自分の親に読んでほしかった本

 

 

ハイハイフィリッパ・ペリーさん 2023年10月18日

 

本のタイトルが「自分の親に読んでほしかった本」という衝撃的なものです。

 

一言でまとめると、素晴らしい本です。

こんなに優しく、丁寧に、でも的確に(恐らく)説得力のある、親と子の関係を導いてくれる本があることに感謝です。親子関係のみならず、配偶者や周囲とのコミュニケーションの仕方にも考えさせられる部分があります。

 

以下、本書の要点を個人的に抜粋して感想を付記します。

 

幼少時のトラウマ的な経験を子供に同じことをしてしまう

子供や配偶者とファクトテニス(正論の応酬)では衝突は解決しない。自分や相手が正しい、間違っている、とう観点ではなく互いにどう感じているかを考える

  相手に興味を持ち、敏感に反応する、ことが肝心です。

 

子供の感情をあるがままに、真剣に受け止めることを胸にとめておかないと、正しいと思うことを押し付けて子供が嫌なことをはきだせなくなる

  子供が感情的になった時、お皿になった自分を思い浮かべよう(受け皿になる)

 

感情に付き合うのは、その時は時間がかかり大変かもしれないが、後になってもっと時間がかかる(取り返しがつかない)ことにつながるかもしれない

  妙に納得感があります。

 

悲しみの感情と同化するのではなく、悲しいという感情を客観視する(「私は悲しく感じている」「あなたは悲しく思っているように見える」)こと

  コレは超重要、実践しないとなりません。

 

「いつもあなたのことを考えているよ」「あなたの感情を真剣に受け止めているよ」と子供に毎日はっきり伝えることが必要で、愛の代替や先延ばしは出来ない。

  週末にまとめて、という訳にはいかないのです。

 

 

親は子供が話をする一番の相手にならなければならない。いつでも回線を開いておかないと、くだらないと一度言われてしまったら、言わなくてはいけないことも言えなくなってしまうかもしれない。

  大事なこととそうでないことの区別を子供は大人のように出来ないことを認識すべきでしょう。

 

妊娠することや親になることはプロジェクトではない。一生かけて好意や愛情に溢れた関係を築く相手をこの世に送り出す営み」

  子どもを完璧な作品にするとかいったことが頭によぎりそうならば打ち消すべきでしょう。相手は人であって、人をコントロールすることなんか出来るはずもなく、すべきことではないでしょう。

 

決めつけるのではなく、観察する、態度で臨むのがいい
 

子どもに対しては正直であるべきです。自分の気持ちは関係ないようなふりをするよりも、気持ちをきちんと子どもに明かした方がいい。

 

 

などなど、著者が心理療法士として、クライアントが陥った事例、自身の子育てを通じた事例をふんだんに盛り込んでおり、センセーショナルでありつつ、非常に説得力があり、そして優しさが溢れる作品となっています。

 

ぜひ、手に取っていただきたい一冊です。

 

 

 

 

 

 

 

 

医者が教えるサウナの教科書

 

 

加藤容崇さん 著 2020年3月4日

慶應義塾大学医学部腫瘍センター特任助教・日本サウナ学会代表理事

(発刊当時の肩書き)

 

4年ほど前の書籍ですが、サウナ本を読みました。

加藤先生は、サウナの良さを医学からのアプローチで紐解かれている第一人者です。

この本、説得力がありますし、サウナに関する基礎的な知識が詰まっていました。

 

ちなみに、昨年には「医者が教える 究極にととのう サウナ大全 超絶リラックスとパフォーマンスアップに効く科学的な方法」という本も出されているので、次はこの本を読みたいと考えています。

 

以下、サウナについて、本書から学べた一部をご紹介いたします。

 

努力不要。才能不要。価格も庶民的

 

一石八鳥の効果!

 

①脳疲労が取れて頭がスッキリする

・常に脳は活動してしまうが、強制的に思考を停止させるため、脳のエネルギー消費量をおさえられる

 

②決断力と集中力がアップする

・サウナ前後の脳を20名対象に測定したらα波が正常化した

 

③アイディアやひらめきが舞い降りる

・β波が右側の頭頂葉に増加することで、感覚を司る領域が活動していることが分かった

 

④感情的にならなくなる

・自律神経が刺激され鍛えられる。ビジネスパーソンはストレスで交感神経が優位になることが多いが、交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズに行われるようになる

 

⑤睡眠をコントロールできるようになる

・サウナへの入り方で深い睡眠を取る、眠い時にシャキッとする、ことができる

 

⑥感覚が敏感になる

・脳の右側の頭頂葉が活性化することで五感が敏感になる

・薄味のものでも満足でき、味の濃いものはより濃く感じる

 

⑦肩凝り・腰痛・眼精疲労がやわらぐ

・温熱効果によって、凝り固まった筋肉がやわらぎ、血流が増加する

・筋肉への血流が増加し、疲労物質が強力に押し流されて、筋肉疲労が回復する

 

⑧見た目がよくなる!肌がきれいになり、やせやすい体質になる

・肌の新陳代謝が促進され、調子が整う

・甲状腺ホルモンが増えるので、代謝が上がり、やせ体質になる

 

 

「サウナ→水風呂→外気浴」を3〜4セットが基本

 

「水風呂→外気浴」の間はできるだけ速やかに行動することが大切

 

各セットの間に水分を補給する

 

サウナ内での体勢は、あぐらor体育座り

 

体内の自律神経の状態をより客観的に把握できる脈を基準に判断するのが、最も安全かつ有効

 

脈拍が通常時の2倍になったらサウナ室を出る

・「ドラえもんの歌(こんなこといいな、できたらいいな♪)」のリズムの速さが1分に100回の心拍数

(医師が心配蘇生のときに目安として教わるもの)

他には、

 ゆずの「夏色」 120回/分

 TUBEの「シーズン・イン・ザ・サン」 124回/分

 爆風スランプの「runner」 127回/分

 山下達郎の「クリスマス・イブ」 117回/分

 TRFの「寒い夜だから」 125回/分

 

・体感を目安にするなら、背中の真ん中が温まった時

・汗の量で判断してしまうと結露の可能性があるため注意

 

水風呂に入る時は、大きく息を吸い、吐きながら入る

水風呂の温度は16度〜17度が理想

・温度が低すぎる水風呂に入るとドーパミンという快楽物質が出てサウナ依存症になるためおすすめしない

・水風呂を出る目安は気道がスースーしたら

 

外気浴は5〜10分程度

 

真正ととのいタイムは約2分

「ととのい」とは血中には、興奮状態の時に出るアドレナリンが残ったているのに、自律神経はリラックス状態の副交感神経優位になっている稀有な状態

・アドレナリンの血中半減期は2分

 

 

 

その他に、サウナは心臓病やアルツハイマー・うつなどの予防に効く...などなど

詳しくは本書を手に取ってみていただくと、根拠やデータも詳しくご紹介されていますし、サウナに行ってみようかな、と思う方には必見の書であると思います。

 

 

大人のショート読書感想文

 

 

メール経済評論家の父から息子への手紙 お金と人生と幸せについて」山崎元(2024.2.27)

 

・書いていることはどれも納得出来る内容

・労働者Aを低く評価し過ぎている気もする

・断定ではなく自分の頭で考えることを伝えた方がいいような気も

 

著者に対してはとても良い評判を界隈でうかがっておりましたが、編集期間もあまり多く取れなかったのではないかという出来で少し残念でした。

 

山崎元さんのご冥福をお祈りします。

 

 


 

 

今日は、いただきものの本を紹介したいと思います。実践的な思考方法が詰まっている一冊だったと思います!

