需要を考える 序論5 | 芸能の世界とマネジメント

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前稿では供給が需要を生む現象にかんして、その事例を見ました。需要なるものは需要が見えている場合は簡単でありますが、需要が不透明となると判断することが難しく、ゆえに正確な需要を求めようと企業は努力するのですが、それでも難しいのが現状であります。経済学ではこの見えない需要のことを有効需要と称して概念化しておりますが、この有効需要がわかれば問題ないのですが、わからないところに概念としての限界がありまして、有効需要を見極めろ!!と指令が下ったところで「どうやって?」となるのが常であり、ここに心理学的な接近が必要となりますが、稿を改めます。

 

この有効需要をうまく見つけ出した例がコンビニのおにぎりでありまして、有効需要なるものは雲隠れしていて見えないですから供給側が仕掛けていくしかなく、しかし、間違えば大変なことになるのでこの方法は事業計画を作成することに多大な時間が発生し、それだけの時間を使っても結局のところ計画が中止となる場合も多く、私としてはこの問題が解決できればそれだけでも働き方改革はもっと大きく成功するのではなかろうかと思っております。

 

いろいろと述べてまいりましたが、供給が需要を呼ぶ経済の場合、そもそも需要の判断が非常に難しいので、需給バランを予測することが難しく、こうなると価格の設定までもが「あくまでも予測の範囲内」という状況が続いてしまいます。これは例えばここ数年は恵方巻の廃棄の問題が社会現象となっておりますが、経済学的に考えると当然のことで、需要があることはわかっていても実際に顧客がいくつ購入するかどうかについてはわからないのです。つまり、有効需要の詳細について判断がつかない故に過剰に生産することになります。この点は本当に難しいことでありまして、全てがコンビのツナマヨネーズのおにぎりのようには事が運ばないのです。需要曲線と供給曲線という経済学の基本的な図を考えてみると、実際に売れた数と生産数という過去の実績をもとにするしかなく、ゴールデンクロスした部分にて価格が決定されるとなりますが、それが明日の価格と供給量にそのまま反映してもよいかというと、現在の企業人の方々は怖くてできないのではないでしょうか。価格の決定については損益分岐点を利用して考える方法もありますので、興味のある方はアカウンティングの教科書も是非ともご一読ください。

 

経済については様々な考え方がありますが、やはりモノを作ってそれを販売し、顧客が購入するという一連の流れを無視するわけにはいきません。この供給側の企業と需要側の顧客を分離して考えだすと間違いが起こりやすくなるのでないかと思います。需要のことだけを考えるとか供給のことだけを考えるのでは危険であります。売る人がいるから買う人がいる、そしてのこの逆のことがあるわけで、需要と供給は常に表裏一体でありますから、同時並行的に考えていけば需要とは何か?とか供給とは何か?について何らかの答えを導くことは可能となるのではないでしょうか。

 

しかしながら、需要は有効需要とに分割されているように、半分は理解できるがもう半分は理解できない概念であります。その理解できない半分の部分を本シリーズにおいて探っていく予定です。わからないから苦しいのではなく、わからないから「面白い!」を目指していこうと思います。現代における日本の教育はどういわけか「白か黒か」をきっちりとさせようとする教育でありますが、社会に出るとその逆の現象と向き合っていかねばならず、わからないことをわからないまま事を進めるという楽天的な思考も必要だと思いますので、今回の需要のシリーズでは前回の供給のシリーズで行ったような一貫性を追い求める方法ではなく、もっと気楽なものにしようと考えております。これも需要という性質があるがゆえに行えることであり、この部分を大切にしていこうと考えております。

 

次回をお楽しみに。ご高覧、ありがとうございました。