TO君は、音楽が大好き。

大酒飲みで、大胆な飲み方をして、歩道に大の字に寝ていたこともある。

かといえば、カフェにコーヒー一杯だけ飲みに来ることもある。

コーヒーはグァテマラが好きで、以前、カフェに好きなコーヒー豆を持ってきました。
店長が、そのコーヒーを商品として、出すと、知ると、
自分が持ってきたものをメニューに入れてくれた。こんなに嬉しいことはない、と、
すごく嬉しそうに、何度も語っていました。

カフェのスタッフのNOちゃんに、
以前、夢の中で、NOちゃんの子供になっていた、と、嬉しそうに語り、
NOちゃんに冷たく却下されていたこともある。

お酒のイベントの開催日、
TO君は一本予約をして、
深夜にそのお酒を飲みに現れた。連れてきたのは、駅の付近で寝泊まりしているおじさんと、
見たことはないけれど、カタギの世界の人ではない人。
どうやら、酔っ払って、
俺、酒予約してるから飲みに行こう、と、誘ってしまったらしい。
そして、
何も覚えていない状態で、
翌日お礼を言われて、冷や汗をかいていました。

同年代の友達が欲しい、と、ずっと、悩みを言っていたときもある。
その後、気の合う友達や、気になる女性が出来ると、
すごく嬉しそうにそのことを語っていました。

団君より、一回り位年齢が違うけど、
好きな音楽の志向が合って、
ライブに行ったり、
CDを貸し借りしていました。

団君とは、とても話しが合うらしく、とても仲良しです。

その、TO君が亡くなりました。

その知らせを持ってきたのは、
団君。


深夜に、カフェに飛び込んできて、
他の客を蹴散らすように、火の付いた煙草を持ったまま、厨房に突進し、
店長に泣きながらそのことを伝えていました。

その話し声が聞こえて、
何事か、察知しましたが、
耳を疑いました。

団君は、目を真っ赤にして、店長と話しをした後、
そのまま店を出て行きました。
TO君と親しい人達が集まっている場所に戻っていったらしく、
店長もすぐに一緒に向かいました。

厨房で話しを聞いたYちゃんが、
後から、

TO君がなくなったらしいですよ。

と、言いました。


信じられませんでした。

つい数日前に、
ニコニコしてウィスキーを飲んでいるのを見たのに。

そして、

団君の態度にもショックを感じました。

団君自身がとてもショックを受けていて、
店長に知らせなきゃ、って、
それだけ考えてきたのでしょうが、

伝える対象は、店長しかなく、
他は蹴散らす対象である。

話し声が聞こえていなければ、

Yちゃんが、厨房にいて聞こえていなければ、

知らされることもなく。

色々なことがショックで、

よく分からなくなりました。

団君は周囲が見えていない状態なのは、わかるのですが、

訃報を、そのような形で聞いてしまうと、
気持ちが全く整理できなくなってしまったのです。







いつものカフェでのパーティーの後、

カフェ初開催の二次会にいきました。

普段、バラバラに訪れる人達が一気に集まり、まるで同窓会みたいな状況です。

スタッフさんのYちゃん、HTちゃん、J君も来ました。

テーブルが3つあり、真ん中は、スーツを来た人が多く、オフィスエリア。

既に、一気飲みしたり、飲んだくれているテーブルは、ダークサイド。

ほのぼのムードの楽園ゾーンに分かれました。

HTちゃんとYYちゃんはちょっと酔っ払って、ダークサイドでどんどんお酒を勧めます 。
YGさんがワインを一気飲み。
更に、J君が一気飲み。

J君はHTちゃんが泥酔すると大変なのが
わかっていたので
身代わりに飲んでいたのですが、

居酒屋なのにウイスキーをボトルで注文し、ダークサイドだけで飲んでいる状況で

HTちゃんはどんどん酔っ払っていきました。

YYちゃんに抱きつき、もたれかかり、横になってしまうHTちゃん。

それをYYちゃんが介抱しているのに、
横から介抱しようとする電さん。

電さんは、HTちゃんと飲みに行ったりネズミ帝国に行ったりしたけど、
距離を置かれて、
以前ひどく落ちこみ、かなり荒れていた事情があります。

また、酔っ払っている状況のHTちゃんに構って、どうするのか。
HTちゃんは既に意識が朦朧としていて、電さんに頼ったりするのは
本意ではない気がします。

構わないで下さい、ここは女子に任せて!

