チーさんキノコを食べるの巻。【考察と気付き】 | チー旅。〜世界一周する(仮)〜




【はじめに】

前編後編を読んでくれたみなさま。

ありがとうございました。

気分を悪くするところはありませんでしたか。




今日の記事は昨日までと違い完全に私の記録です。

忘れないように書き留めたものです。

はっきり言って、まるで読み物として成り立ってません。

ご了承のうえ、読んでいただければ幸いです。




体のことを心配してくださった皆様。

ご心配をおかけしてしまい、申し訳ございませんでした。

現在の体調はいたって正常です。

特別元気でもなく、特別落ち込んでもなく。

腹痛や気持ち悪さもございません。

ご心配をおかけしました。
















ただ、前へ進みたかった。

ここに居たくないわけじゃなく、次に行きたかった。

その日の昼前には村を出た。




バスに乗り、考える。

体が少しフワフワしてる。

一体、昨日の夜の経験はなんだったんだろう。

夢を見ていたような、現実じゃないような。

未だに信じられない。




私は、自分のことを汚いと思ってるのか…。

どうしてあんなにも人を怖く感じ、拒絶したんだろう。





考えたってうなずける答えは見つけられなかった。

なんだか疲れている気がした。







バスで10時間。

到着した頃はもう真っ暗だった。

メキシコシティにやって来た。

ここが私の旅の最後の地。




宿に到着し、ドアを開けて最初に目があった人。

10ヶ月前に遠いネパールで出会ったヨシ君だった。

こんな所でアポなしの偶然の再会。

それを二人ですごく喜んだし、なんだかホッと安心した。



ヨシ君と話しているととても社交的な女性が話しかけてくれた。

「あ、チーさんですか?」

ナコちゃん。彼女はカラーセラピストだという。

少し前までコロンビアのメデジンにいたらしく

私も1ヶ月前、そこにいたから私のことを知っていた。

そしてまた、私も彼女のことを知っていた。

メデジンで睡眠強盗にあった女の子がいると

かおりさんや、旅人から話が回って来ていてた。

よくよく聞いたら、その女の子が彼女だった。

広い世界を旅しているけど旅人なんてそんなもん。

ほとんどが顔見知りだったり、噂で存在を知ってたりする。




3人で談笑する時間は楽しかった。

昨日の孤独な夜に苦しんだ私の心を和らげてくれた。

少しの頭痛と体のだるさがあったけど、楽しかった。





ヨシ君と私は、ナコちゃんに

「カラーセラピーやって欲しい!」と言った。

それはほんのちょっとした興味本位だった。






まずはヨシ君から。

人がやっているのを聞くと洗脳されてしまうから

一緒にいるのはあまり望ましくはないらしい。

なので私は部屋でブログのコメントを返したり

メールの返信をしながら、自分の番が来るのを待った。





「終わったよ。」

ナコちゃん呼びに来てくれた。

カラーセラピーが始まる。

初めて受けるから言われた通り指示に従う。





「目をつぶったまま聞いてね。

今ここに12色のボタンがある。

目を開けたら、自分の好きな色とか関係なく

目に飛び込んできた3色の色を反射的に選んで。」





「おっけー!わかった♪」





私は指示通り、

目を開けてパッと目に付いた3色のボタンを

瞬時に指ではじいた。




私が選んだ色は【赤】【青】【透明】だった。





【赤】現実を見る。 アグレッシブ。 情熱を燃やす。

体が疲れているのに気付かず突っ走っている。

自分では気づかないうちに体が疲れている。

とても男性的な色で外に発信しようとする力のある色。





【青】愛情。 誠実。

自分の弱さを受け入れることで

人に愛情を持って接することが出来る。

真面目過ぎて自分の首を絞めることがある。

「こうあるべきだ。」「こうしなければならない。」など。

とても女性的な色で内に込めようとする力のある色。






【赤】と【青】は真反対の意味を持つ色らしい。





ナコちゃんが話し出す。

ひとつひとつ、色の説明をする。

私はそれを「へえー…」と曖昧な返事をしながら聞く。




自分の中で考察してみた。





私は昨日キノコを食べた。

自分と言う人間は「明るくていつも元気で笑顔で悩みがなさそう。」

周りはいつだって口揃えて私にそう言う。

し、そう自分でも自負している。




そう思っていたのに、

ラリっている時は、自分を汚いと連呼しつづけた。

人の気配を感じると「来ないで触れないでこっちを見ないで」

何度も何度も心の中で唱えていた。

それでも泣き続ける自分は「ひとりは寂しい」と震えた。

そんな人間を誰も知らないし、私も知らない。




私は人が好きで人に興味がある。

寂しがり屋でも、臆病でもない。

容姿が良いとも思わないけど汚いとまで思ったこともない。

とてもポジティブな人間。

これは絶対間違いじゃないと言い切れる。





キノコを食べたことをナコちゃんに打ち明けた。

「なるほどね…。

きっと本当はそのネガティブな自分もずっといたのかもね。

でも、押入れの奥にしまい込んで開けずに見ないようにしてたのを

キノコを食べガラッと自分で開けたのかもしれないね。

外には明るくて元気な自分を発信していて

弱くて自信のない自分を内に隠し持っていたのかもしれない。」






あんな風に泣きじゃくって何もかもが

怖く感じて弱弱しかったのも、自分。




これは、書いている今でもあまり実感はない。




「いつも明るくて悩みがなさそうと言われ続けてきたから

そうあるべきだと思っていたのかもね。

もちろんそれが偽りではないよ。

明るくて元気なチーちゃんは本物だと思う。

チーちゃんと話してて実際に思うのは

本当にコミュニケーションも上手。

人が言ってほしいことを理解して選んで言えるね。

それが実は自分で自分を疲れさせていたのかもね。」






ナコちゃんは話すのがうまい。

私の心の深い所をやさしく刺激してくる。

