◎カンセイの法則『イッコクを争う人たち』大阪市立芸術創造館

 

2018年1月21日(日)12時~(約120分)


【説明】

その時代、世界中の海には「海賊」と呼ばれる輩が存在した・・・。
あまたの海賊たちは、我こそが「海賊王」だと称し、「伝説の宝」を手に入れる為に、
昼夜問わず戦いに明け暮れ、その物語の結末は世界中の人々の関心を集めていたのだった。
そんな海賊全盛期だからこそ、その同時代に、もう一つの「伝説の宝」を手に入れる為、
酔狂なトレジャーハンター「砂漠族(通称・砂族)」が繰り広げたある物語の事を知る者は数少ない。


今回のお話は「もう一つの伝説の宝」を手に入れようとする者、それを阻止しようとする者、
そして、その結末を見届けようとする者たちの、長い年月、ひっそりと語り継がれた物語です。

(「http://stage.corich.jp/stage/87682」よりフライヤーや説明を引用)

 

【キャスト】

イラーナ:平本真弓
コハク:はまべゆかり

フリア:Pko☆"(StreetdanceActMe:jin〜微塵〜) 
リタ:奈津川みき(よしもとクリエイティブエージェンシー)


ミレーラ:平本茜子
セシリア:中北芽衣(amo)
アナベル:Nami(amo)
ロラ:Zukie(amo)


ディータ:井路端健一(演劇集団ザ・ブロードキャストショウ)


ハス:田中之尚

バヤル:森陽平
ナラ:塩竈葵
ゲゲン:中山佳祐


ナフィーサ:曽木亜古弥(アコヤの木)
パリル:小澤美代(himanekostyle)
ラニア:よしひろ葵(舞夢プロ)

サリーマ:米澤愛


ランベルト:升田祐次(游人A)
ベルナ―:山本裕晃
ルドルフ:森口裕貴


イタク:松田岳

 

【劇中用語説明】
レスク・・・砂漠の王の呼び名
砂族・・・宝を探し求めるトレジャーハンターから派生した武装集団
ウルティモ・ティエンダ・・・砂族が集う酒場の名称。踊り子達の踊りは有名で,毎晩賑わっている。
シュンルー・・・砂漠に住む人々から一般的に親しまれている酒。現代で言うビールのようなもの。
ゴバリ・・・シュンルーよりもさらにアルコール度数が高い蒸留酒。現代で言うテキーラのようなもの。

ウルティモ・リクロ・・・世界中にある様々な酒の中でも最高急な代物。ある地方でしか採取できないブドウを使用している酒。現代で言うブランデーのようなもの。
ラジスク・・・超高級料理。砂漠では滅多に手に入らない,生後間もない兎を食材として使用している為,  高く,その味は砂族達をうならせるほどの絶品だという。

換金所・・・砂族がウルティモ・ティエンダに行く前に,自分達の武器を預ける場所。

リズラ族・・・砂族だけでなく,様々な地域の荒くれどもと抗争を繰り返す超武闘集団。その構成員は千を軽く超え,人々に恐れられている。

 

【舞台美術】

 

 

(「https://twitter.com/kanseinohousoku/status/954532799972720640」「https://twitter.com/kanseinohousoku/status/953839368275353600」 より写真を引用)

 

【あらすじ】
酒場で3人の踊り子のダンスが終わった直後〔であろう場面〕から物語は始まる。舞台中央上段に踊り子たち3人-セシリア(中北芽衣)・アナベル(Nami)・ロラ(Zukie)かな?-,舞台左側上段には酒場のカウンター。店のママや店のものたちがいる。左側下段には東の砂族のハス(田中之尚)・バヤル(森陽平)・ナラ(塩竈葵)・ゲゲン(中山佳祐)の4人が席をしめ,右側下段には元軍人のランベルト(升田祐次)・ベルナ―(山本裕晃)・ルドルフ(森口裕貴)たち3人が机を囲んでいる。右上段には〔女ばかりの砂族なのかな?〕ナフィーサ(曽木亜古弥)・パリル(小澤美代)・ラニア(よしひろ葵)・サリーマ(米澤愛)ら4人がいる。


各集団の構成員の口の訊き方等で一触即発になることも度々あったが酒場のママのイラーナ(平本真弓)や店の者の機転で事なきを得る。ママも「男はバカ」という発言をしたのかな。ランベルトがそれにかみつき「男は馬鹿だと言う発言を訂正してもらおう」と強く求める。これも確か店員のコハク(はまべゆかり)が「後から上でいいいことしてあげる♡」とか言ってなだめたはず。ハスとランベルトがシュンルーやゴバリの一気飲み対決をしたりコハクがランベルトにラジスクをねだって注文すると部下のベルナ―・ルドルフも自分達も食べたいと言って注文したりもしていた。