 

 

この紫バックに金色文字の表紙。好みがかなり分かれそうですが、個人的にはかなり好きです、笑

大抵こういった本は過去ジャケ買いして読まないことが多かったのですが、今回はせっかくいただいた(他にもたくさんあるので別途良いものがあればご紹介をします)ものでもあり、読破いたしました。

 

 

本の情報 

 

書籍名:できる人の考え方のルール(THE RULES OF THINK)

著者名:リチャード・テンプラー

発行年:2021年3月20日

 

おすすめ度:★★★★☆

 

(おすすめ度の基準)

★★★★★ ずっと本棚に残しておきたい

★★★★☆ 人に勧めたい

★★★☆☆ 読んで良かった

★★☆☆☆ 読んでも読まなくてもいい

★☆☆☆☆ 読む必要性は感じない

 

 

 TODAY'S
 
先人たちから学ぶことはたくさんある

 

著者のリチャード・テンプラーさんは、・・・イギリスで色々な事業を成功させた、いわゆる成功者のようです。何か突出した成功談や逸話がないものかネットで探したのですが、見つからずで正直どんな方か詳細はわかりません。

本を読む時、個人的には「誰が書いているのか」を重視しますが、今回はそれがあまり関係ありませんので、あくまで中身で勝負する必要がありました。

 

本書は、100のルール(考え方)が書き連ねられており、9つの章のカテゴリで括られています。1つずつのルールはサクッと読めるので、悩んだときにその内容に合わせて一問一答で読むという使い方が出来そうです。

 

人によって響くルールは異なるため、ぜひ普段感じている違和感(普通ってどういうこと?など)があれば、本書の目次に沿ってページを開くとモヤモヤが晴れる一助になるかと思います。
 

実践的な内容が多かったので、私に特に刺さったルールをご紹介します。

 


自分の頭で考えるための6つのルール

 

Rule1 さまざまな考え方の人と付き合う

 

・価値観や思考ではなく、人となりで友達を選ぶ
あらゆる年代、文化、家庭環境、社会階層の人と友達になろう

 

 

逆境を乗り越えるための11のルール

 

Rule12 問題が起こっても大騒ぎしない

 

・変えられない問題は、遅かれ早かれ受け入れるしか道はない
自分の力でコントロールできることがひとつあるとすれば、それは、その事実をいつ受け入れるかということだけだ

 

 

健全な思考を養うための15のルール

 

Rule22 「普通」は普通ではない

 

・存在しない「普通」に合わせるために自分を変える必要はまったくない。「普通にならなければ」と考えるのはまったく無駄なプレッシャーだ。もちろんあなたは普通ではない。あなたはあなただ

 

Rule26 学ぶ過程を楽しむ

 

・学ぶ過程には4段階がある

 

①自分が最低であることもわかっていない

(車の運転の場合、教習所に通う前)

②自分が最低なのはわかっている

(実際に車を運転してみて、うまくいかない)

③自分が有能なのはわかっている

(筆記も縦列駐車も問題なくできる)

④あまりに有能すぎて自分がどれくらい有能か忘れてしまった

(すべての動作を本能的に行うことができる)

 

第二段階は、自信が粉々に砕かれる場所だ

自信をなくすのは自然なことで、第二段階に入っただけのことだ。ここを乗り越えれば、近いうちに第三段階に入れるだろう

 

 

計画的に考えるための7つのルール

 

 Rule38 意思決定に時間をかけすぎない

 

時間が限られている状況で、時間をかけていいのは、本当に重要な決断だけだ

時間をかけて絶対的に正しい意思決定をするより、貴重な時間を節約して何かに決めてしまうほうがずっといい

 

クリエイティブに考えるための10のルール

 

Rule49 他人の目を気にしない

 

クリエイティブな思考のスキルを本気で磨きたいのなら、集団に受け入れられないことを覚悟しなければならない。周りの目を気にすることが多く、人と同じであることに安心感を覚えるタイプの人は、意識して図太くなる必要がある。

 

 

問題解決のための11のルール

 

Rule55 解決策はあらゆる場所にある

 

私たちはたいてい、予想外のアドバイスを無視してしまう。普段の自分ならまずやらないようなことだからだ

誰かから思いもよらないような提案をされたら、喜んで受け入れよう

 

 

一緒に考えるための10のルール

 

Rule64 エゴを手放す

 

全体の使命は、つねにあなた個人の感情に優先する。

あなたが非協力的な態度でいると、チーム全体の損失になり、そしてあなたにとっても損失になる

 

Rule67 意見の対立は悪いことではない

 

全員が同じ考えなのは良くないが、全員が違う考えなのもよくない

あらかじめチーム内でルールを決めるとした場合の例は以下6つ

・個人攻撃をしない

・意見を反対するのであって、意見の持ち主に反対するのではない

・大声を出さない

・すべての人の意見を聞く

・勝ち負けの問題ではない

・感情的にならない

 

意思決定のための15のルール

 

言うまでもなく正しい決断をするのは大切なことだ。

しかしそれよりも大切なのは、

自分は正しい決断をしていると確信できることだろう。

自分の決断に自信を持っていれば、決断を後悔することはない。

あなたのことを決められる人はあなたしかいない。

 

Rule71 何を決めたいのか決める

 

間違った決断を避けるにはどうすればよいのだろうか?

最も簡単な方法は三歳児になったつもりで、

問題の核心に到達するまで「なんで?」と尋ね続けることだ。

 

Rule84 後悔はエネルギーの無駄づかいだ

 

過去の決断によって実際に辛い思いをしているとしても

こう考え方を変えてみよう。

あなたはそのつらい経験があるからこそ、

今のすばらしい人物になることができたのだ。

苦痛や悲しみを乗り越えた人には人間的な深みが加わる。

苦労しないということは、そのような貴重な経験を手放すということだ。

 

 

批判的思考を養うための15のルール

 

Rule99 自分の考えに固執しない

 

行動を始めたら思考は終わりだなんて、いったい誰が決めたのだろう?

一度決めたからといって、新しい情報が手に入ったのなら、

それに合わせて結論を見直すべきではないだろうか?

