需要と供給 3 | 芸能の世界とマネジメント

芸能の世界とマネジメント

芸能界、芸能人のために論じます。

需要と供給の両方を同時に考えてみようとする企画であります。本稿のタイトルであるならば通常は需給曲線の話からはいり、関数計算に入っていくのですが、例えばy=ax+bなる消費行動にかんする関数がある場合のゴールデンクロスした点の意味を考えてみようとなってきます。中学や高校の数学と違うのは、例えば定数aの値などを求めるところに意味を求めないところです。先に結果があり、その結果を数学にて解明するところに面白みがあります。音楽などで応用すると、倍音の出方と聞こえ方を矯正していくために、測定時の倍音の出方を微積分にて出してみるなどです。

 

関数は不思議なことに、数値を自分の財布に入っている貨幣の額として考えると驚くほどよくわかってきます。つまり、自分で努力してためたお金で企業を運用しだすと、これまで信じられないほどに関数が理解できるようになり、その意味で、数学教育はもっと現実的な話から入っていくべきではないのかと思っております。

 

話はそれましたが、商売をするときのことを考えますと、様々な邪魔者が影響し、物が売れていくときの条件が変わってゆきます。今でも紙媒体の出版物で行われる方法のほんの一例を紹介しますと、ある本を紙媒体として1万部作ることにしました。その時、1万部の全てが書店に陳列されるわけではなく、2千部ほどは自費購入し献本などにあて、3千部ほどを知人と友人に売りさばき、残りの5千部を書店に陳列する方法などがあります。こうすると、書店に並んだ時点で「5千部が売れているベストセラー!」などのキャッチをつけることでき、これを呼び水にして売れ行きが伸び、重版してゆき、最終的に10万部がうれた「超ベストセラー!!」となっていく例です。

 

需給関係の入門編にてこのような非常に現実的なビジネスの方法にて説明したところで意味はないと思いますから、このような現実的なビジネスでの話はこのシリーズを終えてから本格的に取り組んでいこうと思っております。先んず、このような様々な邪魔者がない状況、もっといえば、人間の心の欲望しか存在しない状況を想定し、需給関係を述べてみようと思います。また、モノを貨幣と交換する場所としてマーケットを想定します。それはフリーマーケットのような場所を想定していただくと、何となくではあるでしょうけど、需給関係の初歩を想像できやすいかと思います。

 

では、ある供給者が古新聞(朝刊、しかも一部)を200円で売ろうとしています。まとめて買うとなんぼや?という話もあるでしょうけど、ここでは値引きはなく、あくまでも一部200円の古新聞です。古新聞を一部で200円もとるとは、それは詐欺ではなかろうか?なる声も聞こえてきます。詐欺は古新聞を本日版の新聞として売ると詐欺ですが、古新聞として売ることに詐欺罪は適応できません。ですから合法です。しかも使い終わった新聞ですからどのような価格で売ろうが供給者の勝手です。極端な話、価値ある過去の号外は高額で取引されますよね?そういうことです。しかしながら、ここでは価値ある古新聞ではなく、一般的ないわゆる古新聞です。とてもお金を支払って買うものではありません。

 

ではなぜ供給者はそのような古新聞を200円で売ろうとするのかであります。理由は様々だと思います。一番簡単なのは供給者はマーケットを知らないということです。無知ゆえに無謀とも思われる戦術で戦っていると考えることです。もう一つは、かなりの戦術を盛り込み、古新聞に高額な価格をつけていると考えることです。最後はこの両極のあいだをとることです。さて、どうなのでしょうか?

 

これがもし売れるとすると、需給曲線のゴールデンクロスするところは販売部数に関係なく200円地点となり、夢のような商売となりますね!むしろ、単価を上げて部数の伸びを計測してみたいところですが、それでも部数に変化がなき場合、とんでもなく夢のある商売であるように思えます。

 

需給関係はこのように考えると、本来は妄想だけでも楽しめるものであります。ここに様々な要因が重なることにより話がややこしくなっていきます。まずは本事例のように、意味のなさそうなところに意味を見つけていくことに慣れていってもらえばと思います。

 

ご高覧、ありがとうございました。