藤巻の言(2)。。 | たいくつ親父のひとり言(パートⅡ)

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亭主敬白

2.毎日新聞 社説:財政の悪化 国会は危機感に乏しい
2月21日付毎日新聞に「財政の悪化 国会は危機感乏しい」という社説が載っていた。まさにそのとおりだと思う。社説は最後に「衆院予算委員会の議論は、野党も文部科学省の天下り問題などの追及に力を注ぎ、財政健全化のやりとりは踏み込み不足だった。しかし、将来世代につけを回さない財政の確立は与野党共通の課題だ。
日銀が金融緩和で長期金利を低く抑えているため、金利上昇という市場の警告機能が働いていない。それだけに財政規律を維持していくには、政治の責任が重いはずだ。」とまとめていた。まさにそのとおりだ。私は麻生大臣や黒田総裁に煙たがれようが嫌われようが追及を続けていくつもりだ。

3.日銀の出口問題
2月24日の日経新聞「大機小機」は「日銀の金融緩和政策の『出口懸念』がよく語られるが問題がない」という内容が書かれてあった。プロパガンダの読者の数名の方から「私がこの記事をどう思うか?」についてコメントが欲しいとのご依頼があったので書かせていただく。
まず「「大機小機」の「不換貨幣を発行する現代の中央銀行は財務の健全性を心配する必要がない。中央銀行は民間銀行や企業と異なり、通貨発行益を有する。資産の購入も経費の支払いも日銀当座預金の貸方記帳で取引は完結する。日銀は債務超過を心配する必要がないから、自己資本を心配する必要もない。」の部分であるが、私が現役のころなら、まだわかる。日銀の負債はほとんどが発行銀行券だったからだ。発行銀行券で国債を買っている限り、いつまでも通貨発行益を享受できる。保有国債の利息という収入に対し、発行銀行券は利息など払う必要が無いからだ。
しかし「異次元の量的緩和」で増えたお金とは「発行銀行券」ではなく大半が「日銀当座預金」である。発行銀行券の4倍近くだ。

皆さんが三井住友銀行に預金を持つがごとくに三井住友は日銀に当座預金口座を持っている(日銀当座預金という)。国債の購入代金は、この日銀当座預金に振り込まれる。この口座は現在大半に0.1%の利息が払われているが、(異次元の量的緩和を始めた以上伝統的金融政策の時の利上げ方法は使えないので)利上げの手段としてはここへの付利金利を上げていくしかないと言われている。

日銀は保有国債から0.3%の利息しかもらっていないのに、日銀当座預金に(たとえば)2%の金利など払ったら、損の垂れ流しで倒産の危機となる。莫大な「通貨発行“損”」の発生だ。「大機小機」の筆者の方が財務の健全性を気にされなくても、マーケットや国民は気にする。倒産する中央銀行(=その銀行が発行する貨幣の価値はゼロになる)の紙幣など誰もいらない。円は暴落してしまう。
「大機小機」氏は「出口に入って短期金利が上昇し始めると経常損失が生じ始める」と書かれているから「通貨発行”損”」の発生は理解されているようだ。しかし「だが出口での経常損失も心配するに及ばない。出口政策が完了した暁には、再び経常利益が発生し始めるからだ。」とある。

昔なら日銀は短期国債しか買っていなかったから保有国債の利まわりが短期間で上昇し、「通貨発行損」は比較的短期に「通貨発行益」に戻っていただろう。しかし、今、日銀はシミみたいな金利の10年国債、30年国債、40年国債を山ほど買っている(繰り返すが私が現役の時は1年以内の国債のみだ)。保有国債の利廻りの上昇は10年国債や30年国債の満期が来る先の先の先のまた先だ。その長い間、莫大な損をたれ流し続ける日銀が、信用を保持できるとは到底思えない。それが可能なら戦前のドイツの中央銀行ライヒスバンクは倒産などしなかったろう。だから私をはじめとして多くの識者が「出口」を心配しているのだ。