 

 感想

 

一つ一つはスラスラと読めますが、100個もあるとなかなか読むのに時間がかかりました。

また、100のルールのうち、自分にインストールしたいものを選別しながら消化する必要があります。

普段の生活、仕事でも活用できる考え方が詰まっている一冊といえます。

ルールについて、著者自身あるいは知人友人の体験を交えながら、ときに例え話を用いながら説明されていて、それが嫌味なく受け入れられる内容だったと思います。

 

著者のその他の本も機会があれば手に取ってみたいなぁと思いました。

 

少しずつ涼しくなっていく秋の読書の一冊としてオススメです。

 

 

 

 

今日は、以前から気になってはいたものの、結果的にこのタイミングで読むことが必然だった本をご紹介します。

 

 

このタイミングというのも、マネジャーになってから約一年半、いちプレーヤーから脱することが出来ず、部下との距離感に悩みが出てきた時に、何か参考になることないかなとWeb検索していた時。著者の安藤広大さんの記事を見て思わず「なるほど!」と思ったと同時に、発刊当時話題になっていた「リーダーの仮面」の著者だということがつながったのです。

元々気にはなっていたのですが、さらっと流し読みしたとき、何となく自分のマネジャー像と違うなと遠のいてしまっていたのです。

 

本とは出会い方が重要で、いくら良書でもその時に置かれた状況や精神状態で吸収の仕方が違います。会うべくして再会したと言えます。

 

 

本の情報 

 

書籍名:リーダーの仮面 「いちプレーヤー」から「マネジャー」に頭を切り替える手法

著者名:安藤広大

発行年:2020年11月24日

 

おすすめ度:★★★★☆

 

(おすすめ度の基準)

★★★★★ ずっと本棚に残しておきたい

★★★★☆ 人に勧めたい

★★★☆☆ 読んで良かった

★★☆☆☆ 読んでも読まなくてもいい

★☆☆☆☆ 読む必要性は感じない

 

 

 TODAY'S
 
いいリーダーの言葉は時間差で遅れて効いてくる

 

著者の安藤さんは企業に勤める中で「識学」という考え方に出会い、独立。その後、株式会社識学を設立し、3年11ヵ月でマザーズ上場を果たすという凄腕です。

 

正直はじめは、「識学」って何だ、と思ってしまいますが、中身を読んでこんな考え方があるのか、と目から鱗間違いなしです。

 

部下との接し方に悩んでいる、あるいは自分のチームの成果が出ないことに苦慮している、リーダーは必見の書です。

なお、こちらは中間管理職層向けで経営者向けの内容ではないことを安藤さん自身が書籍の中で語っておりますのでご注意ください。

 

 

いかなるときも個人的な感情を横に置く

 

人間的なマネジメントをして、成果が出ずに雇用が維持できなることこそが問題。部下たちはスキルが身に付かず他の仕事や会社で通用しなくなったらどうか。

 

感情はマネジメントの邪魔になる。

 

決起大会や飲み会で頑張ろう!と盛り上がったとしても、それはいっときの盛り上がりに過ぎず、人間の上がった感情は必ず下がるように出来ている。

 

モチベーションの有無や個人差によらない理論が重要になる。

その理論とは、仮面をかぶって「5つのポイント」を実践すること。

 

 

電球ポイント1 「ルール」

場の空気ではなく、言語化されたルールをつくる

 

電球ポイント2 「位置」

対等ではなく、上下の立場からコミュニケーションする

 

電球ポイント3 「利益」

人間的な魅力ではなく、利益の有無で人を動かす

 

電球ポイント4 「結果」

プロセスを評価するのではなく、結果だけを見る

 

電球ポイント5 「成長」

目の前の成果ではなく、未来の成長を選ぶ

 

 

ルール

 

ルールが明確でないと、リーダーの顔色を窺い、空気を読みながら行動をしないといけなくなり、部下にとってストレスになる。

 

リーダーがすべきことは、「ルールを作り、それを守らせる」こと。

ルールを言語化してシェアし、必ず守らせること、が重要。このルールが仲間意識を生み出す。

 

ルール作りのポイントは「主語を曖昧にしない」「誰が何をいつまでにやるかを明確にする」の二つ。

 

主語を曖昧にしない、というのは「上が言っているから」ではなく「私がそう決めた」と言い切ること。「みんなそうしているから」という言いぶりもNG。

 

部下と同じ位置に立つことのないように注意すること。

 

「誰が何をいつまでにやるかを明確にする」のは、曖昧だと、やる人とやらない人のムラが出てしまい不平・不満が溜まる可能性があるから。

 

 

位置

 

識学では、組織の成長スピードを考えたとき、「ピラミッド構造が最適であり、最速である」と考えている。

形はピラミッドなのに、個人の考え方はティール。そんな中途半端な「いいとこどり」は出来ないもの。

決定する人が明確で、責任の所在がはっきりしていることが成長のスピードの速さにつながる。

ピラミッド構造だと決裁をとるスピードが遅い、という話があるが、それは誤解で、ピラミッドに合わせて組織が運営されていないことが問題なのである。

うまくいっていない中間管理職が伝言ゲームに終始してしまい、物事を決めない状態だと組織運営が立ち行かない。

 

高い位置にいる人は、未来を見据えて決断し、行動する責任を負うもの。

優しい上司は、今の部下にとってはいい上司だが、「未来」に視点を移すと、部下は成長できないためマイナスの存在となる。

 

リーダーは部下に「誰から評価されるのかを理解させること」が大事。

そして「お願い」をせず「指示」をする。部下のやる気やモチベーションは関係なく、「役割と責任に応じて上から下へ仕事が降りてくるだけ」である。

いい人を演じるのはやめること。

 

中には、部下の仕事が終わった後にご褒美をあげるという人がいるが、仕事はお使いとは違うことを肝に銘じ、部下を子供扱いしないこと。

 

出来なかった時の言い訳を聞いてほしいから、話を聞いてくれるリーダーが求められてしまう。寄り添うリーダーが、成長の止まっている状態を正当化してしまう。

 

 

利益

 

どこまでいっても組織があっての個人。

個の力、個の存在だけで生き抜いていける人はごく僅かであり、会社で評価されない人が社会で評価されるなんてことは滅多にない。

 

人間が集団をつくる理由は、集団でものごとを成した方が、得られる成果が大きくなるから。

集団で大きな利益を獲得し、獲得した利益を分配することで個人の利益も最大化される。

 

かつてマンモスを狩った集団は、同じ釜の飯を食べることで結果的に仲良くなったであろうが、あくまでもそれは肉の獲得が先にあり、仲間意識はおまけでついてきたものであったと言える。

 

組織のために働いたことが、個人の利益につながっていく。

課長が自分の身を守ろうとするなら、課の成果が上がらないことに恐怖を感じなければならない。部下から嫌われる恐怖が優先されることはあり得ない。

 

いい緊張感を保ち、少し高い目標を積み上げることで日々成長し、長期的に成長していく。

マネジメントでは、言い訳をさせず、事実をもとに淡々と確認していくことが良い。言い訳はスルーして、常に一定のテンションを保つことが必要。仕事の意味や価値観は自分自身で見つけるものであり、部下に頑張る理由を用意しないこと。

部下たちがフェアな環境で競争している状態が良い。

 

結果

 

仕事ができる人は、評価者が求める成果を出せる人で、人気がある人のことではない。

リーダーが考えるべきこととして、お客さんや社会を優先させることは絶対にNGであり、会社の未来への視点が抜け落ちることのないように気をつける。

 

リーダーはプロセスを評価してはならない。

 

プロセスを評価することは、子供時代の育て方をひきづっているためであり、勉強と仕事とは本質的に全く異なるものであることを認識しなくてはならない。

子どもにとっての勉強とは明確な成果があるものではないことから、勉強に向かわせることとしてプロセスを重要視せざるを得ない。

一方、仕事では給料やボーナスといった目にみえる成果を受け取っている。頑張っている姿をどれだけ見せられてもそれは全く意味がないものと心得る。

 

仕事をやることは当然であって褒めることのないように。

 

目標を設定して、任せる、最後に結果を報告させ、評価する。それだけのシンプルなマネジメントが必要。そして、結果を元に次の目標を詰める。

 

 

成長

 

健全な競争環境に部下を置くことで、勝手に成長せざるを得ない状況になる。

 

