新春浅草歌舞伎2024 第一部を観てきました。
お年玉〈年始ご挨拶〉 (←坂東巳之助さんでした)
一、「本朝廿四孝 十種香」
出演 八重垣姫:中村米吉 武田勝頼:中村橋之助 腰元濡衣:坂東新悟 白須賀六郎:中村種之助 原小文治:坂東巳之助 長尾謙信:中村歌昇
二、「与話情浮名横櫛 源氏店」 作:三世瀬川如皐
出演 切られ与三郎:中村隼人 妾お富:中村米吉 番頭藤八:市村橘太郎 蝙蝠の安五郎:尾上松也 和泉屋多左衛門:中村歌六
三、「神楽諷雲井曲毬 どんつく」
出演 荷持どんつく:坂東巳之助 親方鶴太夫:中村歌昇 太鼓打:中村種之助 大工:中村隼人 子守:中村莟玉 若旦那:中村橋之助 芸者:中村米吉 白酒売:坂東新悟 田舎侍:尾上松也
私は2017年に大阪松竹座で初めて歌舞伎を観たのですが、それ以来ずっと浅草新春歌舞伎を一度は観てみたいと思っていたので、今回ようやく夢がかなった感じです。(関西でこの顔ぶれを一度に拝見する機会は、あまりないですよね?)
↓その時の感想です
初めての歌舞伎 | Chovendo na roseira (ameblo.jp)
浅草公会堂の3階席からの眺めです。とっても観易い劇場ですね。
平日ですが、3階席までほぼ満席でした。
コロナ禍が落ち着き、今年から「年始のご挨拶」と、出演者全員総出演の場面が復活したとのこと。
ロビーには新春らしい羽子板や餅花が飾られて、まだまだお正月気分が味わえました。
「本朝廿四孝 十種香」 は人形浄瑠璃文楽で何度も観ています。大好きな演目です。
でも、最初は「奥庭狐火の段」が上演されないのでガッカリしていたのです。ところが幕が開いた途端、華やかで煌びやかな舞台に目を奪われ、麗しい勝頼様、可愛らしい八重垣姫、憂いを帯びた美貌の濡衣にうっとりとなってしまいました。
「与話情浮名横櫛 源氏店」は、一番楽しみしていた演目です。あの有名な作品を観られるのだとワクワク。
「いやさ、お富久しぶりだぁなぁ」のセリフは、子どものころから繰り返し聞いていたように思います。何故かな?と不思議に思ったのですが、春日八郎さんの「お富さん」って、歌舞伎そのままの歌謡曲だったんですね。この年になって知りました。
あどけなさと大胆さが同居する可憐なお姫様を演じていた米吉さんが「妾お富」を演じるのですが、なんとも艶っぽい美しさにビックリ。本当に同じ人?
切られ与三郎は中村隼人さん。真っ白でした。スラリとした長身で美しい立ち姿。はっきりした美貌。身を持ち崩したお坊ちゃまの隠しきれない品の良さ。
松也さん演じる蝙蝠の安五郎の、卑屈になってみせたり凄んでみせたりと、見た目も心がけも汚らしいこと。←褒めてます。
長い年月をかけて多くの役者によって磨き上げられたお芝居を魅せてもらえて、大満足な演目でした。
歌舞伎で神楽を見せてもらえるとは思っていなかったので意外でしたが、最後の演目「神楽諷雲井曲毬 どんつく」は楽しかった~。
毬を回す親方鶴太夫役の中村歌昇さんの真剣な表情がカッコよかったです。毬を落とした瞬間の苦笑いも。
終演後、後方席から「お父さん譲りの踊りの上手さだわね」という声が聞こえてきました。私には踊りの上手い拙いは分かりませんが、それが荷持どんつく役の坂東巳之助さんのことを言っているのは理解できました。
本当は第2幕も観たかった!
以前宝塚歌劇の日舞の発表会で北翔 海莉さんが流星を踊られたのを観たことがあり、流星を踊る中村種之助さんを観たかったのです。
流石にそれは無理なので、泣く泣く大阪に戻りましたが・・・。
浅草歌舞伎は若手歌舞伎俳優が大役を演じるという、宝塚歌劇でいうところの新人公演な感じなのでしょうか?これまで出演されていた俳優さんのほとんどが、今回浅草新春歌舞伎を卒業されるそうですね。なんとか間に合ってよかったと思いました。
今回もイヤホンガイドのお世話になっての観劇でした。
お正月気分で小冊子とガイドと出演者のコメントをオンラインで聞けるセットを購入。ちょっと価格が高いかな?とは思ったのですが、帰宅後も舞台を思い出しながらコメントを聴くというのも楽しみが長く続くきがして、購入して正解だったのかも?
特に坂東新悟さんの端正な舞台姿を連想するような、まるでNHKのアナウンサーのような、見事なお話しぶりに聴き惚れてしまいました。