前回の更新が7月20日でありまして、10日以上の間隔となってしまい、申し訳ございません。その間に他のブログの更新を優先させなければならず、こちらのブログにまで手が回りませんでした。更新を楽しみに待っていいてくださる読者の皆様方には大変申し訳ございませんでした。
前回は個人的無意識との関連から異性が異性を見た時にどのようになるかを吟味いたしました。そこで明らかとなったことは、普遍的無意識からのイメージではアニマ・アニムスの関係しか出てこないのですが、例えば、男性が女性を見た時に女性と認識できるのは普遍的無意識の中にアニマ像が存在するからであり、これが無ければ相手の性別の認識ができません。それからもわかるように、普遍的無意識というのは世界共通であるということです。人間には先天的に世界共通の認識が既に備わっているわけですから、そこをポイントとして抑えることにより、世界を相手に芸能活動ができるのではないというのが深層心理学を援用した経営戦略論を展開している私の主張でありますが、ここまではご理解いただけているでしょうか。
次に問題となるのは、個人的無意識の問題です。人間に普遍的無意識という無意識しか存在しないと仮定すると、男性が日本人の女性を見ようとイギリス人の女性を見ようと、中東の女性をみようと、どれも「女性」としか認識できません。そこには、「きれいだ」とか、「好みだ」などという形容表現が存在しないくなります。しかしながら実際には、ある人物が異性を見た瞬間に何らかの感情表現が発生し、そこにある種の型ができてきます。それは例えば、「きれい系」とか「草食系」などと最近では表現されておりますが、そのような表現はどこからくるかというと、「個人的無意識」であります。この件については下記論文を参照していただき、それこそ共通の認識を持っていただきますよう、お願いします。
※ 魅力、個性化、そして差別化における深層心理学的接近(深層心理学的差別化戦略 4 見た目の問題)
※ 魅力、個性化、そして差別化における深層心理学的接近(深層心理学的差別化戦略 5 ペルソナ初級)
※ 魅力、個性化、そして差別化における深層心理学的接近(深層心理学的差別化戦略 5 ペルソナ中級)
個人的無意識というフィルターを通過すると、そこに個人的な好みが出てきます。例えば、男性がブロンドの外国人を見て、まずは女性であることを認識します。これは意識から一気にアニマの世界へ意識のレベルが急降下していることなのですが、行きつくところまで行くと今度は降下した意識が上昇してきます。その時に個人的無意識を通過するのですが、この部分は非常に個人的なことが圧縮して詰め込まれている部分ですから、ここを通過するときに相当な個人的な思いが盛り込まれ、自我のレベルにまで達します。要するに、「好み」というものがでてきます。ブロンドの非常に美しい女性をみて「きれいな女性だ!!」と思ったとしても、しかしながら、「結婚し、この後の数十年間を予測すると・・・?」などと考え出すと、たとえ美しいペルソナを兼ね備えた女性であったとしてもそれ以上の関係には発展しないという現象が起こります。ここでわかることは、「美的感覚」については世界共通であるということです。外国人であれ日本人であれ「美」についての根本的な定義は全人類共通であります。しかしながら、個人的な好みについては個人的な要素が絡んでくるため、「美」が細分化されいき、そこに「型」というものが出てまいります。その具体的な表現は前述の通りです。
そして、結論として、「美という共通項の中で、美について個人により差がでている」という仮説が出てきます。よって、経営学的には、数回前にポーターの差別化戦略の事例からも理解できるように、「差別化」というキーワードのもとでまずはペルソナを吟味することが重要であるという仮説を導き出すことが可能であります。ここで重要となるのは、ただ単に美しいでは話にならないということです。また、マーケットにそぐわない美をいくら追及してもブレイクに結びつくことはありえないということです。私の仮説によるペルソナというのはブレイクに結びつく呼び水であるがゆえに、そのペルソナを形成していく過程において、ペルソナを形成させる本人の意思が多く入り込む危険性があります。マーケットを無視するとそこで全てが終わってしまう危険性があることを認識しなければなりません。例えば、最近のアメリカのテレビドラマでの傾向では、極東地域、要するに日本人的な「美」に対しての需要が多くなってきおりますから、白人の俳優は極東地域の美に対するペルソナの研究を行わいといけませんし、実際にそれを実践している俳優は数多く存在します。日本では欧米の俳優や広くとって芸能人に美的感覚を覚えたとしても、ブレイクにまで発展する例は少なく、そこからすると、ペルソナつくりをする人は日本的な価値観を多く取り入れるか、拡大しても東洋的な何かを参考事例にしてペルソナを作り上げることが大切であると考えております。たとえ個人的に欧米のペルソナを作り上げたいと思ったとしても、需要がなければそもそも話になりません。
長々とお付き合いいただきありがとうございます。本ブログでは何度か申し上げておりますが、LinQの皆様方はこのペルソナ作りにかんしては既にマスターしていると考えられますので、必要以上に見た目を気にするのはやめておいた方がいいです。もし気になる点があれば、必ずリーダーやマネージャーさんに相談をしてから手直しをしてください。過剰に盛ると、この後に待ち受ける内面との統合に非常に苦労することになります。このようなことから、LinQの皆様方にとってのこのペルソナシリーズは、皆さんが私から教えられるまでもなく身に着けていた技術を、客観的に見直す程度に読んでいただければ幸いです。
ご高覧、ありがとうございました。