リーダーであるマネジャーがトッププレイヤーで引っ張っていくのではなく、チームの部下の中の一人が群れを引っ張る先頭に立つ状態が理想的。人間の能力にはそこまで大差がないため、経験を積むことで周囲との先頭の入れ替わりが生まれ、チーム全体が成長するスパイラルが生まれる。

 

人は経験とともにしか変わらない。わかった気にさせないように「まず一回やらせてみる」

 

なかなかうまく仕向けられない場合、「失敗したとしても、上司の私の責任だから思い切ってやるように」と言い覚悟を決めること。

 

 

 感想

 

「会社は孤独を埋める場所ではありません。人間関係の寂しさを職場で埋めようとしていないでしょうか。孤独がイヤなのであれば、友達を作るなり、趣味に没頭するなりしてください」

という一文が非常に刺さりました。
 

この本を通じて、組織の利益を最大化するために、一人一人が成長してパフォーマンスを発揮できるように、リーダーの仮面をかぶることが何よりもマネジャーにとって必要なことだと真に理解出来ました。

 

悩んでいるマネジャー必見の書、ぜひご一読ください。

 

 

 

今日は、タイトルというより、表紙のパンチ力に負けて購入した本をご紹介いたします。

 

 

表紙のインパクトがハンパじゃないですよね。怪しくて手に取りづらい、、

 

「え?いつまで学生時代と同じ勉強法やってんの?脳の仕組み変わったんですけど」

 

私もそうでしたが、大人が学生時代と同じ勉強法が良いのか悪いのかなんて考えたことがない人が大半ではないでしょうか。

 

「もし大人に合った勉強法があるのなら、ぜひあやかりたい」と思った方はぜひこの後も読み進めてみてください。

 

 

本の情報 

 

書籍名:一生頭がよくなり続けるすごい脳の使い方

著者名:加藤俊徳

発行年:2022年11月10日

 

おすすめ度:★★★★☆

 

(おすすめ度の基準)

★★★★★ ずっと本棚に残しておきたい

★★★★☆ 人に勧めたい

★★★☆☆ 読んで良かった

★★☆☆☆ 読んでも読まなくてもいい

★☆☆☆☆ 読む必要性は感じない

 

 

 TODAY'S
 
脳のポテンシャルはいつまででも引き出せる

 

著者の加藤俊徳さんは、脳内科医、医学博士で加藤プラチナクリニック院長であり、株式会社脳の学校の代表です。

 

脳内科医って何だろう、って思いますよね。気になって調べたところ、加藤先生のクリニックは東京都港区白金台に所在し、下記の外来を行なっているとのことです。

 

薬脳画像診断外来:

MRI画像を用いて、脳の使い方や得意・不得意を診断し、脳の強化法を処方しています。
 

薬脳の強化外来:

脳画像診断外来受診後にも脳を強化する生活や脳番地トレーニングの継続的なサポートを行っています。

 

何をきっかけにこの病院の受診に至るのかは分かりませんが、とにかく脳の専門家として人の力を引き出すといったところでしょうか。

 

また「小児科専門医になり臨床医として、未熟児・新生児医療やアレルギー専門外来の経験を積んだ」とプロフィールの中にありましたが、最近よく目にするADHDの専門外来も行なっているようです。

 

子どもの発達もそうですが、認知症も世界的な課題であることから、この脳内科の分野はこれから益々注目かもしれません。

 

 

そのような脳のスペシャリストである加藤先生の本、パワーワードばかりです、この書籍の中から私が学びを得た点をご紹介いたします!

 

 

あなたの脳は確実に学生時代より「いい状態」

 

さっそく「嘘でしょう」という内容から始まります。

しかしながら、これにはしっかりとした根拠があるというのです。

 

記憶や理解を担う「超側頭野」は30代でピーク

視覚や聴覚から入ってきた情報をもとに分析や理解をする「超頭頂野」は40代でピーク

実行力や判断力を司る「超前頭野」は50代でピークに

 

つまり、脳のピークは30代〜50代であり、なかでも45歳〜55歳は脳の最盛期といえるのです。

 

さらに驚くべきことに、脳のピーク時にしっかりと働かせておくことで、60代以降も脳は成長するとのことです。

 

ここで私が疑問に思ったことは脳細胞は加齢とともにどんどん減っていく一方ではなかったか、という点です。(頭を叩かれると脳細胞が死んで増えることはない、だとか)

 

この点に関しても疑問を解消してくれます。

 

一生の中で脳細胞が一番多いのは一歳前の乳児期

20歳頃から脳細胞は減少していき、ゆるやかに脳の老化は始まっていく

 

しかし、脳細胞の数がどれだけ潤沢にあったとしても、細胞同士をつなぐ情報伝達回路のネットワークが脆弱だと、脳を機能的に働かせることができないのです。

 

脳力を上げるのは脳細胞ではなく、ネットワークの発達です。

 

年齢とともに様々な経験を積み重ねることで脳に刺激を与え、それによって細胞同士をつなぐネットワークが広がり、脳の連携が密になっていく。

 

(ここから自己解釈)歳をとってからの脳は、漫画はじめの一歩において、主人公であり、プロになってから負けなしの幕之内一歩を老練なテクニックで翻弄し、初めて黒星をつけた伊達英二のようなことなんだと思います。(伊達も若いのですが、異様におじさんのイメージが・・・)

 

 

8つの脳番地を理解し環境づくりをする

 

「脳番地」というのは著者の造語です。脳には120ほどの脳の場所(番地)があり、脳の役割別に部署のように振り分けられています。そのうちの8つが重要になります。

 

・思考系脳番地  →社長

・理解、、    →現場リーダーで常務

・記憶、、    →調整役で総務部長

・感情、、    →陰のボス

・伝達、、    →広報官

・運動、、    →営業部門(現場)

・視覚、、    →営業部門(現場)

・聴覚、、    →営業部門(現場)

 

脳番地たちで株式会社ブレインを結成しているという考え方が分かりやすいです。

 

本の中では、それぞれの脳番地たちがユニークなキャラクター仕立てになっていて、結構強烈な個性を放っています。

正直最初は変な絵だなー、と思っていましたが、読み進めるうちに癖になるというかこの絵でしか成立しなかった気すらしてきます。(これも脳に訴えかけられている!?)

海馬ちゃんが可愛いです。

 

ぜひ本書でお確かめください。

 

 

脱線しましたが、脳の持ち主(自分自身)は何になるのかというと株式会社ブレインの監査役。

脳が効率よく働くことで利益が上がっているか、収支を見守り軌道修正を行います。

会社の風通しをよくして働きやすい環境を作ってあげることが大事になります。

 

例として、固有名詞が出てきにくい「あれのあれがああなって」などの現象が起きるのは、加齢ではなく、思考系脳番地がサボっているだけということが挙げられます。(すぐトシのせいにせず思考系脳番地を疑わなくてはなりません)

 

薬思考系を活発化させる方法:

・1日の始まりにその日のスケジュールを立てる

・家族や同僚の長所を3つ見つけてみる など

 

薬理解系を活発化させる方法:

・部屋の模様替えをする

・通勤経路を変えてみる

 

薬記憶系を活発化させる方法:

・ストレスを溜めない

 

薬運動系脳番地の特性:

・運動することで全体の指揮を上げる。ボーッとする時は運動するべき

 

 

「脳が成長する」というが、本当に脳の中では皮質と白質が形の上でも変化し、機能的にも成長している。(MRI脳画像で明らか!)

