「機能美」 | 楽しんで木・自然素材・土壁の家づくりをするために

「機能美」

こんにちは、水谷です。

前回 からの流れで、今回は家の「機能美」についてお話します。


楽しんで木・自然素材・土壁の家づくりをするために 楽しんで木・自然素材・土壁の家づくりをするために

日本の季節は「四季」と言われように、「春夏秋冬」がはっきりしていて、それぞれの季節毎に気候が全く違います。だから、日本の家はそれぞれの季節に対応できるように、考えて造られているんです。


例えば、三角の屋根「切妻(きりづま)深い「軒(のき)」。

梅雨や台風などの激しい雨はもちろんですが、年間を通じて降水量が多いので、降った雨がスムーズに家の外に流れるように・・・ということで、屋根の形状は「切妻」が多いのです。



また、叩きつけるような強い雨が降っても、室内に雨が入り込まないように、そして外壁を守るために、軒が深くなったのです。


雨から家を守るだけでなく、夏の強い日射しを遮るためにも、深い軒はとても有効で、以前にもお話した 「庇」「障子」なども、同じように、強すぎる日射を緩和するために造られました。


雨だけでなく、雪が積もる寒い地方では、屋根に積もったは雪をできるだけ自然に下に落ちるように、屋根の傾斜が強くなっているんです。


蒸せるような暑さの夏には、前にもお話させて頂いた 「土壁」がひんやりと湿気を緩和してくれます。身近な素材だったと言うこともありますが、何より「調湿性に優れている」からこそ、土は家づくりに好んで使われてきたのです。


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さらに、日本は地震や台風も比較的多いので、万が一に備え、頑丈な柱や梁で、形の整った、揺れには負けない骨組みを必要です。


・・・と、ほんの少しの例ですが、移りゆく季節に順応し、厳しい自然から住む人を守るためにと考えられ、いつでも快適に過ごせるように家は造られてきたのです。

すべての形には理由があるわけなんですが、ただ単に役割を与えるだけでなく、そこに「美」や「粋」を求めて進化してきたのが、日本の家の佇まいだと思うのです。



そんな日本の家の佇まいに、「機能美」を感じるのです。