メインの踊り子であるのミレーラ(平本茜子)が登場。口上で「旅をしている想い人が無事で帰ってくるように」としめやかな口調で言う。そこへちょうどその想い人ディータ(井路端健一)が旅から帰ってくる。人目もはばからず喜ぶミレーラ。そこに砂漠の王レスクを訪ねてイタク(松田岳)という男の子が酒場にやって来る。「砂漠の王レスク」という言葉を聞いて静まり返る酒場。ランベルト・ナフィーサ・ハスは「自分こそが砂漠の王レスクだ」と名乗る。砂漠の王は一人,その名を名乗るのは3人。イラーナは「御代はいいから閉店にする」と言ってみんなを追い出す。イタクだけが残る。「行き場所がない」というイタクにイラーナは水を持ってこさせ「なぜ砂漠の王レスクを訪ねているのか?」と話を聞く。イタクはレスクは何でも願いを叶えてくれると聞いてレスクを探しているらしい。イラーナは「願いを聞いてくれるのはレスクじゃなくて伝説の宝だよ」と言う。「宝の場所を知っているんですか?」というイタクをいなすイラーナ。結局イタクは店の手伝いをすることで酒場に泊まることになったようである。


そのころミレーラは半年ぶりに帰ってきたディータと一緒にいた。旅の話を聞いていたミレーラだったが途中で不機嫌になる。ディータは困ってしまうが不機嫌の原因がディータがミレーラに手紙を出さなかったから,とわかってディータは北のリズラ族に捕まって手紙を出せなかったことを口を滑らせて言ってしまう。それを聞いて「まぁあの北のリズラ族に?手紙なんていいのよ」とディータの身を案じるミレーラ。ディータの話によるとディータのことを調べていた砂族に助け出されたらしい。ただそれまでの調査を記録した手帳を砂族に取られてしまったとのこと。「せっかく苦労して調査したのに」というミレーラに「手帳の内容は覚えているから大丈夫」というディータ。ミレーラはディータにベタぼれの様子。


その頃酒場を出た東の砂族は換金所に預けていた刀を取り返し帰宅の途次についていた。ハスが「刀がすり替えられていないか調べておけ」の言葉でみんな刀身を抜いて確認している。東の砂族の刀はそれそのものも価値のあるものらしい。彼らの会話から酒場にはイラーナの意向で武器を携行できず換金所で預けることになっているようだ。「俺らはバカ正直に預けているが他の奴らはどうかわからない」なんて言っている。「村は夏(冬?)を越せない」という言葉も。


同じく酒場を出た女砂族たちはラニアと が過去にナフィーサやパリルに戦いを挑んできた昔話をしている。その頃ナフィーサは強すぎて向かってくるものもいず砂漠の王になることも忘れて飽き飽きしていたころだったらしい。ナフィーサはラニア達を14回目に負かしたときに仲間にしようと思ったと言う。パリルは12回目に思ったとか話している。


どっちかの集団の後をつけるフードを被った男がこのあと登場したはず。


次の日 達が酒場の開店準備をしているとミレーラを探してディータが酒場にやって来る。ミレーラが酒場にいないと知って勝手に酒を飲んでいる。イラーナも朝から出て行って酒場にはいないらしい。ナフィーサ達も酒場にやって来る。開店には早いがディータが飲んでいるからと酒場に居座ってしまう。酒場の裏に行っていたコハク?が「ミレーラが大変なことになっている」と呼びに来る。


その頃イラーナはランベルトたちに拉致され尋問されていた。闇商人のところにラジスクの材料を買いに行くときに後をつけられ攫われたらしい。ランベルトは「イマジネーションムーンについて聞きたい」と言う。イラーナは「ムーン?月なのかい?そんなものは聞いたことがない」と言う。ランベルトは「部下たちは諜報の専門家であるとともに拷問のプロだ」とイラーナを脅す。イラーナはあくまで「知らないものを答えられない」と答える。ランベルトの指示で部下のベルナ―・ルドルフが外に出て行く。ランベルトも「ここであったことは秘密に。酒場でも私たちに普通に接してください」と言って釈放しそうになる。「拷問もできない根性無しが」とあざ笑うイラーナにランベルトは「誰があなたを拷問すると言いました」と言う。「あなたの娘さんを拷問する」と言うランベルトに最初はイラーナは「私には娘がいない」と言っていたがランベルトが出て行こうとするに至ってランベルトにすがって「お願い。知っていることは話すから娘には手を出さないで」と懇願する。


一方酒場ではミレーラは麻袋を頭から被せられて荷馬車の中に放置されていたものの何とか無事で救出された。酒場には店の者とディータとナフィーサ一派がいる。ディータが言うにはもう一度荷馬車の中を調べると刀に着ける刀飾りが落ちていたらしい。特殊な石に組みひもが付いていてこの辺では珍しいものだそうだ。ナフィーサは「この一件は私に任せてほしい」と言う。