 

 

大人には大人なりの脳の使い方がある

 

加齢により、記憶するための脳のシステムが変わっていることを認識することが大事です。

子どもは「無意味記憶」と言って、知らない言葉でも記憶できますが、大人は記憶するよりも前に疑問が湧いてきて、意味を理解してから記憶する「意味記憶」が優勢になっています。

 

大人の短期記憶を長期記憶にするかの判断は脳の中の海馬が行うため、意識した記憶の仕方が必要となるのです。

 

テクニックは以下の通り。

 

ワクワクしたポジティブな感情に海馬はだまされる

やりたくないことを脳をだまして楽しいと錯覚させる。好きな物を飲みながら勉強、終わった後のご褒美を頭に描いてからテキストを開く。好みのタイプの先生に習う

 

 

繰り返す、復習する。しかも復習は真ん中から

覚えたい知識との親密度をあげるため、接点を増やし顔馴染みになる。最初と最後は記憶に残りやすいため、あえて真ん中を集中的に復習することが効果的

 

 

2時間勉強するよりも10分の勉強を12日間続ける。

何か一つのことを勉強するときは、常にそのことが頭の片隅にある状態が理想的。

75時間程度続けると脳が新しい勉強内容を受け入れて好意的に働き出す

 

 

あとで誰かに教えなくてはならない、という前提で物事を覚える

緊張感とともに学習することから脳が働き出すため、アウトプットを意識しながらインプットする。実際に家族・友人に話したり、SNSに発信すると効果的

 

 

 

すごい勉強法

 

人によって聴覚系と視覚系のどちらが優位に働くかが決まっています。

 

聴覚系が優位な人は、言葉の情報が入りやすいのが特徴で、視覚系が強い人は、文字による情報が入りやすいのが特徴です。人の単なる真似ではなく、自分のタイプに見合った勉強法をすることが大事です。

(私は視覚系が優位でした。本書の中で簡単にチェックできるようになっています。)

 

タイプ別という訳ではありませんが、脳番地たちを活性化させる効果的な勉強法は以下の通り。

 

・音読する

視覚系、伝達系、運動系、聴覚系が働きます。これにより海馬が長期記憶に情報を入れる動きをとります。

 

・オーディオブックやラジオを聴く

聴覚系脳番地は朝から眠るときまで働くため、一日の終わりに何もできなかったと落胆する前に、オーディオブックなどで耳から学びましょう。

 

・一日60分を目安に歩く

運動系脳番地はすべての脳番地のエネルギー源になっています。運動系は脳全体を回すトリガーであり、運動をしないと頭が悪くなります。

 

・就寝前に復習して、そのあとスマホは見ない

寝る1時間前に記憶に残したいことを復習します。寝ている間も脳は活動し、浅い眠りのレム睡眠時に記憶を再生・整理し、深い眠りのノンレム睡眠時に長期記憶を形成するとされています。

また、脳にはより最新の情報を上書きする仕組みがあるため、復習後はスマホをいじってYouTubeを見たりせずさっさと寝ましょう。

 

・デッドラインを設ける

脳は締切が大好きですので、あえて時間に追われるように締め切りを設定しましょう。

 

・朝と寝る前に少しでも勉強する

朝と寝る前に勉強すると、日中帯も睡眠の間も一日中勉強している内容のことが頭の中にある連続性を保てるため記憶に定着します。

 

 

 感想

 

文章中に出てくる高速道路と一般道路の話など、例え話が随所に盛り込まれていてとても分かりやすいです。

また、脳番地たちをモチーフにしている四コマが記憶に残るユニークな内容になっており、まさに大人脳に刻まれる作りになっています。

 

この本を読むと、予期せぬ事態やいつもと違うことが起きたら「脳のトレーニングになる」とポジティブに思えるようになります。それだけでもすごい効果ですよね。

 

 

暑い季節にエアコンの効いた場所で一気に読んでいただきたい本です。

 

それではまた。

 

 

 

今日は、自己啓発好きが気になる書籍についてご紹介致します。

こんなタイトルだったらそりゃつい読んじゃうよね、という本です。

 

 

書籍名:世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた

著者名:中野信子

発行年:2021年9月14日

 

おすすめ度:★★★☆☆

 

(おすすめ度の基準)

★★★★★ ずっと本棚に残しておきたい

★★★★☆ 人に勧めたい

★★★☆☆ 読んで良かった

★★☆☆☆ 読んでも読まなくてもいい

★☆☆☆☆ 読む必要性は感じない

 

 

 TODAY'S
 
世界の頭の良い人は自分のことをよく知っている

 

著者の中野信子さんは脳科学者です。東京大学を卒業し、東京大学の大学院を修了、その後、フランスの国立研究所ニューロスピンに博士研究員として勤務をされていました。メディアで見る機会も多く、著書もかなりあるので書店でも良くお見かけします。

とにかく経歴からすると賢い方なのだろう、と思っておりますが、フランスのニューロスピンについてはWebで調べてもどういった団体か分からずじまいでした。

この本の中でも、かつてのフランスの同僚の「頭の良い人」が出てくるのですが、どのような研究所だったのか気になるところです。

 

それでは、書籍の中から私が学びを得た点をご紹介いたします!

 

決まった儀式を行う

・勉強や仕事の前に集中力が高まる動作をする

例:集中したいとき、コーヒーを淹れて飲む・勉強机の整理整頓をする

 

空気を読まない

・世界で活躍している人には、実はKY(空気が読めない)の人が多い

 

(ちょっと脱線)

エピソードの中に、MENSA(全人口のIQ上位2%が入会資格を持つ)の会員の方々は小さい頃から「やらなくても異常に出来てしまう」ことから周囲に奇異な目で見られたり、同年代の子どもたちと話が通じなかったり悲しい思いをする人が多いというものがありました。

 

MENSA級の特殊例は少ないにせよ、周囲に溶け込めず幼少時代に友人が作れないことは心に暗い影を残す可能性があるのではと考えています。また、経験配当という考え方からすると、早い時期に良い思い出を作ることで人生の長い期間心を豊かにすることが出来ます。

 

KYが素晴らしい功績を残すとしても、日本を生きるのは生きづらさがあるかもなぁと思いました。

 

欠点を悠然と受け止める

・自分自身のマイナス部分を受け止める力は、仕事をこなす技術とはまったく関係のない「人間としての自信」に由来する

 

トレーニング法:自分の最も嫌いな部分、思い出したくもないような後悔している出来事をどんどん挙げていき、それらを徹底的に捉え直していく(臨床心理における認知行動療法でよく使われる「系統的脱感作」に近いもの)

 

周りにいる人たちを虜にする

・あなたが見つけたその人の素晴らしいところを、心を込めて褒めてあげる(学歴、肩書き、勤め先といったネームバリューなど、表面的な部分を安易に褒めるのはあまりおすすめできない)

 

敵を味方に変えていく

・サボり癖のある人は監査役に抜擢する。指導者役をこなしていくモチベーションが高くなるので、自分自身はサボることがなくなっていく(指導役や監督役に任命することで、認知的不協和を活用する)

 

本から何でも吸収する

・自分の味方はすぐ近くにはいないかもしれないけれど、本の中には絶対にいる

 

 

ライバルを見つける

・ともに強くなる相手がいないと慢心してしまって、この辺で十分だろう、とだらけてしまう

 

