目の前の娘ちゃんを見ていたら
「こんにちは赤ちゃん」
を 私が口ずさむ‥‥気がした
こんにちは赤ちゃん
私が ママよ
そう口ずさむと
「知っとる」
目も合わせずに そう言う、娘ちゃん
赤ちゃんだった娘ちゃんに向けて
歌っていた
あの頃は
抱っこして 歌を歌えば
泣きやんだ
今 目の前にいる娘ちゃんは
涙も見せずに 泣いている
泣かない娘ちゃんを泣きやませることが
できない
私には 何もできない
これからも 何度となく
こんな娘ちゃんの顔を見るのだろう
私は 母だから
私は 母だもの
そして
今まで 何度
こんな顔を 私の両親に見せてきたことだろう