チョコレートの思い出 | リンデンバウムのブログ

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小さな香房からお香の魅力を伝えていきます。日本に生れたことに感謝!

 

バレンタインデーが近づき、あちこちで多種多様のチョコレートが販売されているのを見るのが楽しみになりました。美しくラッピングされたチョコレートを見る度に、日本はやっぱり豊かな国なんだとしみじみ思います。

昭和30年代から40年代、私の住んでいた地方都市の郊外で手軽に買えるチョコレートのメーカーは明治、森永、ロッテ、不二家等でした。どのメーカーのチョコレートも好きでしたが、お気に入りは明治とロッテ。

明治製菓は当時の大人気アニメ「鉄腕アトム」のスポンサー企業でしたから、CMの影響も大きいと思います。初めてマーブルチョコを食べた時の感動は今でも覚えています。

ロッテはラムレーズンがゴロっと入った「ラミー」が大好きで、未成年でもバクバク食べていました。今の「ラミー」はガナッシュになっていますが、当時は板チョコの中に結構な数のラムレーズンが入っていて、大人の気分を味わえる当時としては画期的なチョコレートでした。若い頃、お酒に強かったのも「ラミー」のお陰だったかもしれません。今もラム酒が効いたお菓子が好きです。

もう一つロッテがお気に入りだった理由は社名がゲーテの「若きウェルテルの悩み」のヒロイン、シャルロッテに由来すると、新聞の広告で読んだからです。「若きウェルテルの悩み」は当時の若者の必読書のようになっていて、もちろん私も読み感動しました。シャルロッテはある意味、理想の女性像であり、ドイツだけではなく時代は変わっても「ウェルテル」を愛読する人々の心の中では憧れの女性であり続けたと思います。私もそうでしたが、友人に勧められ、トーマス・マンの「ワイマールのロッテ」を読んでから少しシャルロッテに対するイメージが変わりました。この小説はロッテのモデルとなったシャルロッテ・ケストナーが63歳の未亡人となり、ワイマールの宰相となったゲーテに逢いに行ったという歴史的事実を元に作者の壮大な想像力を駆使して書かれた創作なのですが、「ウェルテル」が書かれた当時の背景、どこかウキウキした様子の母親をクールに見つめるロッテの娘、シャルロッテの狼狽、国民的ヒロインとなり迷惑したことなど、創作とはいえロッテの心の声が聴こえてくるようで、大変面白く、一気に読んだ記憶があります。

この本は長年大切にしてきたのですが、本棚の整理の際に手放してしまい、詳しく書けないのが残念です。

 

チョコレートの思い出としては、華が無いお話ですが懐かしい記憶が甦ったので書いてみました。

 

コロナ後初めてとなる聞香の会をお寺で開催する予定で準備していたのですが、風邪をひいてしまい延期することにしました。

聞香の会といっても椅子に座っていただいたまま、四方盆と電子香炉を使用して聞いていただくカジュアルな会です。