流れ星に願いごとが必ずできる

流れ星に願いごとをすると、その願いが叶うはなぜか。それは、自分がいつもそのことを思い続けているからです。わずか0.5秒の間に願い事ができるのは本気であるしるし。

 

強気のふりをする

・自己イメージが自分を作る

人間というのは他人が評価するよりもずっと、自分で自分のことを常に評価し続けています。

心が傷ついてしまうときには、誰かの言葉そのものが、その人の心を傷つけるのではないのです。自分自身が持っている自己評価を、誰かの言葉が後押しし、その言葉に同意してしまったときに、人は傷つくのです。

(これは脳の機能だそう)

 

トレーニング法:強気のふりをする、見た目を理想のイメージに近づける

 

よく寝る

・覚えた直後に眠った方が記憶の保持には良い(データあり)

 

 

 

感想

 

中野さんが喋りかけてくるようなトーンで話がどんどん進んでいくので、短時間であっという間に読めてしまいました。最終的に、頭のいい人は自然発生的に良いというだけではないのかもと思わされました。とにかく色々な頭が良くなるコツを知っていたり、余計なことに脳のメモリやエネルギーを使っていないということなのだろうと思います。

 

ただし、最後の方で「写真的記憶」の技能を中野さんが持っていることが紹介され、さすがに超越した人だとは思いました、笑

 

この本では突拍子もないことは一つも書いておらず、「そうだね、そうだね」と思いながら納得できる内容ばかりです。

 

ぜひ梅雨の季節のお供にいかがでしょうか。

今日は少し前の本ですが、読書法に関する書籍についてご紹介致します。

 

 

書籍名:「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく東大読書

著者名:西岡壱誠

発行年:2018年6月14日

 

おすすめ度:★★★★★

 

(おすすめ度の基準)

★★★★★ ずっと本棚に残しておきたい

★★★★☆ 人に勧めたい

★★★☆☆ 読んで良かった

★★☆☆☆ 読んでも読まなくてもいい

★☆☆☆☆ 読む必要性は感じない

 

 

 

 TODAY'S
 
一言まとめ

 

本を読んだ気になっていないか

情報を知識にすることが出来て初めて

読書と言える

 

 

著者の西岡さんは執筆当時現役の東大生、偏差値35から東大文科II類に合格された猛者です。

ドラマのドラゴン桜2の制作にも関わっている方だそうです。

「東大⚫︎⚫︎」といった本を多数執筆されていて、東大ブランドを最大限に活用されています。

この本、、

単なるマインドセットを語るものかと思いきや、
読書で人生を変えたことがひしひしと伝わってくる、超絶テクニック本になっています。
 

正直それだけやれば本をモノにできるだろう、と納得です。ただし、周到な準備・読中読後の振り返りをする必要があるため、習慣に出来るか否かがこの本を読んだ後の分かれ道になるでしょう。

 

私は「これまで何をしてきたのだろう、本を眺めていただけだったかもしれない」と複雑な気持ちになりました。

 

今後の読書人生を充実させるためにもこの本で学んだ読書法を実践していきたいと思います。

 

 

テクニック その1

 

・「装丁読み」でライトをつけ、「仮説作り」で地図を書く。
 

装丁読みとは・・・

本の内容をギュッとしたのが表紙や帯、ここから内容を読み解きとく。

 

仮説作りとは・・・どんな内容が書いてあるのか想像して仮説を立ててから読み進める。
読み進めるときに常に地図に戻って、間違っていたら直す作業を行う。

これを頭の中ではなく、手書きの付箋を使って残す必要があります。

※納得ポイント※
東大生は問題文ではなく、まず設問を読んでから問題文を読む、のが鉄則だそうです。確かに右も左も分からない状態で読み進めると誰であろうと内容が頭に入ってきません。

このことから東大生は、要領よく問題を解いていることが良く分かりますね。
 

テクニック その2


・本の読者ではなく記者の姿勢で読む。

記者がインタビューをするように、姿勢を正して前のめりになりながら、そして著者への質問を考えながら読む。答えは本の中にあります。

 

テクニック その3

 

・本の内容を一言で言い表すための整理読みをする。


章ごとに情報を整理して、一言で言い表せる状態にします。このとき誰がみても分かるように注意します。
 

テクニック その4


・二冊を、同時並行で読む。

 

意見の偏りを避けるため、関連性のある2冊を選び、同じスピードで読み、共通点と相違点を付箋に書き出す、読後に相違点の付箋について検証する
 

 

 

感想・・・

 

本をこれから読んでいくというのに、何で先に想像を働かせたり、仮説作りなんて面倒なことをするのか、と思ってしまいますが、目的は本の内容を自分のものにすることなので、それ相応の準備が必要ということです。

読んだそばから内容を忘れてしまったらそれこそ時間の無駄になってしまいますから。

 

読書には訓練が必要、情報を見るのではなく知識をつけるために下準備・読んでいる間も主体的な姿勢を持つべきということです。

ここまでやれば東大生になれるかも、と思わされる納得の内容です。
これを実践できることが大変で、本を読んだ数ではなく、知識をつけることに喜びを感じられるようにならないとと考えさせられました。

「情報を知識にする」ことを意識して読書生活を送りたいものです。


余談ですが、本の中に登場した、「一九八四年(ジョージオーウェル)」「堕落論(坂口安吾)」は読んでみたいと思います。

 

皆様、良い読書ライフを。

今日も教育に関する書籍についてご紹介致します。

 

 

書籍名:ユダヤ富裕層が13歳までに学ぶお金のルール

著者名:川口幸子

発行年:2023年2月6日

 

おすすめ度:★★★★☆

 

(おすすめ度の基準)

★★★★★ ずっと本棚に残しておきたい

★★★★☆ 人に勧めたい

★★★☆☆ 読んで良かった

★★☆☆☆ 読んでも読まなくてもいい

★☆☆☆☆ 読む必要性は感じない

 

 

 TODAY'S
 
一言まとめ

 

日本はまだまだ金融教育が進んでない

ユダヤ流をそのまま真似せずとも、

日本に馴染む程度に取り入れると良い

 

 

今回、ユダヤ式教育の二冊目となります。

 

先に一冊目が気になる方はこちら↓

 

 

 

 

 

日本で生まれ、日本で育った身からするとあまりに異なる教育方法で面食らってしまいますが、やはり富豪が多いユダヤ系の教育方法からは学ぶことが多いのは事実です。

 

そもそもなぜ今ユダヤ人から学ぶ必要があるのか。

それは、日本人が生きる不透明な時代と不測の事態が起こってきたユダヤ人の歴史が重なるからではないでしょうか。

 

今回もどっぷりどユダヤ流の教育に浸かりながら、参考になる情報をまとめていきます。

 

 

 経済的な成功者の多いユダヤ人

 

世界の大富豪のベスト500のうち、ユダヤ人はなんと200名にも上ります。

 

組織だと、

・ゴールドマンサックス

・ロスチャイルド

 

個人だと、

・フェイスブック創業者 マーク・ザッカーバーグ

・グーグル創業者 ラリー・ペイジ

・スターバックス創業者 ハワード・シュルツ

・映画監督 スティーブン・スピルバーグ

・マクドナルド創業者 レイ・クロック

 

ノーベル賞経済経営学部門でも、受賞者の6割がユダヤ人がいることで経済的な成功者が多いことがうかがえます。

 

 

 

ユダヤ教育のポイント

 

