書籍「世界一やさしいおうちゆるモンテッソーリ」をご紹介  

 

 

今日は教育に関する書籍についてご紹介致します。

 

 

書籍名:世界一やさしいおうちゆるモンテッソーリ

著者名:菅原陵子

発行年:2023年2月10日

 

おすすめ度:★★★★☆

 

(おすすめ度の基準)

★★★★★ ずっと本棚に残しておきたい

★★★★☆ 人に勧めたい

★★★☆☆ 読んで良かった

★★☆☆☆ 読んでも読まなくてもいい

★☆☆☆☆ 読む必要性は感じない

 

 TODAY'S
 
一言まとめ

子どもは大人と対等で尊厳を持った一人の「人」

子どもの意思を尊重しながら

親も一緒に成長していくのが良い

 

 

著者の菅原さんは2007年にモンテッソーリ教育に出会い、

その後、2万組の家庭をサポートしてきたプロフェッショナルです。

書籍のタイトルにある通り、ポイントは"ゆる"の部分で、

肩肘張らずに日々の生活の中で子も親も成長を楽しみましょう、という内容です。

 

 

教育の結果を知るのは数十年後・・・

うまくいくか、ばかりを気にするのが親のサガではありますが、

「うまくいく」の内容は人それぞれです。

現代でいうところの「成功」を基準に考えるしかありませんが、

「どんな世の中でも生き延びられる力」を身につけさせてあげたいものです。

 

親世代が体感していない教育方法を実践するためには学びしかありません。

体得していないものは他者から知恵をいただきましょう!

 

 

モンテッソーリ教育とは

 

20世紀初めに、

イタリア・ローマの精神科医マリア・モンテッソーリさんがはじめた教育法です。

 

モンテッソーリさんは「子どもの育つ力」に着目し、

①集中 ②敏感期 ③教具 というキーワードで教育法を確立しました。

 

この教育法を受けた人として近年注目されたのは、

 米国で「Googleの創業者であるラリー・ペイジとセルゲイ・ブリン、

 amazonの創業者であるジェフ・ベゾス、Microsoft創業者のビル・ゲイツ」

 日本で「藤井聡太棋士」ではないでしょうか。

 

このビッグネームを聞くと、「なんかすごそう!」「そんな賢い子に育って欲しい!」

とついつい思ってしまいますよね。

 

 

では、この素晴らしい教育に少しでも触れるためにも、

書籍からポイントをご紹介していきましょう。

 

なお、この書籍は「おうちモンテッソーリ」とある通り、

教具を専門的に扱うモンテッソーリ園のことにはほとんど触れられておらず、

モンテッソーリの知見がある方には物足りない内容かもしれません。

初歩を学ぶという気持ちでご覧ください。

 

(教具はDIYで作ったりするようなので、またいつか記事にするかもしれません。)

 

 

では今度こそ、モンテッソーリの世界へ参りましょう!

 

 

 求められる「賢さ」が親世代と変わっている

 

今の子育て世代というのは、高度成長期に育った親に育てられた、バブル経済全盛(1980年代後半)からその10〜15年の時代を過ごしています。

「生産性」という言葉に象徴されるように「何かが早くできること」が価値でした。

だからこそ「できること」をほめる対象としていました。

 

しかしながら、

 

【親世代=協調性 →言われたことをきちんとできる】

 

  から

 

【子どもたち=協働性 →お互いの違いを認めて生かし合う】

 

  にシフトしています。

 

まずこのことを胸に刻むことが大事です。

 モンテ流・大人の心得

 

書籍に収録されている、大人の心得12のうち、6つを紹介します。

 

 

1. 子どもに必要とされているときだけ、子どもとにかかわりましょう

2. 子どものいるところでもいないところでも、子どもの悪口はいってはいけません

3. 子どものよいところを見つけ、そこを強くしていきましょう

4. ものの正しい扱い方を教え、それらがいつもどこに置いてあるかを示しましょう

5. 子どもが環境と交流を始めるまでは積極的に関わり、

  交流が始まったら消極的になりましょう

6. 子どもの要求に対して、たとえそれができなくても、

  聞く耳はいつも持つようにしましょう

 

 

そもそも、子どもは"やり方を知らない"小さな人であることを心に留めます。

子どもは「できないのではなく、知らないだけ」

どんな子も、大人と対等で尊厳を持った一人の「人」なのです。

 

教育をする立場として、大人がまず学ぶところから始めないといけないといけません。

(書籍には12もの心得が収録されています!)

