店舗の工事には、A工事、B工事、C工事と呼ばれる3つの工程工事があります。
A工事は大家さん側が行う工事で、新規に商業施設などでテナントとして入店する場合に関係する工事です。
B工事は店舗のインフラ部分の工事で出店する側が費用を負担して行う工事。主に給排水、受電関係、給排気、防水などの工事で殆どの場合、大家さん側の手配したA工事業者がそのまま請け負うことが多いです。
C工事は出店者側が行う工事で内装、什器、ファサードなど、所有権も出店者にあります。
ただし、大家さんにより、このABCの工事区分はかなり変わります。
つまり、出店費用も変わるということ。
当然、工事施工業者により値段は大きく変わります。
物件を借りる際には、保証金と家賃の交渉は皆さん行いますが、A工事とB工事の区分の交渉はあまりやられていません。というか、ほとんど大家さん側のいいなりではないでしょうか?
先日も、ある物件の工事見積もりの交渉をしていて、電源の幹線引き込み料金が50万ほどかかっていました。オール電化厨房にしたために、既設の電気容量が足りずに追加で引き込みをしないといけないとのこと。でも、この50万の投資は出店者の所有権ではなく、大家さん側の所有権です。退店時にもちだすこともできないですよね。交渉の末、A工事にいれてもらうことになりました。
細かいことですが、C工事の壁塗装も案外見落としがちです。
塗装工事○○㎡で○○円と見積もりされてますが、見積もり時は大まかな図面をもとに積算されてます。これに冷蔵庫や機器を設置していくと塗装の必要がない部分もでてきます。ですから、塗装の必要な箇所を図面上で指示して再計算してもらうことで塗装代金も安くあがります。
資材が高騰している環境ではなかなか値引き交渉も難しいですが、小さな箇所の積み上げで粘り強く、細かく交渉することが大切だと思います。