  • ユダヤ人にとって学びは生きていることの一部であり、学ぶ目的は学校などの成績を上げることではなく、「好きなことを追求できる力」を身につけること。そのため、ユダヤ人の教育では、何かを「強制する」のでなく、子どもの情熱を「引き出す」ことに注力しています。
 
  • ユダヤ系欧米人の場合、孫にこっそりとお金を渡すということはありません。お金を渡すときには、「何に使いたいのか」「それを得るために何をするか」などを明確に聞き取り、親とも話し合ってお小遣いをあげるかどうかを決めます。親に隠さなければならないお金を渡してしまうと、子どもはほしいものを手に入れてもおおっぴらに喜ぶことは出来ませんし、ヘタをすれば家の中で嘘をつき続けることになってしまいます。
 
  • ユダヤ流の6つのお金の分け方

   ①銀行口座(生活に必要なお金)

   ②緊急予備費口座(緊急時のお金を別で管理)

   ③貯める口座(①②とは別の貯金)

   ④貢献口座(寄付や、大切な人への贈り物やご褒美に使うお金)

   ⑤増やすための口座(利回り4%以上の複利でお金を育てる)

   ⑥投資用の口座(インデックス、アクティブ、株、自己投資に活用するお金)

 

  • ユダヤ系欧米人は、相手と自分との距離感に応じて、使うお金と時間の配分を分けて考え、無駄なコストをかけないようにしているのです。
 
  • ユダヤ系欧米人の間では、寄付はとても日常的なもの。自分が社会の一員である以上、その社会に貢献することは当然だと考えています。そして、時間や労力を割くことができなくても、今すぐにできる社会貢献が、寄付なのです。また、自分の欲望のためだけではなく、人のためにもお金を増やすと考えたほうが、資産形成のモチベーションも高まります。
 
  • 世の中で経済的に成功している人は、何を得られるか保証がない状態で自分の信念に基づいて、犠牲を払っています。何も捨てずに成功を手に入れようとするのは、太陽を西から登らせようとすることと同じです。
 
  • ユダヤ系欧米人たちは、その瞬間に手にできるお金の価値よりも、家族や友人と過ごす時間のほうが、大きな価値を持つと考えているからです。お金はあくまでも道具であり、それ自体を得ることが目的ではない。お金に振り回されると、かけがえのない時間や人を失うことにつながるリスクもある。彼らはそのように考えて暮らしています。
 
  • ユダヤ系欧米人は、大切な人がどうしたら喜ぶかということを常に念頭に置いて暮らしています。記念日やサプライズなど、相手に感謝の思いを伝える機会をなるべく多く作ることを重要視しています。だからこそお金を稼ぐことや増やすことが必要であり、しっかり自己管理をして、限られた時間で仕事の成果を出そうと考えます。その結果、ビジネスで大きな成果を残せるようになるのです。
 
  • お金に余裕のあることを他人にアピールするために、高いものを身につける。これはお金の使い方として全く意味のないことだと、ユダヤ系欧米人たちは知っています。見栄のためにお金を使えば、同じような人が周りに集まり、結局はお金でしかその人の価値を計れなくなっていきます。お金は「こんなことを実現したい」「これに挑戦してみたい」「社会をこんなふうに変えてみたい」といった目的のために使う道具にすぎないと理解しているユダヤ系欧米人にとって、道具によって人の価値が計られることは、受け入れられません。
 
  • ユダヤ系欧米人は、人と自分を比べるということをしません。「人は人、うちはうち」「自分がどうしたいか考えるように」と、自然に教えられてきました。「仲のいい友達が持っているから自分もあれがほしい」と考えるのではなく、本当に自分にとって必要かどうかを考えるように習慣づけられてきました。物事を他人と比べて考えている、本当に自分が何をやりたいのかを見失うことがあります。他人より優れているように見せたいという思いが、無駄な時間と無駄なお金を使うことにつながり、本当にやりたいことを見失わせてしまうのです。
 
  • 日本式の、年齢に応じて金額が上がっていくというお小遣いの渡し方は、大人の社会の年功序列制度から生まれた習慣だったのかもしれません。頑張っても頑張らなくても、重ねた年数に応じてお給料もお小遣いも増えていく。海外と違って、何も頑張らずにいるだけの社員でもお金をもらえる時代が日本にはありました。そんな時代なら、これでも良かったかもしれません。しかし、今は日本でも年功序列制どは消えつつあり、成果主義の時代に変わりつつあります。深く考えずに上司に言われたこと、会社で決められたことをやっているだけでは、成果は上がっていきません。何のためにこの仕事をやるのか、その先に何があるのか。目的を持って仕事をすることによって、成果は上がっていくものです。
 
  • 「複利は人類最大の発明だ。知っている人は複利で稼ぎ、知らない人は利息を払う」これはアインシュタインの有名な言葉です。すぐに使わないお金は必ず、複利の力を使って運用する。まずはこれを覚えておいてください。元金100万円を金利10%で40年間「短利で」運用した場合は「500万円」ですが、「複利」で運用した場合は「4528.7万円」になります。
 
  • みなさんにまず覚えて置いていただきたいのは、「すぐに儲かる」「幸せになれることを保証する」「すぐ効果が出る」といったうまい話には、必ず裏があるということです。
 
  • 「一番の投資は”知識”であり、”知恵”である」とは、ユダヤ人に伝わる格言です。どんな理不尽な理由で土地やお金などの財産を奪われても、知恵だけは奪われない。その知恵をもとに、また資産を作っていくことができる。ユダヤ人たちは、歴史の中から、このことを学んできました。

 

 

ユダヤ格言

 

電球富は、土地と商品、現金との3つに分けて所有すべし

電球ノーペイン・ノーゲイン

電球穴の空いた船に乗ってはいけない

 

刺さる格言ばかりです。詳細は書籍をぜひ参照いただきたいです。

 

 最後に

 

著者の川口さんの実体験を時に引用しながら、ユダヤ式(しばしばユダヤ系欧米人という表現)の考え方を説明されており、とても読みやすい本でした。

 

また、単なる概念本にとどまらず、具体的な「お金の分け方」「ライフプランを100歳くらいまで書き出す」「投資信託で時間×複利×金利を使って増やす」「適した保険に入る」など、ファイナンシャルプランナーらしいアドバイスも詰まっていて実践にもつながります。

 

ユダヤ式の教育を施すことは、日本だと「意識高い系の人」と捉えられるということで終わってしまうかもしれません。それくらい、異なる概念です。

ただ、周囲に変わっていると思われるくらいの方が、結果的に成功する人が多いとも思います。

それは人とただ同じことをやっていても飛び抜けた成績を出すことは出来ず、新しいことも生み出せないからでしょう。

周囲に合わせないと馴染めなかったり、学生時代は孤立することもあるのではないかと懸念してしまいますが、仮にそうなったとしても(誰しも何かの拍子に孤立することは起き得る)「自分は自分、人は人」と割り切って強く生きることができる力をつけるべきと思います。

そんな人間の生存戦略を教えてくれる一冊です。

 

ぜひ、春の新生活時期に読んでみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

 書籍「世界一やさしいおうちゆるモンテッソーリ」をご紹介  

 

 

今日は教育に関する書籍についてご紹介致します。

 

 

書籍名:世界一やさしいおうちゆるモンテッソーリ

著者名:菅原陵子

発行年:2023年2月10日

 

おすすめ度:★★★★☆

 

(おすすめ度の基準)