 敏感期を見極める

 

敏感期とは、子どもが特定の行動にこだわり、大人が止めても繰り返しする時期のこと。

例えば、歩き始めたくらいの子どもが、止めても止めても、箱が空っぽになるまでティッシュを出し続ける。といった行動をします。

 

これは、子どもが何かを得たい、発達したいと積極的になっている姿。

そして実際、子どもが伸びるポイントなのです。

 

しかしながら、この敏感期を見極めるのはなかなか難しく「敏感期とはこういう活動をすること」という先入観で子どもを見てしまい、数を数えたり絵本を読んだり「表面的に勉強らしく見えるもの」を探してしまいます。

 

ずっと座って何かをしていたとしても、実際は子どもは受け身になっていることもあり得ます。

 

敏感期を見つけたかったら快動を探せ、です。

 

子どもの目線から考えると、何かに夢中になっている子どもは必ず「快い状態」にあります。つまり、無心になるほどの快さを感じています。

だからこそ、何度も繰り返したり、ニコニコ笑っていたり、目が真剣だったりします。

 

つまりこのような動きを見出すために、大人にできることは、目の前の子どもをよく見ることしかありません。このときの「見る」は観察する、の「観る」の意味です。

 

どんなものをどう動かして、どうしているのかという視点で子どもを観ることで夢中になっていることが分かれば、子どもの興味にフィットしたものを環境として用意出来ていれば良いということになります。

 

 環境を整える

 

ここからは具体的なアクションをいくつか抜粋します。

 

・子どもサイズに作られた場で、子どもサイズの教具を、目的に合わせて整える

(教具の例としては、作中に「円柱さし」という太さや高さが少しずつ違う円柱を取り出し、ピッタリ穴に合う穴に戻すものなどが出てきます)

 

「自分の場所と時間が守られている」「ここでなら好きにしていいんだ」という場所があることを子どもが知っていて、そこで好きなことをする時間が、ある程度認められていることが大切です。

 

 

・大人は子どもに何度もやってみせる。大人のしていることを見て、子どもが学べるようにする

 

「自分でできるようになる」ためには何度でも、置き場所を案内したり、やってみせたりすること、あるいは一緒にしてあげることをいとわないことが大事です。

 

子どもたちにやって見せるときに、「ここだけは外しちゃダメ」なポイントは、「言葉と動作を分ける」こと。話すときは話だけをする。やってみせるときはやってみせるだけで、話はしない、ことです。

 

 

・大人は子どもが活動し始めたら見守り、だんだん離れていく

 

いまできないことは、「いま」できないだけ。ご自身にも、お子さんにもダメ出しをしないこと、カンペキを求めないようにすることも大事です。

 

 

 最後に

 

個人的には、子どもは大人と対等で尊厳を持った一人の「人」という言葉が胸に刺さりました。

親は、子を想うあまり、良いと(自分が)考える方向に向かっていくようコントロールする対象にしてしまうことがあるかもしれません。

 

しかしながら、子どもは自分自身で成長していく力を持っているので、それを親は阻害しないようにサポートする存在にしかなり得ないのでしょう。

 

モンテッソーリ教育は10歳までを想定しているため、あっという間に過ぎていくことと思いますので、その期間を子も親も楽しく健やかに過ごすべきですよね。

 

 

みなさまの何か参考になれば幸いです。

またよろしくお願いします。