いつものカフェで、団君が、TO君のことで、
献杯するといいながら
暗に電さんに対して乱暴で、
とても嫌な言い方をしたことについて
数日後に、ゆさんと帰宅途中に立ち話をしていました。
ほぼ、団君サミットです。

ゆさんは、団君が、TO君の献杯にかこつけて
電さんに攻撃したことが
とても嫌だった、と言いました。

TO君がもしも呼ばれてでてきたら、


なんすか?この雰囲気、ってびっくりしたと思います。

乱暴な言い方をされたら、心から献杯しようという気持ちが乱されそうです。

団君は、余裕がなくなると、本当に周りが見えなくなります。自制心がたりません。

なので、そのとき何か言っても、全く届かないだろうな、と思い、何も言っていません。

でも、そろそろみんな辛くなってきました。

団君は、電さんのことが気に入らないようです。

何かきっかけがあったのか、と、ゆさんが言いました。

昨年、電さんが女性を連れてきて、
電さん自身は、パンちゃんと手を繋いでいたから、
その女性が、嫉妬から大暴れした事件が一番最初だと思う、と伝えました。

猛女さんは、あてつけで、団君にディープキスを繰り返しました。
電さんがパンちゃんと、一緒に出ていってしまうと、一層荒れ始め、
ディープキスと、殴る蹴るの暴行をし続けました。

電さんは、あの女性は、勝手についてきただけだ。
パンちゃんと、手を繋いだのは、パンちゃんの方から握ってきたんだ。
と、その後の惨状を聞いても、
一度も謝ることもしませんでした。

それについては、電さんに対する評価は、かなり暴落しました。

電さんは、それ以外でも、女の人の噂が、良くない形で伝わってきます。

団君が、電さんを気に入らないのは、その辺りのことだろうと思うのです。

でも、事あるごとに、悪口を言ったり、暴言を吐いたりしていては、

周囲でも、聞いている側も、辛くなります。

ゆさんは、団君の行動に、一応、きっかけがある事を知り、
ホッとしていました。

しかし、このままでは、なにも解決策もなく、何かある度に、張り詰めた空気を味わうことになります。

今は、団君は、余裕がないから、
もう少し落ち着くまで、
様子をみることになりました。



TO君が亡くなって数日。

カフェのお客さんでTO君を知っている大体の人には店長が伝えました。

YYちゃんは住まいが遠く、来るタイミングがなかなかないので、私からメールで伝えました。

YYちゃんも驚いて、
お悔やみのお花とかをみんなで送る事を考えているのなら
参加したい、
と返事が来ました。

でも、何だかそれすら言い出しにくい、神経質な状況でした。

団君は、多分もう周囲が何も見えなくなっているかもしれない。カフェにも姿を現しません。
店長は、

まだ「思い出」にはしたくない。

と言っていて、話題の仕方も、
気を遣います。まだ受け入れられない状態だったのです。

団君は、多分一週間は姿を現さないのではないかと思っていたのですが
5日位で姿を見せました。

店長に何か言われたのか、
伝えにきた日に、乱暴な態度だったことを謝罪してきました。

そして、翌日にお別れ会をする計画を話してくれました。

音楽が大好きだったTO君のために
葬儀場許可を得て
生演奏をするけれど
思いっきり大音量でやってやるんだ。
TO君の愛車のハーレーも葬儀場に持ち込むんだ、絶対エンジンかけちゃうやつが現れるだろうけど。

そういった計画を考えることで、気持ちを落ちつけているのかもしれません。

あっちゃんが来ました。

あっちゃんは、団君を心配して、事前にメールをしたようです。

ずっと、団君を、慰める言葉を言っていました。

ゆさんが来ました。

この時点で一度、静かに献杯しました。

天さんが来た後すぐに、電さんが来ました。
二人に飲み物が来たときに、団君が、荒々しい口調でいいました。

献杯をする。「カンパイ」とか言ったらコロス!
TO君死んだんだよ!
「カンパイ」って言ったらコロスからな。
特に端っこのヤツ!

