どっちもできたに越したことはないと思っている。どちらがいいかというよりその前に楽譜が読めなければお話にならない。
ホルン吹きの場合、in Fで読むか実音で読むか、よく問題になる。
昔、学生の頃、私の同期は3にんいて、私は実音、AはinF, BはinB♭というわけで、トリオ(三重奏)をやると、音の話で揉めることがしばしばあった。
あとで考えてみると、馬鹿馬鹿しいお話だと思ったが、各々がそれまで育ってきた環境の違いを表している。
私は楽器を持った時から実音読みだった。吹奏楽の経験がなく初めから絶対音感がついていたせいか、ファをドと読むのはとてもできなかった。ファはファ、実音のソはホルンinFではレだが、とてもできないことだった。
絶対音感ってあると便利だけど、弊害もある。例えば踏切の鳴る音、あれは気持ち悪い。音程がファのようでそうではない。救急車の鳴らすサイレン、あれも気持ち悪い、遠くから近づいてくると音程が変わり、離れていくと元に戻る。
話を戻して、固定ド(実音)で読めるに越したことない、でもその習慣がないなら、移動ドでも良いから読める方が良い。なぜなら、主音がわかれば、和音の構成音がわかるからだ。
InFの譜面に、♯や♭がたくさんついている楽譜は調性感が感じられないので、何調で主音はなんなのかわからなくなる。
In Fでなく C ,D ,E ,G ,A,B♭はよくあるし、D♭、E♭、 A♭、H(ドイツ語のシ)ブラームスの交響曲第二番の第二楽章はinHで書かれている。
昔マレーシアのオケでやった時、某国から来たホルン吹きは、真面目にinB♭で吹いていた。
私がそれはin H=B♭ではなくて、B♭の半音上を吹くんだよ、と注意したら、びっくりしていた。某国のオケではブラームスをやったことがなかったようだ。
結論から言えば、プロのホルン吹きになりたいのなら、特にオーケストラのホルン吹きを目指すなら、様々な調で書かれた楽譜を読めるようにした方が良い。
イタリアオペラの曲には、いやらしい、inD♭とか、inA♭がたまに出てくる。事前に楽譜を見ておくか、スコアで勉強した方が良い。
ベートーベンだって、人気の七番はinAだし、9番の四番ホルンのソロはロ長調の音階が出てくるから!
やっぱり12の調(できれば24の長短)音階はできるようにしておいた方が良いです。
なんだか、タイトルから話題が外れてしまったが、結論は、どっちの良さもわかれば、両方できるようにしたおいた方がいろいろ応用できるってこと。