★★★★★ ずっと本棚に残しておきたい

★★★★☆ 人に勧めたい

★★★☆☆ 読んで良かった

★★☆☆☆ 読んでも読まなくてもいい

★☆☆☆☆ 読む必要性は感じない

 

 TODAY'S
 
一言まとめ

子どもは大人と対等で尊厳を持った一人の「人」

子どもの意思を尊重しながら

親も一緒に成長していくのが良い

 

 

著者の菅原さんは2007年にモンテッソーリ教育に出会い、

その後、2万組の家庭をサポートしてきたプロフェッショナルです。

書籍のタイトルにある通り、ポイントは"ゆる"の部分で、

肩肘張らずに日々の生活の中で子も親も成長を楽しみましょう、という内容です。

 

 

教育の結果を知るのは数十年後・・・

うまくいくか、ばかりを気にするのが親のサガではありますが、

「うまくいく」の内容は人それぞれです。

現代でいうところの「成功」を基準に考えるしかありませんが、

「どんな世の中でも生き延びられる力」を身につけさせてあげたいものです。

 

親世代が体感していない教育方法を実践するためには学びしかありません。

体得していないものは他者から知恵をいただきましょう!

 

 

モンテッソーリ教育とは

 

20世紀初めに、

イタリア・ローマの精神科医マリア・モンテッソーリさんがはじめた教育法です。

 

モンテッソーリさんは「子どもの育つ力」に着目し、

①集中 ②敏感期 ③教具 というキーワードで教育法を確立しました。

 

この教育法を受けた人として近年注目されたのは、

 米国で「Googleの創業者であるラリー・ペイジとセルゲイ・ブリン、

 amazonの創業者であるジェフ・ベゾス、Microsoft創業者のビル・ゲイツ」

 日本で「藤井聡太棋士」ではないでしょうか。

 

このビッグネームを聞くと、「なんかすごそう!」「そんな賢い子に育って欲しい!」

とついつい思ってしまいますよね。

 

 

では、この素晴らしい教育に少しでも触れるためにも、

書籍からポイントをご紹介していきましょう。

 

なお、この書籍は「おうちモンテッソーリ」とある通り、

教具を専門的に扱うモンテッソーリ園のことにはほとんど触れられておらず、

モンテッソーリの知見がある方には物足りない内容かもしれません。

初歩を学ぶという気持ちでご覧ください。

 

(教具はDIYで作ったりするようなので、またいつか記事にするかもしれません。)

 

 

では今度こそ、モンテッソーリの世界へ参りましょう!

 

 

 求められる「賢さ」が親世代と変わっている

 

今の子育て世代というのは、高度成長期に育った親に育てられた、バブル経済全盛(1980年代後半)からその10〜15年の時代を過ごしています。

「生産性」という言葉に象徴されるように「何かが早くできること」が価値でした。

だからこそ「できること」をほめる対象としていました。

 

しかしながら、

 

【親世代=協調性 →言われたことをきちんとできる】

 

  から

 

【子どもたち=協働性 →お互いの違いを認めて生かし合う】

 

  にシフトしています。

 

まずこのことを胸に刻むことが大事です。

 モンテ流・大人の心得

 

書籍に収録されている、大人の心得12のうち、6つを紹介します。

 

 

1. 子どもに必要とされているときだけ、子どもとにかかわりましょう

2. 子どものいるところでもいないところでも、子どもの悪口はいってはいけません

3. 子どものよいところを見つけ、そこを強くしていきましょう

4. ものの正しい扱い方を教え、それらがいつもどこに置いてあるかを示しましょう

5. 子どもが環境と交流を始めるまでは積極的に関わり、

  交流が始まったら消極的になりましょう

6. 子どもの要求に対して、たとえそれができなくても、

  聞く耳はいつも持つようにしましょう

 

 

そもそも、子どもは"やり方を知らない"小さな人であることを心に留めます。

子どもは「できないのではなく、知らないだけ」

どんな子も、大人と対等で尊厳を持った一人の「人」なのです。

 

教育をする立場として、大人がまず学ぶところから始めないといけないといけません。

(書籍には12もの心得が収録されています!)

 敏感期を見極める

 

敏感期とは、子どもが特定の行動にこだわり、大人が止めても繰り返しする時期のこと。

例えば、歩き始めたくらいの子どもが、止めても止めても、箱が空っぽになるまでティッシュを出し続ける。といった行動をします。

 

これは、子どもが何かを得たい、発達したいと積極的になっている姿。

そして実際、子どもが伸びるポイントなのです。

 

しかしながら、この敏感期を見極めるのはなかなか難しく「敏感期とはこういう活動をすること」という先入観で子どもを見てしまい、数を数えたり絵本を読んだり「表面的に勉強らしく見えるもの」を探してしまいます。

 

ずっと座って何かをしていたとしても、実際は子どもは受け身になっていることもあり得ます。

 

敏感期を見つけたかったら快動を探せ、です。

 

子どもの目線から考えると、何かに夢中になっている子どもは必ず「快い状態」にあります。つまり、無心になるほどの快さを感じています。

だからこそ、何度も繰り返したり、ニコニコ笑っていたり、目が真剣だったりします。

 

つまりこのような動きを見出すために、大人にできることは、目の前の子どもをよく見ることしかありません。このときの「見る」は観察する、の「観る」の意味です。

 

どんなものをどう動かして、どうしているのかという視点で子どもを観ることで夢中になっていることが分かれば、子どもの興味にフィットしたものを環境として用意出来ていれば良いということになります。

 

 環境を整える

 

ここからは具体的なアクションをいくつか抜粋します。

 

・子どもサイズに作られた場で、子どもサイズの教具を、目的に合わせて整える

(教具の例としては、作中に「円柱さし」という太さや高さが少しずつ違う円柱を取り出し、ピッタリ穴に合う穴に戻すものなどが出てきます)

 

「自分の場所と時間が守られている」「ここでなら好きにしていいんだ」という場所があることを子どもが知っていて、そこで好きなことをする時間が、ある程度認められていることが大切です。

 

 

・大人は子どもに何度もやってみせる。大人のしていることを見て、子どもが学べるようにする

 

「自分でできるようになる」ためには何度でも、置き場所を案内したり、やってみせたりすること、あるいは一緒にしてあげることをいとわないことが大事です。

 

子どもたちにやって見せるときに、「ここだけは外しちゃダメ」なポイントは、「言葉と動作を分ける」こと。話すときは話だけをする。やってみせるときはやってみせるだけで、話はしない、ことです。

 

 

・大人は子どもが活動し始めたら見守り、だんだん離れていく

 

いまできないことは、「いま」できないだけ。ご自身にも、お子さんにもダメ出しをしないこと、カンペキを求めないようにすることも大事です。

 

 

 最後に

 

個人的には、子どもは大人と対等で尊厳を持った一人の「人」という言葉が胸に刺さりました。

親は、子を想うあまり、良いと(自分が)考える方向に向かっていくようコントロールする対象にしてしまうことがあるかもしれません。

 

しかしながら、子どもは自分自身で成長していく力を持っているので、それを親は阻害しないようにサポートする存在にしかなり得ないのでしょう。

 

モンテッソーリ教育は10歳までを想定しているため、あっという間に過ぎていくことと思いますので、その期間を子も親も楽しく健やかに過ごすべきですよね。

 

 

みなさまの何か参考になれば幸いです。

またよろしくお願いします。