ホルン吹きとして一番勉強になった曲は? | 基礎から学ぶあべまみ音楽教室

基礎から学ぶあべまみ音楽教室

「正しいリズム、楽譜が読めて、美しい響きを求め、音楽演奏は楽しく」を大切にレッスンしています。世界にたった一人の貴方の演奏で多くの人に笑顔の花を咲かせませんか?オンラインでのレッスン、出張レッスンをしております。体験レッスンを受けてみませんか。

私は吹奏楽部出身ではなく、オーケストラのホルンが好きで始めたので、マレーシアでオーケストラ奏者として活動できた時は本当に嬉しかったし、たくさん勉強した。

 

ホルンを吹く人がほとんどいなかった当時1990年代、マレーシア国立交響楽団のメンバーになることができたのは、本当に幸せだった。

 

入団して2、3年立った頃、チャイコフスキーの交響曲第5番をやることになった。

 

この曲ホルンが好きな人ならご存知だと思うが、第二楽章のソロ、これは料理で言うならば、新鮮な刺身のようで、うまくやれば極上の刺身が味わえるような濃厚で、この世にこんなソロがあるなんて、ホルン吹きなら一度はやってみたいソロである。

 

低音弦楽器の伴奏で演奏させるソロ、レッスンで何回もやったが、クレベンジャー先生のレッスンでは、先生が指揮者となってまるで引き寄せられるように、演奏することができた。

 

この体験があったからこそ、怖いもの知らずの私は、やり切ることができた。最高の演奏ではなかったが、レッスンの時の様にやることができたのは、今でも覚えている。

 

ただ、このソロの後が大変バイオリンのソロにホルンは伴奏をしなくてはならない、クライマックスに向かってどんどん大きく強くしていくところで、バテてしまい、最後のフォルテ4つには辿り着けなかった。

 

その原因はやっぱり下腹部での支えがなかったからだ。そのころはまだ口先で吹いていた。全く残響がない、ホールだったのも良くなかったかもしれない。

 

それから今の様に下腹部で音を支えることに気づき、音を出すようにしてきた。

 

やっとホルンの演奏の基本に気がついたのもチャイコの5番だった。

 

この曲、本当にホルンのさまざまなテクニックが盛り込まれていて、ホルンが好きな人は一度生演奏を聴いてほしい。

 

私自身はもう2度とこんなチャンスはないと思うが、もしリベンジできるのであれば、やってみたいと密かに思っている。