「大丈夫なの?!〜汚染土の公共事業で再利用」〜サンデーアクションNO.280 | 『つながる』ことからはじめよう!

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3.11以降、福島第1原発からの汚染水は止まらないし、除染廃棄物を詰めたフレコンパックはどんどん積み上がって行くし、政府の環境に対する姿勢も次々と悪くなっていて、もう見たくも聞きたくもないという人も多いように思います。もう諦めるしかないんじゃない?という空気感が日本全体を覆い尽くそうとしている、そんな風に感じられてしまうのは私だけではないと思います。
この5年間、何度署名したか、何度政府に向けてメッセージを送ったか、私も把握出来ていませんが、市民が疲弊し、諦めてくれるのを原子力ムラは待っているんだと思います。この国では市民活動をするのはごく一部の人たちで、多くの市民は長いものに巻かれるのだと、そう思っているのではないでしょうか。

震災前、原子炉等規制法の放射性廃棄物を再生利用できるクリアランスレベルは100Bq/kg でした。指定廃棄物の基準は震災後には80倍の8000Bq/kgに引き上げられました。放射性廃棄物が再利用できる基準も引き上げられ3000Bq/kgになっていました。
そして3月30日、な~んと8000Bq/kg以下の汚染土を公共事業に再利用するという方針を決定しました。
つい3日前の4月28日には、指定廃棄物が8000Bq/kg以下になったら一般ゴミとして処分していいという新ルールを正式に決定しました。
なんだか訳が分からなくなって来ましたね。

■ 放射性廃棄物新ルール決定 濃度下がれば一般ゴミ:東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201604/CK2016042802000267.html?ref=rank

■ 指定廃棄物について:環境省
http://shiteihaiki.env.go.jp/radiological_contaminated_waste/designated_waste/

再利用3000Bq/kgは、福島県内での再利用であり、これは復興を急ぐ福島県の強い要請があったからです。しかし、今回の8000Bq/kgは最終処分量を減らす目的のためです。処分場の確保が難しいことと最終処分にかかるコスト削減ということも大きいのでしょうね。
この取組みを政府は「福島の復興、さらには東北の復興と日本の再生に向けた一大ナショナル・プロジェクトであるとともに、その成果は世界的にも前例のない経験・知見として国際的な共有財産となる...(省略)」と「世界的にも前例のない...」を強調しています。
たしかに、こんな環境や市民にリスクを負わせる取組みは前例のないことでしょう。しかも環境省がその先頭に立っているのです。思えば、この5年間、前例のないことだらけでしたね。

私の文章では分かりづらいと思いますので、おしどりマコさんの記事を読んでください。

■ 汚染土壌の再生利用は世界に前例の無い一大ナショナル・プロジェクト:おしどりポータルサイト
http://oshidori-makoken.com/?p=2059

この記事の中でびっくりしたのですが、(私があまりにも素人だからかもしれませんが...)
「対象となる汚染土壌は、10万Bq/kgを超えるもの。その総発生見込み量は、2015年1月時点における推計値で、約2.200万m3である。
この汚染土壌を、様々な技術(分級処理、熱処理、洗浄処理)などで減容化し、8,000Bq/kg以下のものは再生利用するという。」とあります。
10万Bq ?!熱?!洗浄?!
素人目線ですが、熱で気化、洗浄で汚染水と思ってしまいます。
まだ技術の開発途上のようですけど、今の問題は「再利用する」ことに決めたことですね。
このあたりのことも分かりやすいイラストでマコさんの記事に出ています。

放射性廃棄物問題は今に始まったことではなく、原発が出来た時から始まっていました。高レベルから低レベルまでの大量の放射性廃棄物の最終処分が必要であることは分かっていたことです。何れは原発が使えなくなり、その施設も放射性廃棄物として処分しなくてはならないことも分かっていたことです。あまりにもたくさんの廃棄物がこれからも出るわけですから、これらからの被ばくや汚染は避けられないのかもしれません。でも、異常だと思います。この8000Bq/kgがそのままだとは思えません。この数値で上手くいかなければ、さらに引き上げられる可能性が含まれているように見えます。

マコさんは記事の最後に書いています。
転載↓
筆者は、原子力の平和利用を推進する国際シンポジウムを取材した際、出席していた研究者にこんなことを言われたことがある。
「福島の原発事故のリスクを、除染して住む、と福島の住民が受け入れ、それを世界に発信することは重要」
筆者は驚き、その後、原子力を推進する研究者複数に取材し、親しくなった後で確認していった。
まとめるとこうである。
「今まで『事故は起こらない』と原発をセールスしてきた。
しかし福島の事故後のセールスは『事故が起こっても大丈夫』と原発を売っていく。
なので、福島第一原発事故後、住民が除染をして住み続ける、というモデルケースを世界に発信することは重要。
広島と長崎があった日本だからこそ、被ばくの恐怖を知っている日本だからこそ、福島の原発事故後『大丈夫』と発信することに意味がある。」

2012年にこの件を取材した筆者は、本当にそんな考えがあるのだろうか、と半信半疑だった。
しかし、2014年に、年間20mSvで住民は避難解除となった。
そして、2016年に、全国で汚染土壌の再生利用という世界に前例の無いプロジェクトが始まる。
最終処分量を減らすため、再生利用量を増やす、ということは実質、全国に埋設して最終処分をするということである。
原発事故が発生した際の前例になるということは、世界に対して、私たちは責任を負っている。
きちんと議論はされているのか、情報公開はなされているか、これからも注目していきたい。
↑転載ここまで。

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★サンデーアクションNO.280
「大丈夫なの?!~汚染土の公共事業で再利用」
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■ 「8000ベクレル/kg以下の汚染土を全国の公共事業で利用」方針に反対:FoE Japan
署名フォームと署名全文などは↓
http://www.foejapan.org/energy/fukushima/160416_message.html

*署名の一次募集は4/30ですが、現在二次募集中です。

■ 丸川珠代 環境大臣オフィシャルサイト-お問合せ
https://www.t-marukawa.jp/modules/inquiry/

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