=第31話「家族で闘病生活」=
余命1年の宣告を受けてから、ぐれおじさんは毎日病院に点滴を打ちに行きました。
おかげで数値も下がってきたのですが、正常値まではいかず
「このあたりが下げ止まりでしょう。いよいよ、自宅で点滴をしてみますか」
というお医者さんのアドバイスにより、自宅での点滴生活がはじまりました。
まずは病院で練習。
刺す係と保定する係が必要で、特に保定係がしっかり押さえておかないと、突然動いて針が抜けたり、運悪く自分に刺さってしまったりするそうです。
針を刺すところも場所によって痛みも違ったり、うまく刺さらないと液がもれたり。
刺し直しになると
「ぐれおじさん、ごめんねぇ」
と言いながら頑張りました。
そして、我が家での点滴生活。
Yuさんにも来てもらったりしながら、毎日点滴を打ち続けました。
ぐれおじさんもだんだんと察知するようになり、準備を始めると隠れたりしていました。
刺すところが悪いと、凄い力で反発したり。
「まだそんな力があるなら大丈夫だね」
なんて言いながらやり直し。
1回の点滴にかなりの時間を要しましたが、この点滴が命を繋ぐんだと、毎日続けました。
ほかの猫達も興味津々に見に来たりしていましたが
「見守ってなさいね」
なんて言いながら、家族全員での闘病生活でした。
ちょうど僕も会社を辞める前の有給消化に入っていたので、ぐれおじさんに付きっきりになることが出来ました。
点滴とたまに検査で病院通い。
今までで一番ぐれおじさんと触れ合った一時かもしれません。
僕の胸の上でくつろぐぐれおじさんを撫でるのは、僕の1番安らげる時間になりました。
でも、ぐれおじさんの体重は少しずつ落ちてきてしまったのでした。
第31話 完
またね。