司法書士渡邉親(ちかし)のブログ -4ページ目

一筆の土地の一部の売買

一筆の土地とは、登記簿上、一個の土地であるとされている

ものを言います。

では、その一筆の土地の一部を売却することは出来るのでしょうか?

答えは、可能です。

移転する部分が図面などで確定している限りにおいては、

物権としての明確性があるからです。

売買は有効なので、売主買主の当事者間では、所有権を主張できます。


しかし、このままでは、登記が出来ません。

登記していないと、第三者に対抗することが出来ません。

つまり、この土地に対して、第三者(二重買受人や差押権者等)が

出現した場合に、買主に不利益が生じます。

なので、実際は、一筆の土地を分筆登記して、新たに地番がついた

土地を移転登記することになります。

保証書で登記できる?

抵当権設定登記をするには、原則として、所有者の権利証が必要

になります。

しかし、所有者は権利証を持っていませんでした。

その代り、以前、別件で抵当権性登記をした際の保証書を持って

おられました。

この保証書を権利証の代わりとして、登記することが出来るのでしょうか?

ちなみに保証書とは、平成17年の不動産登記法改正以前までに使われていた

もので、権利証がない場合に、人違いのないことを保証して、登記を完了

させていたものです。


答えは、再度の抵当権設定の際に、保証書を使用して(権利証の代用)、

登記をすることができます。

その人が名義人であることを保証しているからです。

また、債務者の変更登記にも、権利証が必要になりますが、

この登記も保証書で代用できます。

一方、所有権を移転する際には、保証書は使えません。

抵当権設定の範囲でしか、保証は及んでいないからです。






住宅供給公社の買戻特約の抹消

売買と同時に、売主が不動産を買い戻すことができるように、

特約をすることがあります。

これを買戻しの特約といいます。登記すれば第三者対抗力も

備えます。

では、買戻し期間満了などにより、買戻特約の登記を抹消する場合、

買戻権者(売買の売主)の必要書類にはいかなるものが、

あるのでしょうか?

この点、通常最低でも、買戻権者の、①買戻特約の登記済証・登記識別情報

(いわゆる権利証と言われるものです)と②印鑑証明書が必要に

なります。


では、買戻権者が都道府県の住宅供給公社である場合はどうでしょうか?

この点、先の①権利証及び②印鑑証明書は不要になります。

単に、住宅供給公社に、登記原因証明情報と委任状に押印してもらえば

足ります。

なぜかというと、住宅供給公社は官公署にあたり(準じるかもしれませんが・・・)

嘱託登記で処理できるからです。

結構、住宅供給公社は買戻特約を登記しておりますので、

比較的簡単に抹消登記ができることはうれしいものです。