「すみれの花咲く頃」といえば宝塚歌劇団の愛唱歌であり、なるほど、野に咲くスミレは可憐にして清楚。
かの牧野富太郎博士も佳(よ)い名で感ずる」と。
博士随筆「スミレ談義」を「そつ語源をされば、美名知れば傷つけられるような気がしてならない」として続け、スミレとは大工の使う空斗(スミレの形)から来た名であると解説している。
身も蓋もない語源はさておき、愛唱歌はフランス語の言語では「白いリラ」だったのだが、「スミレ」に置き換えて歌われている。スミレでなければこれほど広く親しまわれなかったであろう。 番茶