チーさんの今日の奇行。 | チー旅。〜世界一周する(仮)〜



最近、本を読むようになったチー旅です。

前までは「読書」なんて概念が1㎜もなかったのに、です。

なぜ本を読むようになったかという、理由は明確です。

ケータイ電話がないからです。

帰ってきてもうすぐ二週間が経とうとしているのに

まだケータイを持っていません。

私が家から一歩出れば、もうチーさんと連絡取ることは不可能です。




加えて、車やバイクもないので

移動は専ら電車かバスか友情タクシー。

電車やバスで、時間を持て余すんです。

暇だから本でも読んでみるか、

と言うわけで、面白そうな本を1冊買ったのが始まりです。




これがまさかのヒット。

最初は自己啓発本でした。

自己啓発本を選んで買ったのではなく、

買ってから読んでいくうちに、

「これが自己啓発本と言うやつか」と分かりました。



その次は、How to本みたいなのを買いました。

ちゃんとした大人の女性になりたい人が読む本です。

大人な女性になりたいので、これを買いました。

大人の女性になるためのあれこれが書かれた本です。

でも、あれも多分自己啓発本の一種です。




次は小説を買いました。

短編小説がいくつも載っている本です。

短編小説は、長くないので読みやすく面白いです。





電車やバスの中が異常に楽しいし、

喫茶店は、本を読むための場所だと確信しました。









今日も電車でうちに帰る。

図らずして帰宅ラッシュの時間と重なった。

外は雨。

駅に着くまでにやむと良いな。





電車の中で立ちながら本を読む。

短編小説のやつ。




そしたら地元の駅に着くのはあっという間だった。

ホームに降りてみると、雨はしっかり降っていた。

傘もケータイもない私がとれる行動は、


①後は帰るだけだからびしょ濡れになって15分、家まで歩く。

②雨宿りがてら喫茶店で本の続きを読む。

③コンビニで傘を買って帰る。


といったところでしょうか。

選択肢がいっぱいあって、なんだか贅沢な気分。




でもこの駅はあいにくド田舎無人駅。

近くにコンビニもなければ喫茶店もない。

よって、どの選択をとっても私は濡れる。

選択肢はただひとつだけ、濡れる。




なので私は、電車を降りてすぐに

反対車線の電車に乗りました。

ひとつ目の奇行。




ひとつ前の駅へ戻ることにした。

ひとつ前の駅ならここよりいくぶん大きくて

コンビニもあるし、確か近くにファミレスがあった。

駅をひとつ戻れば選択肢が増えると思ったので。




駅をひとつ戻って改札を出てコンビニはスルー。

チーさん傘を買う選択肢はやめたらしい。

高架下を辿って雨に濡れないようにファミレスへ。




ファミレスに、入った。

どうやらチーさん、

ここで雨がやむまで本の続きを読むことにしたらしい。



でも、お腹は空いていない。

効きすぎた冷房がジュースを飲む気分にもさせない。

私はコーヒーが飲めないけど、

ここのコーヒーはおかわりが出来るらしい。

でも、コーヒーは好きじゃない。





「コーヒーください。」



これがふたつ目の奇行。

人生において、お店でコーヒーを頼んだことなんて多分初めて。

コーヒーでだけで、もういい!ってぐらいここに居座ってみよう。

初めての試みです。

注文を済ませて、本を読み始めるチーさん。





「お待たせしました、生ビールです。」

後から来た隣の席の男性の元に運ばれてきたビール。

本に夢中になっていて忘れていたけど、その声で思い出した。

コーヒーがまだ来ていない…。

忘れてしまったのかな…。仕方ない。

だって私も忘れてた。





「お待たせしました。お子様オムライスです。」

斜め後ろの席から聞こえる声。


「お待たせしました。焼き鮭定食です。」

今度は斜め前の席に料理が届いた。







ぽるけーい!!!






その後も、周りのテーブルはどんどん彩られる。

閑散としたチーさんのテーブル。なにもない…。





「ちょっと何も言わずにそっとしてみよう。」

これがみっつ目の奇行。





多分、私は、「あの…コーヒーはが来ていないです。」

お子様オムライスの段階で伝えるべきだったと思う。

じゃなきゃ、アルバイトの子は上司に後から怒られるかもしれないし、

気付いてコーヒーを持ってきたときに罪悪感を感じるかもしれない。

でも言わなかったのは、

別に早くコーヒーを持ってきてほしい気持ちがなかった。

だって私はコーヒーが好きじゃないから。

それと、本が面白くてそれどころじゃなかったから。

それと、この後どうなるかが見てみたい好奇心もあったから。






「すみません大変お待たせしました。ブレンドコーヒーです。」












普通。







少しの人間臭い感情も入れてこない。

なんだこんなもんか。








すると同じウェイトレスさんがあっちの方で

「すみません大変お待たせしました。ビーフシチューです。」







ぽ、ぽるけ!?







それと、あれが、同じテンション。

そら、あれは時間喰うで。だって煮込むもん。

あなたどんな心境でそのビーフシチューとコーヒーを運んだの。

ちょっと上がり何時?その時のこと詳しく聞かせて!

心の中でツッコミが止まらない。








って、つくづく自分は変な奴だと思いました。