幻覚を見た今は

素直にその言葉を受け取る以外出来なくて

私は、気付けば泣いていた。

本当に、よう泣くな。





自分の中に本当にそんな弱い自分がいたとしたら

過去のトラウマを大人になった今でも心に抱えていたのかと

自分のことがみじめで可哀そうに思えたから、泣けてきた。





ナコちゃんは私をどんどんひも解く。

とてもデリケートに。

気付けば私はナコちゃんに家庭のことを話していた。




物心ついた頃から父は母に手をあげていた。

離婚こそしていないものの、何度も別居を繰り返していた。

そんな怖い光景を私たち兄弟はずっと見ていた。




小学校の頃から勉強が出来なくてよくひっぱたかれた。

いろいろひどいことも言われた。

その時のセリフは今でもなかなか鮮明に覚えている。

自分はバカなんだと、その時から理解していた。




私には兄がふたりいる。

兄とも私は馬が合わず、仲良くない。

良くしてもらった記憶も、仲が良かった記憶もあまりない。

世界一周出る前に、兄が私に手をあげた。

ことの発端はしょうもない兄弟喧嘩だったはず。

目を血走らせこちらに向かってきた兄は

私の首を絞めて床に押し倒した。

押し倒され何度何度もボコボコに蹴られた。

髪の毛を掴んで風呂場のタイルに頭をガンガン打ちつけられた。

死に物狂いで家を飛び出して逃げた。

追い付かれると思ったから靴を履くことも出来なかった。

真夜中に裸足で冷たいコンクリートの上を

「殺される」と思いながら全力で走った。

おととしの年末の夜のことだった。




別居中の父に助けられ、

そこから母のいる実家には帰っていない。





キノコを食べた時の自分も本当の自分だとしたら

来ないで触れないでこっちを見ないでと泣いたのは

人が怖いことを子どもの頃からすでによく理解していて

自分でも知らない根底のどっかで人が怖かったのかもしれない。

自分を見て「汚い」と言い続けたのは

本当は自分に自信なんか微塵もないんだと思った。

自分のことを自分で罵るほど、嫌いに思っていたんだ。





これは、仮説。

ナコちゃんに手伝ってもらって

自分で考察した結果の仮説。




全く真逆のふたりの自分。

赤と青という真逆の意味を持つ色。

タイミングがタイミングなだけあって

偶然とは思えず、感情移入し、

自分とまるっきり重ね合わせてしまった。





そしてもう一つの色。

【透明】




これは

0か100か。スタートか終わりか。生か死か。という意味の色だという。



「自分でも知らなかった全く真逆の自分を知って

これからの生き方にとても響くいてくる。

それはもちろんチーちゃん次第。

その知らなかった自分のこともちゃんと受け入れて

また新たに人と、自分との向き合い方を

変えることができるよきっと。」





なんだか出来過ぎたシナリオだ。

冷静に見て自分でも、そう思う。

カラーセラピーが全てだとは思っていない。




キノコをしたことが間違いだったかもしれない。

カラーセラピーなんて

全てを自分の都合のいいように解釈しただけかもしれない。




全てのことは、間違いだったかもしれない。

それは私にはわからない。

間違いだったとしても、

私はとても大きな気付きを得た。

だったら、24歳という若さで

間違いをしても、それはただのかすり傷。

何かに気付いたり、得ることが出来るなら

傷つくことも、泣くことも悪くないなあと思った。

自分だけでも信じてあげないと

この体験はただの経験で終わってしまうと思うから…。





って思えるのは体が元気で命があるから。

そのことに深く感謝します。





少し大げさかもしれないけど

私は旅の最後で素晴らしい経験をしたと思っている。

そんな自分がいるなんて1mmも知らなかった。

24年の人生で一番の大発見だった。

20代の前半でこんなことに

気付くことが出来た私はとてもラッキーだ。






誰かに言われて気付けることや

自分で考えて気付けることはたくさんあるけど

身をもって知ったもうひとりの自分には

それ以上に説得力があったし信憑性がある。

自分が信じているのは、結局自分なんだ。







あんな風に書いてしまったけど

家族のことをちっとも恨んでいないし

母と父をとても愛している。

私の両親は、いつも私のことを信じてくれる人。

私はふたりの愛を感じいてとても幸せ。

世界で一番会いたい人。

うちの母と父は世界で一番私を愛してくれる人。





今回の経験で本当に多くのことに気付き、

得たものもたくさんあった。

それはまだまだ、気付きや、得た段階であり、

頭で分かっていても

それらをすぐに実践できるかと言ったらそうではない。

でも、ひとつだけ確信していることがある。

人にやさしくできるということ。

人はみんな弱い自分も持っているのかなと思った。

弱いと言ってもいろいろな形があると思う。

臆病であったり、決められなかったり、ひとりが嫌だったり

プライドが高いことだったり、あまのじゃくだったり、繊細だったり。

私にだって弱い所があるんだ。自分の目で見た。

人の全てを分かりあうことはできない。

他人なのだから分かれないこともある。

だから、思いやることは必要なんだ。

だから、人の痛みを知ることは必要なんだ。

そうしたら、やさしくなれる、気がした。








自分は不幸と思ったことはありません。

この程度のトラウマや心の闇は人間だれだって抱えている。

これは「自分はこういう人間だったんだ」という新たな発見を

たまたま出会った幻覚キノコとカラーセラピーを通して

客観的に考察し、気づきを得るまでの過程の記録です。







気を悪くされていないことを願うばかりです。







読んでくれてありがとうございます。

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キノコ編は終わりだよーん。



あとは、家に帰るだけ。