている
「あれだけ家事しながら
おねえさんたちがマナーの勉強してるのを
横で（盗み）見て自分も学んで
家事して からだ引き締めて
舞踏会にいきなり行って 王子さまにまっすぐ歩いて行く
ここぞっ というときに（チャンス？）をつかむ」
ところが 娘的に勉強になるらしい
『シンデレラ』が好きかどうかは べつとして
プリンセスにあこがれて
きれいなドレスを着て 着飾って
美しくなって かしずかれたい・・・そんな夢をみることはあった
「いつか王子さまが・・・」
迎えに来てくれて お城で暮らす？
そんなあいまいな夢をみることはあった
だけど 現実になるとどうなんだ！？
『王子さま』というものがどんなものなのかわからないけれど
あこがれの彼が目の前にいたとして
そのひとの前に出られる自分なのか？
おなかがやばい・・・ とか
ちかごろめっきりたるみが・・・ とか
こんなドレス着て誰になんていわれるだろう・・・とか
ごちゃごちゃ 気にして
まっすぐ王子さまの前になんて 進めたもんじゃなさそうだ
「ドレス」 とまではいかなくても
「ワンピース」 は着てみたいと想っているっぽい
ようやく 着てみたいかもしれないとまでは自分で認めたとしても
娘が一緒のときに お店でながめたり 鏡の前であててみたりするのが
やっとのようで
「試着されませんか？」
の声かけには 逃げたいような気持になる
「どこへ着て行くん？」
私が私にそう言っている
着て行くあてもなく 買ってしまって後悔することがいやなのか
気恥ずかしさに背けたいのか
私は 何を気にしているのだろう？
『シンデレラ』の手は 家事をして荒れてはいなかったのかな
いきなり美しく着飾られて
臆することもなく
大勢のひとの前で 王子さまとダンスをする
『シンデレラ』はなんて強いんだろう