J君が言いました。
J君はHTちゃんと10年以上の友達です。
HTちゃんのことはよくわかっているし
多分、電さんの事は聞いているのでしょう。

あからさまに不満げな電さんに、
J君は落ち着いた口調言いました。

僕も、電さんも保護者的な立場だから、わかると思うんです。
ここは、そっと構わないでいて下さい。

全く不満げな電さん。
普段は、接客業的スマイルなのに、
笑顔なく、ブツブツ言っています。

そう言っているうちに、立ち上がろうとして、また、ふらついて、YYちゃんにしなだれかかるHTちゃんに背中をなで、また介抱しようとします。

そう言ったやりとりが何度も続き、

洗面所に、YYちゃんがHTちゃんを連れて行くと、
女子トイレにまで入って来ようとします。

来なくていいです。
YYちゃんがついていっているし。
女子トイレですから。

そう言っても不満顏で
俺は必要じゃないっていうのか、
とブツブツ半ギレです。

女子トイレですから、必要ではありませんよ。

J君は、もう、ネットカフェかどこかに連れて行くと決意しました。

あっちゃんと、私に、言いました。

お二人だから言うんですけど、
HTは過去にも酔っ払って男の人に頼っちゃって何度も後悔してるんです。

多分、電さんは、以前それで引っかかってしまったのかも、しれません。

前に、HTちゃんのことで落ち込んでいた時、
自分がさみしい時だけ、利用して、後は、離れて行くんだ、と
被害者のように言っていたのです。

今の状況を見ると、電さんは自ら首を突っ込んでいます。
それで近づいても、また同じ事。
また、被害者のように言うのでしょうか。

電さんが、HTちゃんに個人的に振られてまだ引きずっていることは
誰も知りません。
J君がHTちゃんから事情を聞いているかもしれないというくらいです。

だから、みんなの前では言いませんが、
知らなくても、しつこい、と思うだろうし、
知っていたら、
面倒臭い、と感じます。

帰り支度をして出ていこうとするところに、またついて行こうとする電さん。

YYちゃんが、私がついていくから、
と言うと、

女性がついていってくれるなら安心だ、頼むよ、と言う電さん。

いや、
管理者じゃないでしょ。


忘れ物を取りに戻って、倒れこむHTちゃんをまた、介抱しようとします。

大丈夫だから、と、引き離すと、また半ギレです。

そして、HTちゃんがJ君とYYちゃんと一緒に店を出ていくと、
あからさまに拗ねたようにうなだれ、
一人でうつむいて体育座りをして、
座っていて、
突然、バタンと横になって眠ってしまいました。

もう、放っておこう。

やれやれと言う気分になるのでした。

その後、先に帰ってしまったのですが、

電さんがまた、落ち込んで、しばらくカフェに来なくなるんでは、
と懸念しました。

前回、落ち込んでいた時、
もう来ない方がいいのかも、と何度も言っていたので。

しかし、今回の電さんは、
HTちゃんが酔っていること心配する気持ちに、
自分が必要とされたい、という気持ちを乗っけて、
その気持ちを引っ込められなかったようです。

そして、
懸念していたのに、
翌日、
なんにも覚えてない、と言って、
あっさりとカフェに来ました。

本当は覚えているに違いない、と、あっちゃんも、J君も言いました。
真偽はともかく、
電さんのやや面倒臭い性格出てしまった日だったようです。




いつものカフェで、パーティーが開かれました。

Kさんが企画を出してくれたことにより
これまでにないほど、常連さんが集まりました。
しかも時刻通りの人が多数です。

お料理メニューや費用のことも、解決し、
良い感じでスタートしました。
少し惜しいのは、
予定より少ない人数の席が確保されていて、
他の席が早い時間の予約で埋まってしまったこと。
だから、予約したのに、
Kさんの言った人数きちんと伝わっていなかったのです。

まあ、早い時間の予約なら、席が空いたら移動すればいいよ、
と穏やかに進んだのですが、

予約のパーティーの方々は、終了予定を1時間位は楽にオーバーして、談笑しています。

席が狭くても別に平気だったのですが、

他のお客さんが多いと、
店長もスタッフさんも、忙しく動き回っていて、
結局、パーティーの主役が、来ない状況なのです。

かなり長い時間をおいて、
やっと来た店長。やっと乾杯です。

早速プレゼントが渡され始めました。

プレゼントを早く用意しなければ。

ちょっとした思いつきで、
その日の写真をすぐにプリントして、
プレゼントにつけて渡そうと思っていたのです。
店長やみんなの写真を撮って、
近くのプリント出来るお店に駆け込みました。
戻るまで、10分。

その10分は、実に大きかったようです。


いや、プリントに行っていなくても、10分は変わらないのですが。

戻ってきたら、

店長はすっかり酔っ払っていました。

早っ!

丁度そのとき到着したYYちゃんに抱きつきました。

あ、プレゼントが…。

まだ意識があるうちに渡しちゃえ!

酔っ払い店長にプレゼントを渡すと大変喜んでくれましたが、
次の日にもう一度プレゼントを目にするまで
記憶から消えていたようです。

それでも、プレゼントを手にしたところまでが限界。

すぐにグッタリして、

ソファに横になってしまいました。

さらに、

苦しくなって、ズボンを脱ぎ、

ソファからも落ちて、

床に、寝転んでいる店長。

放っておけば、
多分そのうち意識は戻ったと思うのですが、
ズボンを脱いでしまったので、

ひざ掛けか、毛布のようなものはないか、とあっちゃんがシェフに聞きに行ったところ、

家に送り返すしかないだろう、とシェフ。

笑顔もなく、店長をタクシーで家まで送って行ってしまいました。

しかも、あと30分で閉店します、と。

全員退去命令です。

そのとき、誰も、異議はとなえず、
すごい勢いでシャンパンを飲み、ケーキを食べ、後片付けをみんなで行いました。

みんな、よいお客さんなのです。

その後、みんなで二次会に行きました。

店長は、二次会の場にいたかった、ととっても残念そうでした。
まあ、みんなも、店長と乾杯だけでなく、話しをしたり、盛り上がりたかったのです。

店長、お酒はゆっくり飲んでください。