2019.11.14 ドメーヌ・ルフレーヴの当主ブリス氏を迎えてのウメムラワイン会。 | SINのブログ

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ビッグネームとの対面。
 
ドメーヌ・ルフレーヴの現当主ブリス氏とともに、ルフレーヴのワインを楽しむ会。場所は普段のウメムラ特設会場ではなく、蒲郡クラシックホテルのレストラン。
私にとってはアウェイの地。
 
 
岡崎のウメムラ会では顔馴染みの親しいメンバーが揃っても、落ち着かない。妙な緊張感、ドキドキなのは、アウェイで、ビッグネームと、そしてとんでもないワイン達と向き合うことになるから。
素晴らしいレストランで、ソムリエ達にサーヴされる経験もほとんど無いから、というのもあるね。
 
 
北海道、福岡、東京、大阪(だったっけ)、そして蒲郡という5大都市をめぐり、ブリス氏は少々お疲れ気味?
クルティエの坂口氏も同行している。
 
 
2015年、アンヌ・クロード女史の急逝の後、中国で別の会社を経営していた(他にも幾つかの多国籍企業の重役を担っていたらしい)ブリス氏、しかしルフレーヴはやはり家族経営の特質を守るべき、との周囲の意見もあって、ブリス氏はピュリニーに戻ってきたという経緯。 雰囲気というか迫力というか、大物のオーラがある。
 
 
・Mâcon-Verzé 2017
 
本拠地ピュリニのワインと全く同じ造り。これは飲んだことがあり、私にとってのルフレーヴらしさ"はコレ。
酸とミネラル、アフターの塩味、力強いがバランスの良さは見事。最初から今回の会のレベルを叩きつけられる感じで、いきなり「ヤベーぞ」ということを再確認。
 

・Charmes Chambertin Grand Cru 2010 (LEFLAIVE et ASSOCIES)

 
ネゴスものの赤。香り豊かで気品高い。これまでも書いたが近年の赤の仕上がりは若くして美味しく飲める。9年という短期、GrandCruのスケール、既にピークを感じるも、ブリス氏曰く、まだまだ若い。本当なのだろうか・・・
しかし最初にグラン・クリュの赤を持ってくるだけ、後の白が凄いのだな、、、。
 

・Puligny-Montrachet 1er Cru Les Pucelles 1996

 
衝撃の1996水平試飲、第1弾は1級ピュセル。煌めく黄金色、鼻腔から取り込むと頭内を鷲掴みにされたようなパンチのある、ピュリニらしさ、そしてピュセルならではのインパクト。酸、石英やチョーク様相のミネラルしっかり、熟成して複雑混沌とした中にあって目指す方向が明確で整然としたエレガンスと美味しさ。
 
家族経営のルフレーヴにとって、ブリス氏は子供の頃から親が食事会などで多くのワイングラスが並ぶ食卓にあって、食事後半は子供はもう寝ろ、と促され、その後の大人達のワインを楽しむ姿を羨んでいたとのこと。翌朝まだグラスが片付けられていないテーブルで、こっそり飲んで「美味い」と思っていた。当然特級や1級が多かったというのもあるが。こういった幼い頃の経験から、ピュセルとシュヴァリエには特別な想いがある。特にピュセルは特級の要素も含まれており、もはや特級と言っても過言ではないレベルだと。
 

・Bienvenues-Bâtard-Montrachet Grand Cru 1996
 
喫驚の1996水平試飲、第2弾でグラン・クリュの登場。ピュセルが力強さなら、こちらは繊細で柔らかくしなやか。エレガンス、上品さ、そういうものを高めていくとこうなるのか、陽だまりでそよぐレースの向こう、穏やかで優しい笑顔の皇后のような品格。
 

・Bâtard-Montrachet Grand Cru 1996
 
感歎の1996水平試飲、最後はバタール。ピュセルをワンランクスケールアップしたような壮大さ。神々しく輝く黄金色からあふれ出る香りに圧倒される。口内で爆発的に広がるヴォリューム感、鼻腔に抜ける突き抜けた何か、頬の奥に染み入る何か、喉を通り体内に浸透していく何か、そして舌の奥に残るあまりに長い余韻で次の一口に手を出せない。表現できない何か、まだまだこの余韻を感じ続けたい、そう思わせるリッチさに圧倒される。これは凄い! そして私ごときじゃ表現できない!
 

・Chevalier-Montrachet Grand Cru 1995
 
そして奇跡は伝説へ・・・
研ぎ澄まされた、また別の世界観。歴史、荘厳さ偉大さ、もうなんだかリッチとかエレガンスとかヴォリュームとか、ここまでに飲んだトンデモなワイン達をサラっと凌駕する。何だこれはナンダコレハ・・・そうかなるほど理解するのはやめよう。シュヴァリエ様と呼ぼう。跪いていただこう。涙は出ていなかっただろうか、ってくらいの。
 
 
今回はワインが完全に主役だったが、ホテルのディナーもワインに寄り添い素晴らしい調和を楽しむことができた。
 
 
 
 
参加者の手元には、ドメーヌ設立400年を記念して製作された小冊子、マコンの詳細説明、そしてヴィンテージ解説書の3冊の日本語版の冊子が配布されており、これまた大事な資料になる。

ブリス氏は私が持ち込んだACブル2011へのサインも快く応じて下さった。
 
 
 
 
素晴らしい会場で、夢のような時間はあっという間に過ぎてしまった。

一方で、凄い会だっただけに参加者達も凄い人ばかりで(当たり前だが)、なんだか背伸びをしたな、自分には場違いで、身の丈をわきまえなきゃイカンな、、、というネガティブな感情もポツリと沸き上がった、非現実から現実への帰路の電車であった。