ランベルトたちがハスたちが酒場に来るのを待ち伏せしている。ハスたちがやって来るとランベルトはハスたちが伝説のもう一つの宝を追っている理由を聞く。もし伝説の宝から手を引いてくれたら一国の王にしてやるとも言っている。ハスたちの願いは「寒冷地でも育つ農作物の種を手に入れること」。それを聞いたランベルトは「やはりそうか」と言って寒冷地でも育つ農作物の種を渡す。諜報活動によって恐らくそうだろうと分かっていたらしい。取引が成立する。ハス達は宝探しから手を引くことに。ハスは「後から酒を奢ってやる」とランベルト達に言って去る。ハス達が去った後ディータが現れランベルト達と話す。ディータは自分は国から認定されているトレジャーハンターだと言っている。ランベルトたちはクーデターで国を追い出され地下に潜んでいるそうだが。。彼らが去った後その後ろをつけているイタク。


酒場。左側下段にはナフィーサら4人が右側下段にはハスら4人が座っている。ミレーラ達のダンスが終わる。ランベルトたちがその直後に来店する。ラニア達が「刀飾りが床に落ちていた」と言って店の者に「誰の?」と訊いている。店の者は「私たちの物ではないね。でも掃除をしたときにはなかったからこの場にいる人のものじゃないかしら」と言っている。ラニア達はランベルト達にも訊きに行く。ランベルト達「我々のものではない」と。ラニア達は「高いものらしいから売ろうかな」なんて言ってる。ハス達にも訊く。どうも刀飾りはハス達の部族の土地で取れる石が使われているらしい。ハス達3人は「自分のものでは無い」と言うが部下の一人の飾り紐に似ていることがわかる。ラニア達はハスの部下達にナイフを突きつけ「これはどういうわけだい?話してもらおうじゃないか」と言う。イラーナは「武器の持ち込みは禁止よ。この地から出て行って」と言う。ナフィーサは「この件にケリがついたら出て行くさ」と答える。イラーナはランベルトに「ハスたちとも組んでるのね」と。疑われ窮地に陥ったはずのハスだがしばらく刀飾りを見つめるとラニア達に「ナイフを貸せ」と言ってナイフを借り「刀飾りの石は先祖代々家に伝えられる。それができるのは硬くて傷がつかないからだ」と言ってナイフで刀飾りに附いた石を砕く。石は砕けた。しばらくの静寂の後ナフィーサは立ち上がりディータに「骨のある男がここにいたわね」と言って去る。ハスたちも去る。ランベルト達に奢ると言っていたが高額過ぎて払えない。ランベルトたちに「どうせ宝を手に入れたら大金持ちだ。奢ってくれ」と言って出て行く。


ディータはランベルト達と店の者だけが酒場に残るといきなり偉そうになり左側の席に座ると他の椅子に足を乗せたはず。ランベルト達はミレーラを拉致していないと言う。誰がミレーラを拉致したのか?ランベルトたちはディータがリズラ族の頭であることを暴露する。ディータはイラーナと言う名前が北の言葉では「宝の場所のカギ」という意味だったことから偶然にしては出来過ぎだと考えイラーナに近づいたと言う。しかしイラーナのガードが固いのでミレーラに近づいたと告白。「お前なんか好きでもないんだ」とひどいことをミレーラに言う。ディータはミレーラに愛などこれっぽっちも抱いてはいなかったのだ。多分知りすぎたことで酒場の者は消される運命にあるのだろう。ミレーラは悲しみの中「最後にダンスを踊りたい」と言って踊る。イラーナも「最も高価な酒であるウルティモ・リクロを飲んだことがないだろう?」とディータとランベルト達4人にふるまう。ミレーラのダンスが終わった時には4人とも眠りこけていた。


翌日酒場の開店前。ミレーラが帰ってきてハスッパな口調で「あの闇商人と取引するのやめた方が良いよ」と言っている。なんでも4人の死体を処分するのに高く吹っかけられたらしい。ミレーラの拉致事件はディータが本当にミレーラが好きなのかを試すための酒場の者たちの自作自演だったのだ。イタクもディータの弟と偽ってディータの手帳をディータの泊まっていた旅館からちゃっかり手に入れている。イタクはディータのメモをイラーナに渡す。イラーナは「中身を見たのかい?」とイタクに訊く。「見ていない」と答えるイタク。笑う店の者たち。「手帳の中身はあんたの知りたがっている伝説の宝についての記録なのに」と。イタクは悔しそうな顔をする。それを見ていたイラーナはイタクに手帳を渡す。イラーナはイタクに「あんたが砂漠の王なら世界は平和なのにねえ」と言う。


【感想】

カンセイの法則本公演初観劇。2014年4月のS・S・O以来ようやく観れました。

 

出だしは男性役者の方が声が出ていて女性役者の方が台詞が聞き取りにくかったですね。


升田祐次さん劇団ショウダウン以来冷徹な『銀河英雄伝説』のオーベルシュタインみたいな役

 

平本真弓さん


平本茜子さんはこの方が高名な平本さんか魅力的と言うか変わり方が良かった


井路端健一さん

 

曽木亜古弥さん


小澤美代さんは今まで拝見した中では一番好きかも。


執筆者【観劇妖怪】自己紹介
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