調子がいいのは、この夏のせい。
そういう、絶望に近い確信を抱く午後。
常夏の島でも、孤島にでも流されてしまいたい。
調子は悪くない、でも何かうまく噛み合わない。
ふいに、遠くへ行きたい。
そして、痛みを求めるどうしようもない衝動。
ずっと、この繰り返しの日々。
不毛の中に垣間見える、幸せのようなもの。
分かっている、人生は、幸せなようなものをなんとか掻き集めて舵をとる、難破船だ。
認識しているのに、毎回その都度、虚無を覚え、終止符を打つのは自分の意思だ、と愚かな決断を下す。
本日は、通院日。
医師には、無難に調子が悪くないと告げる。
薬は変わらず。
病院の待合室で、次第に何もかもに億劫さを感じ、兎に角帰る。
目に入る何もかもが、胡散臭く、気怠く、いっそ部屋が精神病院の保護室みたいであればいいと思う。
あらゆる情報が多すぎる。
脳のシナプスを遮断出来さえすれば、解決するはずなのに。
ヒトは愚かなだ。