望郷の父・・・1 私の背景「望郷の父」 | 魂の選ぶ声を聴く ~言葉にならない想いをつなぐ~

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無意識のストレス反応を意識的に変化させて
気づきと自然治癒力を高め 自分や周りのひとの存在に光をみる人生を楽しんでいます

望郷の父・・・目次



私の実家の父のこと



父の定位置は


玄関から入って一番奥の、八畳の和室のこたつ(イスタイプ)の中



父は 床の間を背にして、そこに座り


こたつの上に常時開いているパソコンで何やら作業をし


父の右手には たいそうなプリンターが これまた常時スタンバっている


そして いつなんどきも、テレビがついている


国会中継だったり、古い映画だったり・・・



この家を訪れるときは


まず その父の定位置まで出向いて、到着したことを告げなければならない


「きたよー」でも なんでもいい


父に敬意をはらうことが、大切・・・


もちろん、帰るときも


「帰るね」と 


とにかく、父への敬意を示さなければならない





それは 幼い頃から、「強要」されていたことだった



父が帰宅したときは 2階の子ども部屋にいても


階段を下りて、顔を見て「おかえりなさい」と 言うこと



子どもだからね・・・いや 子どもでなくてもね


手が離せないこともある


遊びに夢中なこともある


おとうちゃんに 「おかえりなさい」と言いたくないときもある


・・・が、そんなことでもあろうものなら


どやされた、どやされた




寝る前は 父の好み?のネグリジェ(笑)を着た三姉妹が


順番に 「おやすみなさい」のキスをすること


・・・これが 年長の私にとっては あるときからかなりの苦痛で、


年下の妹たちにはなんでもないことだったかもしれないが


この「慣習」をなんとかやめさせてもらいたかった


だけど、そんなことを言っては 父に怒られる というより、父を悲しませることになると



言えないでいた




父への複雑な感情があった(←過去形かどうかは 微妙(笑))、娘時代の私だけれど


父が、自分のつくった家族を せつないほどよりどころにしていることは


幼心に感じていた