責任の重さ | Lithium Star

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最近クルマ整備の動画がマイブームのLoweです。

ご無沙汰しておりますがとても元気です。


ギターのリペアをしていてよく思うことがあります。

それは作業の責任の重さについて。


クルマの整備は命にかかわります。

タンカーの整備は何十億円もの積荷の損害にかかわります。

ジェット戦闘機の整備は戦争の勝敗にかかわります。

エレキギターの整備はどうでしょう。


世界的に有名なプロギタリストの機材であれば

何万人も熱狂させる歴史的なコンサートの演奏中に

音が出なくなってしまうのが最悪の状況でしょう。

アンプの電源関係のトラブルなら命の危険もありえますね。


でもそれ以外のほとんどのギターリペア作業については

X線で検査するほど内部まで調べる必要はないですし

古くなっても予防整備で丸々アッセンブリー交換はしませんし

ミクロン単位での調整やコンピューター診断もしません。


自分は木工作業と塗装はしないので

かなり原始的で軽い電子工作的な作業が中心です。

器用な子なら中学生でも可能な作業とも言えるでしょう。





でもたとえばキャパが100人程度のライブハウスでの演奏も

数万人規模のアリーナクラスで行われる演奏も

当然ながらどちらも全く同じステージは二度とありません。


バンドのメンバーやスタッフ、何ヶ月も前から仕事の都合をつけ

会場に足を運ぶファンの観客たち。

演奏する瞬間に思わず顔がにやけるような音がするのか。

こまかい不具合が気になって演奏に集中できないのか。


楽器のコンディションやセッティングの良し悪しは

たとえわずかな違いでもずっと演奏に影響し続けます。

いい印象がない楽器はやがて手放すことになるかも知れません。


わずかな弦高の違い、チューニングの安定感。

ピッキングの表現力やピックアップの出力、キャラクター。

トーンの効き方、ギター本体の鳴りや音の速さ。


エレキギターはサウンドや操作性をいじれるのが魅力の一つ。

いじれる箇所が多いことでトラブルの発生箇所も多くなります。


ただのジャックの接触不良で持ち込まれたギターでも

接点を磨けばいいかケミカルが必要かジャック交換するのか。

再発防止のためにやれること伝えるべきことはないか。


この後50年経って内部を公開されても恥ずかしくない処置が

はたして本当に出来ているかどうか。


たとえどんなに安い初心者用のギターだとしても

自分のヒストリックレスポールに触るのと同じ気持ちです。

ギターオタクの知識と経験は出し惜しみはしませんw


今年もクチコミのお客さんのみの対応にはなりますが

仲間の音楽活動に全力で貢献していきたいと思っています。