半年弱位前にDarkglass microtubes infinityを購入しました。
ある程度慣れてきて、使用感をレビュー可能な位にはなってきたので、今一度纏めてみようと思います。
購入の経緯としては、
・microtubes xシリーズの音を試してみたい
・移動時に沢山エフェクターを持ち歩くのは大変なので、1台で完結するならこの機材へ移行を検討したい
上記が主な理由となります。
しかし、購入を思い留まっていたのも事実で、
・収録時は"キャビシミュを通さない音"と"通した音"を用途に応じてミックスして使用していたが、個別で出力可能か不明
・既にmicrotubes 900を所持しており、導入する上でインパクトが薄い
・多岐に渡る機能を載せた結果、プログラマブルスイッチャーである事も相まって価格がペダル最高額の9万弱
この様な事情により、販売開始後1年程は購入を見送っていましたが、Darkglassから様々な事を教わった身としては、見逃す事など出来ず、思い切って買ってしまいました。
(本体が想定より大きく、ボードへ納めるのも一苦労...)
PCやスマホ上で操作するアプリ"Darkglass Suite"はelement使用時に予めダウンロードしていた為、今回は付属のUSBケーブルに接続するだけで使用出来ました。
認識も問題ありません、ただし一点だけ問題が...(後述)
当然ながらelementより多機能なので、編集可能な項目もかなり多いです。
1. SIGNAL CHAIN
このページはelementとほぼ変わりません。
elementではその他プリアンプと併用する事を想定してパワーアンプの設定が出来ましたが、infinityでは出来ません。
逆に言えば、このページに於けるelementとの相違点はこの要素のみであり、他のペダルやアンプをメインとして使用するユーザーはelementで十分かも知れません。
Darkglassのキャビネットは勿論の事、○npegや○WR、○range、アップデートで○arkbassや○gular、○race ○riotが追加されています。
マイクも有名ドコロのマイクを網羅しており、セッティング位置や角度を編集可能です。
2.DSP PRESETS
このページからがinifinityを始めとしたプログラマブルスイッチャーシリーズが編集可能な領域となります。
(一部infinityのみ編集可能な箇所有)
・Active、Passiveモードの変更
・B3Kやvintage microtubesで存在したgrunt、mid boostスイッチのon/off
・キャビネットシミュレーションをかける箇所を変更(2パターン)
・compのかかり具合
・Xシリーズで編集可能なマルチバンドイコライジングの調整
・グラフィックイコライザーのon/off
B3Kやvintage microtubes等のペダル上で存在していたスイッチ等の要素を全て編集可能です。
限りあるツマミ類の関係上、どれかの機能を削除すると思っていたのですが、アプリ上で編集する形へ仕様変更する事により、この問題を解決しています。
私にとってはかなり嬉しい要素です。
3. SETTINGS
このページではデバイスの設定が可能です。
・LEDライトの明度変更
・midiを使用するユーザー向けのルーティング編集
・検知するデバイス名の変更
・outputから出す音の編集
特にoutputから出す音の編集は革新的であり、
・全てのエフェクトを通した音
・キャビネットシミュレーションを通さない音
・キャビネットシミュレーションを通した音
・全てをバイパスした音
これらを
・XLR out
・Balanced right out
・Baanced left out
3出力からそれぞれ選択可能です。
上記により、私が今迄想定していた「収録時は"キャビシミュを通さない音"と"通した音"を用途に応じてミックス」が可能と判明しました。
オーディオインターフェイス上で各出力毎にgainを調整し、クリーンや歪みのかけ具合に応じて音作りをしています。
・microtubes B3K
・vintage microtubes
・X
既存3ペダルの機能に加え、
・alpha omega ultraから導入されたフェーダー式のイコライジング
・elementと同等のキャビネットシミュレーション機能
・最大3個迄プリセットを登録可能
・チューナー
等、Darkglassの集大成とも言える機能盛りだくさんのペダルとなっています。
肝心の音についてですが、触って聴いた感じでは実機とほぼ変わりません。
唯一、独特のチューブっぽさと言うか、温かい感じの音はmicrotubes 900+elementに敵いません。
しかし、あくまで好みの範疇であって、infinityの音が刺さる人が居るのも確かです。
実際、外へ持ち出す際にinfinityのみで行けるのは非常に楽です。
現在、部屋で使用する際はmicrotubes 900やelementとinfinityを併用しており、
・X系統の歪みを使用
・後段で薄くコンプをかけて音の最終調整
上記の目的でエフェクトをonにしている感じです。
このペダルのみで完結可能な方も多いと思うので、高い買い物ですが、思い切って購入して快適な機材ライフを送って頂きたいものです。
追記
どうやらウチのオーディオインターフェイス"MOTU M6"とDarkglass Suiteの相性が良くないようで、onにすると「10秒位MOTUの接続が切れた後、復帰する」という事象が毎回発生しています。
他にも多数のUSB機器を接続しているので、其方の兼ね合いもあるとは思われますが、キーボードやマウスの接続も一緒に切れる為、此処だけは本当に不可解な限りです...
元々MOTUはWindows環境とあまり相性が良くありませんが、うーん...