3年前のお正月
実家をたずねた私が
いつものように 定位置にいる父(→☆)の元へ行き
その頃の私にしては珍しく
父の入っているこたつに 入った
父の話を聴いてもいいな・・・と 想っていた
私のそんな空気を感じ取ったのかどうかは定かではないけれど
おもむろに 父が話始めた
「この間、こんな歌を知ったんよ・・・」
それは 「三橋美智也」の『母恋吹雪』という歌だった
酔ってくだまく 父(とと)さの声を
逃げて飛びだしゃ 吹雪(ふぶき)の夜道
つらい気持は わかっちゃいるが
俺らばかりに あゝ なぜあたる
こんなときには 母(かか)さが恋し
なんで俺らを 残して死んだ
叫んでみたって ちぎれて消える
星のかけらも あゝ 見えぬ空
徳利(とくり)かこった 凍(しば)れる指に
岩手おろしが じんじんとしみる
たったふたりの 親子であれば
涙ぬぐって あゝ もどる道
父の母は なかなかの長寿をまっとうしたし
父は 三人兄弟だし
父は 岩手の出身でもないし
父の生い立ちとは 異なる歌詞なのだけれど
父には この歌に
幼少時の自分の姿が見えてくるらしかった