店の一番隅にいたのは電さんでした。
団君は、電さんのことが嫌いらしく、度々嫌味な発言をするときがありましたが、
なにも、こんなときにそんな言い方をするなんて。

信じられないし、
腹立たしくて、
穏やかな気持ちで献杯できませんでした。

団君は、自分だけがTO君の関係者で
自分だけが悲しいと思っているようです。
でも他の人達が、弔おうとする気持ちを踏みにじる権利はありません。

もう献杯が終わってすぐにその場を立ち去りたかったです。
悲しい気持ちが、TO君のことが悲しいのか、何がなんだか、めちゃめちゃなのです。

でも、すぐに帰ると、みんなが弔う気持ちに水をさす気がして、
しばらくその場にいました。


団君に意見を言ったとしても、今の団君には聞こえないだろうし、
弔う場で言い争いもしたくありませんでした。

あっちゃんが、先に会計をしました。
そして、団君に、お金を差し出して、
これ、TO君のお香典に加えてもらえますか?

え?何で?
いいよ、いらないよ。

でも。


あいつは、香典より、酒や煙草が似合うね。

じゃあ、これでTO君への煙草代に加えてください。


いいよ、そんなの。

団君は、まるで、あなた関係ないでしょ、と言わんばかりに断り続け、

あっちゃんは、
しらない仲じゃないんだしさ、
と、変わらぬ口調で言って、煙草代に加えてもらってました。

何だかその態度が、傲慢で、耐えられませんでした。

泣けてきて、うつむいていたら、
あっちゃんが気がついて、

ミントちゃんが元気ないみたい、と言いました。

すると、団君が、

じゃあ、これをあげるよ。


と、何かくれました。

シール3枚。(違)

しかも、さっき、店長からもらったばかりのもの。(困)


全然、わかっていません。

原因は団君の態度でしょ!

酔っ払いのおじちゃんか?

呆れて何も言えません。

電さんが帰り、その後に、天さんが帰ろうとしたとき、
団君が天さんに言いました。

ヘラヘラしてるやつを見かけたらぶん殴ってくれ!

何となく、電さんのことを言っているような感じで、
更に嫌な気分です。

もう、この場の空気が無理、と思って、
いつもより、早い時間に、帰ることにしました。


お会計お願いします。


店長にそう言うと、

あ、じゃあ、俺もお会計!

え?
帰るの?


一瞬突っ込みたかったです。

まあ、でもその日は、ほとんどの人が、いつもよりも早く帰宅したのでした。





いつものカフェに来ていたTO君。

屈託なく誰とでも話す。キラキラ熱く夢も語る。

2年以上前から知っているTO君。

そのTO君が亡くなった。

Yちゃんが厨房で少し聞いただけの情報だけでは
どうにも受け止められない状態で帰宅。

翌日の仕事中も泣いていました。

とてつもなく気が重い気持ちでカフェに行きました。

あっちゃんが来ていたので、

店長から聞いた?と、尋ねてみましたが、
知らなかったようで、驚いて、ショックを受けていました。

かなり、時間が経ってから、
厨房から出てきた店長。

今日は、重い話を、しなくてはならなくて、

言いにくそうにしていた店長。

どのタイミングで伝えるか、迷っていたそうです。

既に、あっちゃんも、聞いたと知って、
少し気が楽になったようです。

TO君は酔って海に落ちてしまったそうです。

このところ、TO君が急激に大人になってきたと感じていた、それなのに、と店長は、とてもショックを受けていました。

前日、団君の態度が、その他大勢を蹴散らすようで、嫌だった。伝える対象ですらないのか、と、思った、というと。

店長は、団君の考えに、自分も近い、と言いました。

TO君は、カフェにイベントにも参加しようとはしなかったし、
一匹狼みたいだったから、と。
言いふらすような行為をしたくないし、と。

言いふらすって…。

どの位の接点や繋がりがあるか分からないから、とにかく伝えるものじゃないの?

誰か亡くなっても、知らされない。
関係ないものとして、扱われる。
ここでの人の繋がりって、
そういうものなの?
そんな程度なの?


色々モヤモヤしましたが、
店長は、
まず知らせるべきって意見を受け入れてくれて、

Kさんがカフェに入ってきたときに、
伝えなきゃ。伝えたほうが、いいんだよね?
と、私に、確認してから、Kさんに話しに行きました。

Kさんは、静かに受け止めた様子で、
イマドキじゃない、個性的な若者だったね、と、色々、TO君の事を思い出しながら言っていました。

前日、団君が駆け込んできたらときに、カフェにいた電さんは、
気を遣って、黒いネクタイを、してきました。

KTさんは、その日はカフェでは、一杯だけ飲んで、他の飲み屋に行く予定だったといいながら、
ずっと、深夜遅くまで、酔いつぶれるまで飲み続けました。

献杯を何度も繰り返した夜でした。