先に紹介のHA-700 様をもってして、
この漫遊記をおとなしく、幕引きしとけば良かったのです。
でもわたくしは、どうした訳か、余計なことをする性で、
2008年卯月の半ばに、こたび紹介のこの人を、
家に招いてしまったのです。
だって、この漫遊で耳にした、MOSあんぷ達は大枠で、
良い印象を持ったのに、TA-F555のESL様 ばっかりは、
好感を持てず仕舞いだったから。
けれどもESL様は、そにーのお家でMOS素子を、
初採用したシリーズだとかで、
また初段やらドライバー段が、「ばいぽーらとらんじすた」 だとかで、
であればMOSの使いこなしを、熟達せぬうちリリースされた、
不遇のあんぷだったのでは?と、
そうした良くない印象も、世代を経たなら薄れたかも?と
名誉挽回して差し上げたく、それとわたくしの感触として、
実はMOS素子は中途半端に、物量投入するよりも、
小細工抜きのシンプルな、あんぷのほうがそのメリットを、
引き出しやすいのではないか?と。
定価で確か4万円を、僅かに切ったこのひとを、
選んだ訳はそれはもちろん、予算の都合も大きいけれど、
そんな思惑もあった次第で、それに見た目も「おーでぃお」の、
道具としての雰囲気を、満足したかに見えたのです。
※ でも実物を手にしたときは落胆することしきり。。。
で、肝心のその音は、
やはりESL様よりも、洗練はされた印象で、
基調としては「柔らかい」 やら、「とげとげしくない」、
「まろみを帯びた」、そんな言葉のイメージの中に、
どこかに香る清涼感を、それは例えばクリームソーダの、
まろやかな中に感じる酸味と、翠碧色の透明感を、
楽しむような雰囲気でした。
でも、本当はクリームソーダが、好みではないわたくしは、
アイスクリームもソーダー水も、あんまりまぜこぜ、しないあたりで、
その特徴を味わいたいなぁ。。。と。
平たく言えば万人向けの、「癒し系」ではあるけれど、
何を掛けても中途半端に、丸め込まれて聞こえてしまい、
パッと聞きでは上品に、振る舞っていても時間がたてば、
眠たい調子を繰り返している、そんなお声と思われたのです。
もちろん価格を抜きにして、語れるものでもないだろうけど、
むしろ健闘している部類と、捉えられなくもないけれど、
それでも同じローコスト機の、ぱいおにあのA-D1様 は、
内面を描く充実感を、うまく醸してくれたよなぁ。。。と。
何より 「残念」 だったのは、 「これがMOSの音」 だという、
イメージをば押し売りしているかの、ように聞こえてしまった点で、
そにー様、
偉そうな風を承知の上で、どうしても申し上げたいのです。
わたくしはかつて、そにーぶらんどの、映像関連機器については、
民生/業務の垣根を問わず、撮影/録再/編集のどれも、
敬意を払って使っとりました。
「おーでぃお」 にしても、「これぞ!」といった、手ごたえ確かな製品に、
若かりし頃の時間の多くを、心躍らされて過ごしたのです。
なのに、いつから 「本質」 を、撓め薄めてしまったか?
実の無いイメージアピールにのみ、気を奪われておいででは?などと。
※ そのイメージでも最近は、かなり苦戦のご様子で。
Lo-D様の製品群に、感じたものとは対照的な、
「残念」 という二文字が、わたくしの内を占めるに至り、
この口を突いて出てくる言葉は 「聞かなきゃ良かった!!!」 などという、
後悔ばかりだったのです。