2019.02.05 ドメーヌ・モンテリー・ドゥエレ・ポルシュレのカタルディーナ女史を迎えてのウ | SINのブログ

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昨日はブルゴーニュのモンテリー村からモンテリー・ドゥエレ・ポルシュレの現当主のカタルディーナ女史とパートナーのヴァンサン氏を迎えてのウメムラワイン会。


300年以上の歴史を誇る名家モンテリー・ドゥエレ家にアンドレ・ポルシュレ氏を迎え入れて誕生した「ドメーヌ・モンテリー・ドゥエレ・ポルシュレ」。

ポルシュレ氏はそれはもう伝説的な醸造家で、1988~1993にはドメーヌ・ルロワの醸造長も務めていた。
『北にアンリ・ジャイエあり、南にアンドレ・ポルシュレあり』と謳われるほどの人物であり、数々の逸話の持ち主。

・サンプル提示を求めたロバート・パーカーに興味を示さず無視していると、パーカーの著書でかなり酷いことを書かれてしまったポルシュレ氏は、これを訴え、勝訴。結果、パーカーの著書がフランス中の書店から回収されるという結末に

・1991年の難しい年、ブドウにも腐敗香など影響が大きく、かなり厳しい選果を行うポルシュレ氏。ヴォーヌ・ロマネやシャンボール・ミュジニーなどのグラン・クリュでも気に入らないブドウを捨てまくっていると、マダム・ビーズ・ルロワが「いやいや、ちょっと待って!」と慌てて飛んできた

などなど。


そんなポルシュレ氏からあらゆる技法や心構えを伝授された孫娘のカタルディーナ女史は4代目。
リュット・レゾネ栽培、化学肥料と除草剤は一切使用しない、といったスタイルはもちろん、
HVE(環境価値重視)という上位認証に対しても、間もなく認証されるもよう。

このHVEとは、カーヴや建物の建材がエコ建材だとか、車がハイブリッドであるとか、
使ってる紙は再生紙だとか、使用済みの水のリサイクルだとか、

そういったブドウやワインメーカーのみに関連した環境だけでなく、その周辺環境の全てを考慮した上で
付与されるもの。


モンテリーの他の作り手との一番の違いは、「自分たちが一番畑に出ている」ことだそう。

徹底して丁寧に作られているワインをじっくり味わう。
(泡は作ってないのでヌーヴェルさんのオススメアイテム)

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【泡】
Arnould de Beaufort Brut Tradition NV
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濃いめの黄金色にシャルドネ70%とは思えぬ深み、そしてキレキレの酸がキラキラ煌めく。05年産70%と04年産30%のブレンドとは、なるほど。ドザージュは10g/l。


【白】
・Monthélie Blanc Cuvée Miss Armande 2016
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フレッシュ柑橘溌溂。


・Meursault Le Pré de Manche 2013
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序盤の温度低めではややコンパクトで酸の強さが表に出るな〜 からの時間経過し化ける化ける。数十分すると、獣臭というか田舎の家畜舎を連想するようなディープな世界観(悪い意味じゃ無いです)。


・Meursault 1er Cru Les Santenots 2005
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これぞムルソー。金属系のミネラルにアラレのようなパフィっぽさ。05年にしては活発なのかな。しかしまぁ綺麗。


【赤】
・Monthélie Rouge Clos du Meix Garnier Monopole 2016
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キュートな果実味。元気良い新入社員のサワヤカ君。


・Volnay 1er Cru En Champans 2014
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酸と果実味のヴォリュームがやや増しエレガントに。各キャラクターが上手く主張するも調和乱さず。公私充実の新人指導係シッカリ者。熟成後きっと美しく華やかに変貌するだろな。


・Monthélie Rouge Clos du Meix Garnier Monopole 2004
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04年といえば難しい年でかなり選果を厳しく実施。さっきと同じワインが12年差でこんなに違うものなのか、経年からは想像できないほど見事な熟成姿。舌に纏わる妖艶さ、そんな表現を添えたくなる。カタルディーナさんの手がけた初ヴィンテージ。素晴らしい。


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カタルディーナさんもヴァンサン氏も、とても丁寧に、熱心に説明して下さる。

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今回は隣のテーブルだったのだが、隣から乗り出してコルクに関する質問をした際も
『良い質問だ!』とにこやかなヴァンサン氏。
ボトルへのサインにも 『 Thank you for your good question 』 と書いてくれた。。。
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モンテリーという(今はまだ)マイナーアペラシオンだけど自分はコスパ的に良く飲んでいる。
こういった実力派生産者がメジャーになってくると、サントーバンやフィサンのように
価格帯も上がってきてしまうのか・・・という一抹の不安も。


カタルディーナさんは来日期間の折り返し4日目で、少しお疲れのように見えた。
三寒四温の日本を楽しんで、また来てもらいたい。

プペさんの料理は今回も最高に美味しかった〜♪
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<参考>
2013年のムルソーだけ樹脂の高機能コルクだったので、その辺のことを聞いてみた。
新コルク採用は2009年から。旧コルクから変える際にポルシュレ爺さんは反対しなかったの?と聞くと、
ポルシュレ爺さんも先進的な技術に前向きで、ブショネ防止のためにもコスト高いが
積極的に取り入れたとのこと。

ただし2013年を最後に元のコルクに戻している。理由は、通常コルクは液面に触れて水分を含むと膨張して
外気を遮断している。しかし樹脂コルクは膨張しない。そのためボトルの口の内側の真円度が悪いと
隙間が出来て空気が入ってしまうという問題があるらしい。

自分のとこではそのような報告は出て無いが、ヨソでは出ているらしい。
かといって真円度の高いボトルなど作れるものなのか、作れてもコスト的に使えるのか・・・
思い切ってスクリューキャップ? いやいや伝統的なブルゴーニュではやめて頂きたいもの(私個人の想い)。

かくしてTCAとの闘いは続く。

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